ババ抜き・七並べと並ぶ代表的なトランプゲーム「大富豪」。もしくは大貧民と呼ぶ人も。
学校の休み時間にも遊ばれるおなじみのゲームではあるものの、大富豪はルールが細かく、相手によって認識が異なる場面にしばしば出くわす。筆者も「階段革命あり?」などと聞かれて、「なんじゃそれ」となったことがある。
そんなトラブルを解消すべく? 日本には、実は大富豪の公式ルールを決めている団体が存在するのだ! 今回の雑学では、そんな大富豪の公式ルールについて解説していく。
あなたが当たり前だと思い込んでいる遊び方は、実はローカルルールかもしれないぞ!
【ルール雑学】トランプの「大富豪」には公式ルールがあった!
【雑学解説】日本大富豪連盟が制定した大富豪の公式ルールとは?
「日本大富豪連盟」。
…金持ちの集団か? と思うところだが、そうではない。
トランプゲーム「大富豪」の普及のために設立された団体で、大富豪の公式ルールもこの日本大富豪連盟によって定められている。
冒頭でも触れたように、大富豪はローカルルールが多く、プレイ前のルール決めが面倒なことがある。そんな側面を考慮し、「世界の人々が同じ土俵で腕を競うこと」を目的に、同団体が公式ルールを制定したのだ。
公式ルールがどんなものか、さっそく解説していこう。
大富豪の基本ルール
「大富豪の連盟公式ルール」においても、以下のような基本のルールは共通だ。
大富豪の基本ルール
- 配られたカードを順番に捨てていき、手札を早く出し切ったプレイヤーが勝ち
- カードの強さは「3<4<5<…<K(キング)<A(エース)<2<J(ジョーカー)」の順
- あがりの順番に応じて「大富豪・富豪・貧民・大貧民」の階級が決まる
- 大富豪は大貧民と2枚ずつカードを交換(大富豪は好きなカード、大貧民は強いカードを上から2枚渡す)
- 富豪と貧民は1枚ずつカードを交換(富豪は好きなカード、貧民は一番強いカード)
ただし以下のように、公式ならではといえる特徴もある。
公式ならではのルール
- プレイヤーの人数は4人
- ジョーカー2枚を含めた54枚のカードから2枚を除いた52枚(1人13枚の手札)でプレイ
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公式ルールの「5大公式ルール」とと「反則上がり」とは?
そして、ここからが本題。
公式ルールでは数多くのローカルルールから厳選された「5大公式ルール」と「反則上がり」が採用されているぞ。
それぞれ紹介していこう。
5大公式ルール①革命
たとえばハート・クローバー・スペード・ダイヤのAが各1枚ずつなど、同じ数字のカードが4枚同時に切られたとき、ゲーム終了まで数字の強さが逆転(3が最強、2が最弱)する。
なお、もう一度革命が起こると数字の強さは元に戻り、これを「革命返し」という。
5大公式ルール②8切り
8のカードを切ると場が流れ、自分から新たにカードを切ることができる。
ただし、8が含まれる「階段(7・8・9など)」の場合には8切りは適用されない。
5大公式ルール③都落ち
大富豪のプレイヤーより先にあがるプレイヤーが出た場合、大富豪は大貧民になり、手札を放棄する。
5大公式ルール④スートしばり
同じスート(マーク)のカードが連続で出された場合、場が流れるまで同じスートのカードしか出せない。
5大公式ルール⑤スペ3返し
ジョーカー1枚が出されたとき、スペードの3を出すことでジョーカーに勝つことができる。
反則あがり
特定のカード(2、3、8、ジョーカー、スペードの3など)であがると自動的に負けとなる。
以上が公式ルールだ。
ほとんどおなじみの内容だが、筆者は「スぺ3返し」は知らなかった。覚えておけばプレイ前のルールの取り決めもスムーズになるかも?
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【追加雑学①】大富豪の全国大会もある!
公式ルールがあるからには大会もある!
以下は日本大富豪連盟が主催する「天下一大富豪大会」の模様を映した動画だ。
決勝こそ少しピリッとした雰囲気はあるものの、予選などでは参加者もみんな和やか。初対面でも気兼ねなくプレイできる大富豪の魅力が見て取れる。
始まったばかりの催しということで日時などは不定期だが、今のところ年に一度ほどのペースで開催されている様子。参加条件は出場費の4,000円ぐらいで、まさに誰でもウェルカムな大会である。
本選に出場できるのは、地方大会を勝ち抜いた猛者たちのみ。優勝すれば「天下一」の称号と、次回大会のシード権が手に入る。
腕自慢は次回大会に向けて、日本大富豪連盟の公式ページをチェックしておこう。高校生向けの「大富豪甲子園」もあるぞ!
いずれは大富豪の世界大会も?
大富豪の公式ルールが制定されたのは「世界の人々が同じ土俵で腕を競い合うこと」が目的であると前述した。しかし、そもそも大富豪は日本発祥のゲームであり、海外ではまだまだ認知されていない。
そう、公式ルールの制定とともに大会が行われるようになったのは、大富豪を世界へ広げていくことを目標としているのだ。
連盟の代表理事・立入勝義さんは「世界の共通言語として大富豪が広まり、みんなが一緒にプレイできたら楽しくありませんか?」と語る。
たしかに海外へ行っても認識しているルールが同じなら、言語に関係なく、ゲームを通して打ち解けることができるのではないか。今のうちに腕を磨いておけば、未来の世界チャンプも夢じゃないかも!
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【追加雑学②】少し変わった大富豪のローカルルールをご紹介!
公式ルールがあれば、ゲームはぐっとわかりやすくなる。しかしちょっぴり変わったローカルルールがたくさんあることもまた、大富豪の醍醐味だ。
ここからは、そんなローカルルールをいくつか紹介していこう。
数字しばり
出されたカードの1だけ強いカードが出された場合、その次も1強いカードしか出せなくなる。
たとえば4の次に5が出されれば、次は6しか出せない。
5飛び(5スキップ、5飛ばし)
5のカードを出すと、次のプレイヤーの順番を飛ばすことができる。
9リバース
9のカードを出すと、カードを切るプレイヤーの順番が逆になる。このルールと「5飛び」は、カードゲーム「UNO」の影響を受けていると思われる。
階段革命
4枚同時に階段出しをすると(4、5、6、7など)「革命」と同じ効果になる。
オーメン
6を3枚同時に出すと革命と同じ効果。
ろくろ首/救急車(99車)
ろくろ首は2枚の6(66)を、救急車は2枚の9を出すことで場を流すことができる。
10捨て
10を出した枚数ぶんカードが捨てられる。
11バック
11を出すと場が流れるまでのあいだ、革命状態になる。
砂嵐
3のカードを3枚同時に出すと、どんなカードが出ていても場を流すことができる。最弱の3が最強となる、下剋上のルール。6を3枚出すのが最強とされる「ダミアン」もある。
このように、大富豪は考え方ひとつでいくらでもローカルルールを編み出すことができる。
公式ルールを基盤に、たまにこういったイレギュラーを取り入れることで飽きずにプレイできるのではないだろうか。
雑学まとめ
今回は大富豪のルールについての雑学を紹介した。
考えてみれば、ここまで独自のローカルルールが作られているゲームは…実は珍しいのかもしれない。それだけ多くの人に親しまれているということだろう。
誰でも知っているから、手軽にいろんな場面で楽しむことができる。飽きるほどやったはずなのに、久しぶりにやるとまたおもしろい。そんな大富豪の魅力が、この公式ルールによってさらに広まっていくといいな!
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