大根とわさび、と聞いて「辛い」というイメージを多くの人が抱くだろう。
しかし、大根とわさびが持つ辛さは、実は「おろす」ことで初めて生まれる。わさびはおろす前に食べることはあまりないが、大根をおろさずに食べても辛くない。
おろす前とおろした後で、なぜこれほどまでに辛さが違うのか? 今回はこの謎をみていこう!
【食べ物雑学】大根とわさびが「おろす」ことで辛くなる理由とは?
【雑学解説】大根とわさびは細胞が壊れたときに辛くなる
大根やわさびをおろすと細胞が壊れる。この細胞が壊れるというのが重要だ。
大根とわさびのどちらにも「ミロシナーゼ」という酵素があり、細胞が壊れることでミロシナーゼが働く。
また、「シニグリン」という成分が大根とわさびには含まれていて、おろす時にシニグリンとミロシナーゼが化学反応を起こすことで、「イソチオシアネート」という物質が作られる。
このイソチオシアネートが辛さを生み出す物質だ!
【追加雑学①】辛いわさびを食べてしまった時の対処方法とは?
ツーん! とならないように注意を払いながらも、それでも辛い大根やわさびを過度に食べてしまった経験がある人はいるはず。そんな時の対処方法を紹介するぞ!
食べてしまって、あっ、ツーんときたかも! と感じたタイミングで鼻から息を吸い、口から吐き出してほしい。この方法だと不思議なことにツーんと感じないらしい。
普段は、イソチオシアネートが鼻を通るときにツーんとする感覚が発生する。しかし、鼻に通さず口から外に出すため感じないらしい。不幸にもツーんときてしまった時にぜひお試しあれ!
動画では、カラダを折り曲げて食べているが、これでも辛さを感じなくなるらしい。しかし、完全に不審者に見えるんだけど…。
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【追加雑学②】わさびの辛さをおさえる方法
いかにも辛そうな大根やわさびを食べる前にできる、辛さをおさえる方法を紹介しよう。
実はイソチオシアネートは熱に弱い性質がある。だから、わさびや大根おろしを電子レンジで適当な時間加熱することで一気に辛さをおさえることができるぞ。
これはイソチオシアネートが揮発性のため、熱することで辛味が飛ぶからだ。数秒の加熱でよいという説もあるので、様子を見つつ試してほしい。
また、 時間をおくのもいい。30分から1時間おいておくだけで、辛さが変わってくるぞ!
【追加雑学③】辛味成分が含まれるその他の食物
イソチオシアネートが含まれる食べ物は、大根やわさびの他にも、キャベツ・小松菜・ブロッコリーなどもある。また、イメージしやすいと思うが、にんにくにも含まれている。
ちなみに、他の辛い食べ物だと、唐辛子には「カプサイシン」、生姜には「ジンゲロール」といった成分が含まれているのだ。
「わさびと大根おろし」の雑学まとめ
大根とわさびはおろすことで辛くなる理由を紹介してきたが、いかがだっただろうか。
おろすことで初めて辛くなる。しかも、それが化学反応とは。身近なところに化学ってあるんだな。もう少し勉強しておけばよかったかも…。
おろす前のわさびは本当に辛くないのか、ちょっと不安だが、機会があれば齧ってみようと思う。