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東京ドーム74個分…!中国では50年間燃えていた火災があった【烏海】

雑学カンパニー編集部

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中国で50年間燃えていた火災があるという雑学

火災といえば、地震や雷と並んで恐ろしい災害の代名詞となっている存在だ。しかし、火災の多くは人災でもあるため、天災と違ってある程度対処しやすいという特徴がある。

わが国の場合、消防システムが整っていることもあり、火災の80%は出火から放水開始までは10分以内。そして、起こった火災の半数は30分以内に鎮火しているのだ。

ところが、世界には驚くべき火災がある。なんと中国には出火から50年経っても未だに燃え続けている火災があるというのだ!

今回は、知られざる恐怖のスーパー火災についての雑学を紹介しよう!

【世界雑学】中国で50年間燃えていた火災がある

中国で50年間燃えていた火災があるという雑学

ばあさん
中国のモンゴル自治区烏海(ウーハイ)市にある烏達炭鉱が1961年に出火して、それ以来なんと50年間も火災が続いているそうですよ。

じいさん
50年間も?!そんなに火災って長く続くものなのかのう?

【雑学解説】もともと消火しづらい炭鉱火災

どうやら、燃えても炭鉱の一部を閉鎖して採掘を続けていたらしいのだが、1980年代に入ると複雑に伸びた坑道に炎が縦横無尽に広がり、延焼面積は349万平米にも及んでしまった。

349万平米と言われてもピンとこないかもしれないが、東京ドームに換算すると約74個分にもなる。

坑道を封鎖して鎮火させようと試みたものの、出来なかった中国は2008年、数年にわたるプロジェクトを立ちあげ、放水消火作業をようやく試みたのだ。

この消火活動には消防自動車以外にもダンプカーやフォークリフト、ショベルカーなどが100台以上も集められ、計上された予算は当初の予定で20億円を超える大規模なものになった。

ばあさん
この予算の約3分の1は国家から捻出されているそうですよ。

なぜ50年間も火災が続いたのか?

燃料となる石炭は豊富にあるわけだが、物が燃えるには酸素が必要なはず。はたして、地下にそれほど大量の酸素が存在するのだろうか。

実際、炭鉱によっては坑道の入り口を塞ぐことで酸素の流入を遮断し鎮火する方法も取られるのだが、これは小規模な火災にのみ通用するとのこと。

烏達炭鉱のように広大で複雑に入り組んだ坑道の隙間を全て塞ぐことは現実的に難しく、完全に酸素の供給を遮断することは不可能だった。

じいさん
こりゃあお手上げ状態じゃのう…

簡単に火災の放水消火が出来ないわけ

炭鉱火災には簡単に放水消火できないという雑学かと言って、消火作業の定番である放水も考えものである。

熱した石炭にいきなり水をかけることで水蒸気爆発が起こる危険性があり、さらなる災害に発展していまうことも考えられるのだ。

このように、炭鉱火災自体がもともと消火しずらいこともあり、世界には消火をあきらめ放置されている火災も多く存在するという。

烏達炭鉱の火災は2010年のネット記事によると、消化のめどがたったとのこと。そこから4年の消火活動と1年の確認期間があるとのことだ。それから鎮火したのかどうか、調べてみたがその事実は確認できなかった。

ばあさん
今は鎮火しているといいですねぇ…
じいさん
そうじゃのう、ばあさん…

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【追加雑学】世界にはとんでもない炭鉱火災がある

半世紀にわたって燃え続ける中国の炭鉱火災。

しかし、火災を調べていくと世界にはそれを上回るとんでもない炭鉱火災があることが判明した。

アメリカの炭鉱火災で1つの街が焼失!

アメリカの炭鉱火災で1つの街が焼失したという雑学1962年、アメリカのペンシルバニア州にあるセントラリア炭鉱で、清掃活動を行っていたボランティアの消防士がゴミを燃やしたことがきっかけで炭鉱火災が起きたといわれている。

ばあさん
消防士が火災を起こすなんて、皮肉なもんですねぇ…

火災はすぐに発見されたのだが、消火に使用するはずだった川の水が凍っていたことなどもあり、初期消火に失敗してしまう。

その結果、炎は坑道全体から街のあちこちへ広がる。火災によって有毒ガスが吹き上がり、道路には亀裂が。そして、街のインフラにも影響が出始めてしまう。

1963年、政府は人為的な消火活動は不可能と判断し、自然に鎮火するのを待つことになった。

良質な石炭が採掘される街として栄えたセントラリアだが、1992年には州知事から避難命令が出された。2002年には郵便番号も廃止され地図から消えてしまい、最後は煙に包まれたゴーストタウンと化してしまう。

じいさん
煙に包まれたゴーストタウン…どこかで見たことがあるような…?

このシチュエーションをどこかで聞いたことがないだろうか。そう、あの大ヒットホラーゲーム「サイレント・ヒル」に登場する町のモデルになったのがセントラリアなのだ。

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50年以上!セントラリアの火災が消火されない理由とは?【動画】

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オーストラリアには6000年以上火災が続いている山がある!?

オーストラリアには6000年以上火災が続いている山があるという雑学火災のトリビアで必ずあげられるほど有名なものがオーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州にあるバーニングマウンテンだ。

ばあさん
名前からして燃え上ってますねぇ。

なんと、こちらの火災はいつから燃えているのかはっきりわからないほど古い。

近年の地質調査によると6000年もの長きにわたって燃え続けているらしいのだ。もちろん、この火災は人類が起こしたものではなく、自然発火によって生じたもので炭層火災とよばれている。

最初、バーニングマウンテンが発見されたときは活火山ではないかといわれたこともあったらしいが、その後の調査でオーストラリア大陸には活火山が存在しないことが判明し、バーニングマウンテンが大規模な炭層火災であることが証明されたのだ。

日本にもあった!90年間燃え続ける炭鉱火災の動画を発見!

大規模火災なんて外国の話、日本ではそんなことはないでしょう…。なんてのんきなことを言っているアナタ! 日本にも負けず劣らぬ炭鉱火災があるということを知っておこう。

1925年に北海道夕張市にある神通坑で起きた炭鉱火災は、すでに90年以上燃え続けているのだ。

この動画は、現在の神通坑を撮影したものだ。

 

じいさん
地面から蒸気が立ちのぼっていて、その一角だけ雪が積もっていないのが見えるぞ?

雑学まとめ

50年間燃え続ける中国の炭鉱火災に関する雑学まとめ今回の雑学では、50年間燃え続ける中国の炭鉱火災にスポットを当ててみた。

たしかに、中国の炭鉱火災の規模はデカイが、世界にはそれを上回るスケールの大きな炭鉱火災があることが分かったと思う。

地面の熱で雪が積もらない、有毒ガスの影響でかすんで見える、そんな世紀末的世界観が実際に起きてしまう炭鉱火災。

それは、人類が文明と引き換えに被った災害の一つかもしれない。

ばあさん
じいさん、実は炭鉱火山は地球温暖化の原因のひとつにもなっているんですよ…
じいさん
おやばあさん、そうなのかい?これはなんとまぁ困ったことじゃのう…

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