ワイドショーや雑誌などで、時たま「カリスマ店員」や「カリスマモデル」といった言葉を目にすることがある。意味としては、「とてもすごいレベルの人」といったぐあいだろうか?
しかし、厳密にいうと「カリスマ店員」や「カリスマモデル」といった使い方は、「カリスマ」本来の意味から考えると間違っているのだ!
それでは、「カリスマ」とは本来どんな言葉なのだろうか? 今回はそんな雑学を紹介していこう。
【生活雑学】カリスマ店員などの「カリスマ」の使い方は間違っている
【雑学解説】「カリスマ」はもともとキリスト教が由来の言葉
「カリスマ」という言葉は、聖書の中に記載されている。語源自体は「カリス」というギリシャ語なのだが、この言葉が変化して、聖書の中に取り入れられたのだ。
聖書の文脈によってさまざまな意味があるが、簡単にいうと「神様からの贈り物」といった感じだろうか。このことから、神様のように超自然的な力をもった人物を「カリスマ」と呼ぶようになったのだ。
具体的にどんな人物かというと、英雄・預言者・教祖が「カリスマ」にあたる。たとえば、イエス・キリストは神がかり的な力をもって、多くの人々を魅了した。こういった人物が、本来「カリスマ」と呼ばれるのにふさわしい人物なのだ。
そして「カリスマ」と呼ばれる人物が、時代の流れによって政治家や軍人に対しても使われるようになり、次第に現代のように店員やモデルなどにも使われるようになったというわけだ。
現代では本来の意味から離れた使い方をしているが、どのような身分であっても、多くの人たちを魅了する才能をもっている人に対して「カリスマ」という言葉を使っているように思える。
非日常的な力をもっていなくても、多くの人を引っ張ることのできる魅力をもっているということは、ある種の神様からの贈り物なのかもしれない。
おすすめ記事
-
神の力?"目からウロコが落ちる"は聖書の言葉【使徒行伝】
続きを見る
スポンサーリンク
【追加雑学】「アイドル」も本来の意味と今の意味で違う
さて、本来の意味から変わった使い方をされている「カリスマ」。その言葉と同じように、本来の意味とは違う使い方をされている言葉を、追加雑学として紹介しよう。
それが、「アイドル」だ。「アイドル」というと、AKB48やジャニーズといった人たちを想像するだろう。しかし、「アイドル」の本来の意味は違う。
「アイドル」という言葉は、英語の「idol」からきている。その意味は、「偶像(ぐうぞう)・崇拝の対象」といったものだ。
偶像とは、神様や仏さまの姿をかたどったものを指す。分かりやすくいうと、仏像がそれにあたる。そう、「アイドル」を本来の意味で表すなら、仏像のことになるのだ! つまり、奈良や鎌倉の大仏も「アイドル」ということになる!
この「崇拝される対象」という意味が転じて、「あこがれの的」や「人気者」といった意味になり、今のような「アイドル」の使い方になったのだ。
よくネットなどで「アイドルの熱狂的なファン」のことを「信者」と呼ぶことがあるが、そう考えると、現代のアイドル達も本来の「アイドル」の意味に当てはまるのかもしれない。
雑学まとめ
「カリスマ店員」など、とても魅力的な人物のことを指す「カリスマ」についての雑学をご紹介してきた。本来は、超自然的な力をもった人物のことを指す言葉だった。
しかし、言葉というのは時代の流れによって変化するものだ。最初は英雄や預言者などに使われていたのが、現代では店員やモデルなど身近な存在にも使われるようになっている。そういうところは、とても興味深い。