今回は、チュッパチャプスのロゴデザインの雑学である。
チュッパチャプスのロゴは、マイナーチェンジはされてきたものの、1969年にデザインされたときから一貫してデージー(ひなぎく)をかたどっている。
実は、このデージーロゴの最初のデザインを手掛けたのは、世界的に有名なあの芸術家なのだ。名立たる芸術作品を手掛けてきた彼が、まさかこんなに身近なお菓子までデザインしていたとは!
【食べ物雑学】チュッパチャプスのロゴをデザインしたのはダリ!
【雑学解説】チュッパチャプスのロゴができるまで
チュッパチャプスは、1958年にスペインで生まれた棒付きキャンディーである。
当時のスペインでは、キャンディーをこっそり口のなかに入れたり、舐めたものを手で触ったりする子どもたちに大人は悩まされていた。そこで、アンリック・バルナット社長(現・チュッパチャプス社の創業者)が考案したのがチュッパチャプスだったのだ。
そうか…棒付きのキャンディーならこっそり舐めることはできないし、キャンディーを直接触らなくても口から出すことができる。まさか子どもに癖を直させるためのアイデアだったとは!
1969年になると、このチュッパチャプスを世界展開するにあたり、バルナットは世界的人気を誇る芸術家、サルバドール・ダリにロゴデザインを依頼した。バルナットは世界に通用するデザインを作れるのはダリだけだと考えていたのだ。
そしてバルナットがダリの自宅まで依頼に出かけると、ダリはバルナットを昼食に誘ったという。「飯食いがてら打ち合わせしよーぜ!」みたいな感じか。
…と、思ったら打ち合わせもなにも…ダリはなんと昼食のあいだの1時間にも満たない時間で、紙ナプキンの上にロゴを書き上げてしまったのだ!
それがおなじみの、デージーの形にチュッパチャプスの文字があしらわれたロゴマークである。キャンディの形状を踏まえ、ロゴがふんだんに見えるよう計算された完璧なデザインだ。
バルナットはすぐにこれを気に入り、採用した。ダリ天才かよ…いや、天才だけどさ。
サルバドール・ダリってどんな人?
知らない人のために説明しておくと、ダリは20世紀に一世を風靡したスペインの画家である。カイゼルヒゲを上向きに固めたスタイルが特徴の、見るからに個性の塊のような人物だ。
作品が紹介されている動画があったので紹介しておこう! 0:40~の『記憶の固執』、1:30~の『水面に象を映す白鳥』などは代表作として有名だ。
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【追加雑学①】チュッパチャプスは改名されていた
1958年の発売当初、チュッパチャプスは実は別の商品名で発売されていた。その名も「GOL(ゴール)」。
「丸いサッカーボールのようなキャンディーを口のなかにシュート!」というイメージで名付けられたというが、これがいまいち浸透しなかったのだ。うん…イメージはわかるけど、あんまりお菓子っぽくない名前だ…。
そこで、「Chups(チャプス)」という、スペイン語で舐めたときの擬音語を使った名前にしたのだ。チャプス? チュッパはどこいった? となるところ。実はチュッパチャプスの「チュッパ」はさらに後付けである。
きっかけは商品名をチャプスに変えた際のラジオCMだった。流されたテーマソングは…
「チュッパチュッパチュッパチャプス!(舐めよう舐めよう舐めようチャプス!)」
というものだった。この語感の良さから、チャプスと名付けたキャンディーは自然と「チュッパチャプス」と呼ばれるように。こうして1962年には、正式な商品名として採用されることになったのだ。
ちなみにチュッパチャプスが日本にやってきたのは1977年のこと。当時はカタカナ表記のロゴが使われていたぞ! カタカナだと一気にレトロな雰囲気になるな。
https://twitter.com/ChupaChupsJapan/status/1168819115831640064
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【追加雑学②】海外限定のチュッパチャプスが怖い
ダリのロゴデザインの甲斐もあり、90年代にはすっかり世界各国へ広がったチュッパチャプス。これだけでもすごく挑戦的なことだが、世界進出の際にバルナットが考えた企画がこれまたユニークだった。
その企画とは…ご当地チュッパチャプスだ。「いろんな国で発売できるんだから、その国ならではの味出しちゃおうよ!」というわけである。
なんだ、よくあるやつじゃん。…と思うのはそのラインナップを見てからにしてほしい。まずは見比べるために、日本でも売られているものから…。
- コーラ
- プリン
- グレープ
- チェリー
- ストロベリー
- ラムネ
- ストロベリークリーム
- キャラメルポップコーン
定番どころはこんな感じだろう。うん、全部は食べたことないけど、どれも想像できる味だ。一方、海外限定で発売されているものだと、こんなのがある。
- ロシア…ブルーベリー
- メキシコ…唐辛子
- 北欧・オランダ…塩味
いや…ブルーベリーは普通なんだけどさ。唐辛子のキャンディーって聞いたことないぞ…。北欧にいたってはまさかの塩飴…棒に付いてるのが違和感しかないぞ!
ちなみにメキシコのチュッパチャプスは日本よりちょっと小さい。見た目的に15分ぐらいでなくなりそうだ。誰か唐辛子味食べたら感想ください。
https://twitter.com/a_i_m_e_r8/status/894168790874734592
「チュッパチャプスのロゴ」の雑学まとめ
今回はおなじみのチュッパチャプスのロゴデザインは、世界的芸術家・ダリが考えたもの…という雑学をご紹介した。
食事の席でサラリと書いたものが、半世紀も使われ続けているというのはハンパない。というかダリかっこよすぎ…。なんの世界でも、言われてすぐできるというのは最もプロフェッショナルの証になるのではないか。
ちなみに私はずっと「チュッパチャップス」と思っていたのだが、公式サイトでも「チュッパチャプス」と表記されているので、小さな「ッ」はいらなかったことにもビックリだった!