「ダメ」…漢字で「駄目」と書く。
辞書で調べると、「よくない状態にあること。また、用をなさない状態にあること。」「効果がないこと。むだ。」「しようとしてもできないこと。不可能。」「してはいけないこと。」など、まぁ、あまりよくない意味で使われる。
ところでこの「ダメ」ってどこからきたのだろうか? 今回の雑学では意外と知らない「ダメ」の語源を紹介しよう。
【生活雑学】「ダメ」は囲碁からきている
【雑学解説】「ダメ」はもともと囲碁用語
囲碁をしている人は知っているかもしれないが、「ダメ」はもともと囲碁で使われている言葉だ。
囲碁は中国で生まれたといわれている、非常に歴史が古いゲームだ。起源ははっきりと判っていないが、2000年以上前にはすでに庶民のあいだで一般的なゲームとして広まっていたらしい。少し前に少年漫画の題材になりアニメ化されたり、人工知能「AlphaGo」などでもニュースになった。
この囲碁の中で、お互いに陣地が増えない場所のことを「ダメ」というのだ。
「なるほど、そうだったのか」と納得するのは囲碁のルールを知っている人だけだろうから、もう少し詳しく説明する。
囲碁は黒い石と白い石を交互に置きあい、どれだけ広い陣地を囲めるかを競うゲームだ。その勝負の中で、石を置いても陣地が増えない場所のことを「ダメ」というのだ。ここから「効果がない」「役に立たない」という意味になった。
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【追加雑学】囲碁に語源がある言葉
実は囲碁が語源となっている言葉は「ダメ」以外にもけっこうある。簡単に紹介しよう。
「捨て石」
「われわれが捨て石となります。殿は先に行ってください」の「捨て石」。
普段の生活ではあまり使わないと思うが、これは囲碁で勝負に勝つために、わざと相手に取らせる石が語源だ。
「玄人」と「素人」
これも囲碁を語源とする説がある。もともと玄人は「黒人(くろひと)」、素人は「白人(しろひと)」と書くが、後に「玄人」「素人」の漢字が当てられ、読み方も音便化した。囲碁の試合では一般的に強い人が白い石、弱い人が黒い石を使い、黒い石から打ち始めるらしい。
…あれ? これだと黒と白が逆になっていないか?
そう、昔は強い人が黒石を使い、弱い人が白石を使っていたそうだ。長い歴史の中で黒と白が入れ替わってしまったらしい。
なんだかまぎらわしいな。
「一目置く」
自分より優れていることを認め、一歩譲るという意味の「一目置く」も、囲碁でハンデとして弱いものが先に一つ石を置いて勝負を始めることからきている。
「結局」
これは諸説あるが、囲碁を一試合(一局)打ち終えることが語源となっており、「とうとう」や「終わり」という意味で使われるようになった。
「八百長」
ちょっと面白いところだと、「八百長」も囲碁が語源だといわれている。
これは「八百屋の長兵衛」(通称:八百長)が囲碁の対局で勝ち負けを意図的に調整したことが語源とされている。
雑学まとめ
今回は言葉の語源についての雑学をご紹介してきた。調べてみると、「ダメ」以外にも囲碁が語源となっている言葉はけっこうあることがわかった。昔の人にとって囲碁は、それだけ生活に密着した遊びであったのだ。
でも、最後の「八百長」は囲碁が語源というよりも、囲碁をしていた長兵衛さんが語源といったほうが正しい。いつの時代の人かわからないが、長兵衛さんもまさか自分の名前が、未来であまりよくない意味で使われるとは思わなかっただろう。
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