兵庫県淡路島、ここに南あわじ市市市という地名が存在する。これは誤字などではなく「南あわじ市市市」というれっきとした地名である。
読み方は「みなみあわじしいちいち」。最後の2つの“市”は「いちいち」と読み、南あわじ市の市市という地名を表している。
珍地名は日本にも多く存在するが、どれもその由来が気になるものばかり。果たしてこの地にはどんな由来があるのだろうか。今回は、日本の変な地名についての雑学をご紹介しよう!
【面白い雑学】日本には変な地名がいろいろある
【雑学解説】南あわじ市市市が生まれた背景とは?
現在のように市が3つ並ぶようになったのは、平成17年の市町村合併に由来している。その当時、南あわじ市は三原町・緑町・西淡町・南淡町の4つの町で構成されていたが、いわゆる平成の大合併の流れに乗る形で合併し、南あわじ市という地名になった。
かつての三原町周辺の地域にはもともと“市(いち)”という字がつく地名が多く、市新・市青木・市福永などなど、“市”がつく地名は10も存在している。その中の一つが「市市」であった。
つまり、合併する前は「三原町市市」だったのだが、合併したことにより「南あわじ市市市」と、“市”が3つ並ぶようになってしまったのである。
【追加雑学①】まだまだある日本の変な地名
こういった地名は他の県でも多くみられる。ウソのようなホントの地名をいくつかご紹介しよう。
大町町大町上大町
大町町大町上大町は「おおまちまちおおまちかみおおまち」と読む。
なんだかひどく慌てているような地名だが、これは佐賀県杵島郡(きしまぐん)に実在する地名である。
この地域もかつては村であった「大町村大町上大町」が町へと昇格したことからこの地名となっている。村から町になったことで珍地名の存在感がぐっと増している。
志布志市志布志町志布志(しぶしししぶしちょうしぶし)
こちらはもう呪文のような字面だが、これも実在する地名のひとつ。
志布志市志布志町志布志は「しぶしししぶしちょうしぶし」と読む
鹿児島県にある志布志市も、もとは志布志町であったものが平成の大合併により市へ変わり、志布志市となったことでさらに珍名度を増した。
このように合併によって村から町へ、町から市へ変貌を遂げたことで珍名度を上げた地域は多数存在し、合併による副産物となっている。
しかし、こういった字が重なるような地名のほかにも、シンプルに珍しい地名も存在する。
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【追加雑学②】マジで読めない変な名前の地名たち
歴史背景などから北海道や沖縄など、外国の干渉があった地域には珍しい読みの地名が多く、また、方言などが発達している地域にも読み方が特殊な地名が多い。
重蘭窮
重蘭窮(ちぷらんけうし)は、北海道釧路市にある地名。思った通りこの周辺にはアイヌ語を由来とした地名が多く、当て字のようになっていて、地元の人でなければ読めないようなものばかり。
於尋麻布
於尋麻布(おたずねまっぷ)は、こちらも北海道羅臼町にある地名。同じくアイヌ語を由来とした秘密道具のような地名だ。
凸清水
凸清水(でこしみず)は愛知県阿久比町にある地名なのだが、凸が地名として使われていることには驚きだ。
そもそも凸が漢字であることを知っている人はどれだけいるのだろうか。
凹清水
やはりというべきなのか、凸があれば凹もあるということで、この珍地名をピックアップ。凹清水(へこしみず)。
熊野
熊野(いや)は和歌山県御坊市にある地名。どっからどう読んでも“くまの”だが。どう読めというのか…
凹原
再び登場の凹。凹原は(ひっこんぱら)と読む。もしかして、「凸凹地名は」けっこうあるのか?
調べたところ、凹清水・凹原を含めて9つもの凹地名が存在した。結構あった。ちなみに凸の方も調べたが、こちらは前述の凸清水以外は存在せず、凸凹は1セットではないようだ。
城辺保良
城辺保良(ぐずくべぼら)という怪獣のような地名は沖縄県宮古島市にある。
シンプルに読めない。
「日本の変な地名」の雑学まとめ
今回の雑学では日本の珍地名についてご紹介してきた。南あわじ市市市はその中のひとつでしかなかったが、市町村合併により珍地名化したところはまだまだありそうだ。
村や町がつく地名にお住まいの方は、周辺地域が町や市に変わったときにどういった地名に変わるのかを考えるのも面白いかもしれない。
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