赤ちゃんの初めてのおもちゃとして人気の高い「ガラガラ」、またの名を「ラトル」という。かくいう私も、「生まれてくる赤ちゃんのために!」と産休中にはりきってウサギのガラガラを手作りしたものだ。
そんなガラガラは4000年以上も前から存在し、今でも世界中で赤ちゃんをあやし続けているのだが、実は最初から赤ちゃんのおもちゃとして作られたものではなかったのである!
一体ガラガラは何の目的で作られたのか? なぜ赤ちゃんのおもちゃになったのか? 今回の雑学では、その秘密を探ってみよう。
【生活雑学】赤ちゃんをあやすときに使う「ガラガラ」のルーツは?
【雑学解説】赤ちゃんの「ガラガラ」のルーツ
古代の人々は、身近に出産・病気・死といったきっかけがあると悪霊に取りつかれやすくなると思っていたようだ。そこで、干したひょうたんや土でできたボールの中に小石を入れてガラガラと大きな音を鳴らすことで悪霊や災いが追い払えると考えていたのである。
その儀式において使用したガラガラを大人が使わなくなり、子どもへ譲ったことでおもちゃとして扱われるようになったというのだ。
さらに、ガラガラの音を赤ちゃんが喜ぶことに気づいたり、赤ちゃんの成長や発達に効果があると評価されたことで、おもちゃとしてのガラガラが発展していったというわけである。
【追加雑学①】「ガラガラ」だけでなく空き缶でも悪霊払い!?
昔の外国映画をみると、結婚式を終えた新婚夫婦が、ハネムーンに向かうためオープンカーに乗って出発するシーンがある。その車の後ろにはなぜか空き缶がいくつも結び付けられていて、ガラガラと派手な音を立てて二人が去っていくという映像が印象的だ。
実はこの空き缶を引きずる音もまた、悪霊を寄せ付けないようにする意味があるという。大きな音を立てることで、新婚の二人に悪いこと・ものを近寄らせないようにしているのだ。
日本でも、拍子木(ひょうしぎ)でカーンカーンと大きな音を出し、火の用心を訴えるのも悪いことを祓う方法のひとつと考えられている。ほかにも「でんでんだいこ」と呼ばれるバタバタと音を立てるおもちゃにも、その音で天然痘のあばた(天然痘が治ったあとのくぼみ)を取り除くという信仰があったというのだ。
音で災いを遠ざけようと考えるなんて面白い発想だ。
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【追加雑学②】おもちゃとしての「ガラガラ」の効果
赤ちゃんのおもちゃとしてガラガラの効果が評価されるようになったのは18世紀中ごろからである。五感をフルに使って遊ぶことで脳に刺激を与えられるのだ!
生まれて間もない赤ちゃんは視力が弱いが、聴覚は胎児の頃から発達しているため、ガラガラの音を聞かせることで音を認識する能力が身に付いていく。また、音を楽しむことで、情緒の面でも発達していくといわれている。
1~3カ月ごろになると、追視といって動くものを目で追うようになるため、ガラガラを動かすことで追視能力が鍛えられるようになる。手首や足首につけるタイプのガラガラをはめてあげると、音を面白がってより手足をバタバタ動かすため、筋力をつける効果も期待できるというのだ。
4~5カ月にはガラガラをひとりで握れるようになり、自分で振ることでさらに筋力アップに繋がる。口に入れたり、舐めたり噛んだりもし始めるので味覚や触覚で形や大きさ、質感などを学ぶこともできる。手先が器用になると投げたり転がしたりと自由に遊び方を工夫するようになるのも発達のひとつだ。
ガラガラの音で赤ちゃんを泣き止ませることも!
ガラガラといっても、中に入っているものは鈴・ビーズ・丸い玉・ウッドチップなど種類によっていろんな音があるので、赤ちゃんのお気に入りの音を探してみるのもよいかも。寝かしつけにも役立つこともあるようだ。
雑学まとめ
今回は赤ちゃんの「ガラガラ」についての雑学をご紹介してきた。いろんな素材・形・音で赤ちゃんを楽しませるファーストトイとして人気のガラガラは、もともとは災いから身を守るための儀式の道具がルーツだった!
それをおもちゃとして楽しむ子どもの発想力もすごいし、ガラガラのポテンシャルもすごかった。単に音が出るおもちゃだと思ってあなどるなかれ! 赤ちゃんの成長や発達に貢献してくれる優れものだったのだ。
私が作ったウサギのガラガラ、娘は幼稚園になった今でも時々出して遊んでいる。自分がお姉さんやお母さんになって人形やぬいぐるみたちをあやすのに使うのである。そんなとき「作ってよかった」と思いながら母は目を細めて娘の創意工夫を見守っている。
これから出産祝いを選ぶ機会があれば、ガラガラぜひ候補に入れてみよう!
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