洋菓子と和菓子、甘党にとってはどちらも捨てがたい。あればあるだけ食べてしまう筆者のような人もきっと多いと思う(体型は推して知るべし)。
和菓子の名前を見ていると、なんだか不思議な名前が多いことに気が付く。普段何気なく食べているけれど、なぜこんな名前なのか、分からないこともある。
「どら焼き」もそのひとつだ。名前の由来を知っている人はどれくらいいるだろうか? 今回は、そんなどら焼きにまつわる雑学をご紹介しよう。今の形になる前は、ちょっと想像もつかない形だったようだ。
【食べ物雑学】どら焼きの名前の由来は?
【雑学解説】どら焼きの名前の由来は「銅鑼」
「銅鑼」といわれてもすぐに想像できないかもしれないが、誰でも耳にしたことがある打楽器だ。ジャーン! といえばいいのか、ドワァアァ~~~ン! といえばいいのか。
中華風のアニメや中華料理のCMなどで初っ端に叩かれる、強烈な音の金属製打楽器だ。
漢字の通り銅製なので、これを熱すれば料理ができる。一説によると、都落ちした源義経がケガの手当てをするため立ち寄った民家で、お供の弁慶が「かくまってくれたお礼に」と熱した銅鑼で焼いたお菓子がどら焼きだという。
これはちょっと出来過ぎな気がするが、実際に銅板を熱すれば、どら焼きは焼けるだろう。ガタイのいい弁慶がどら焼きを焼いている姿を想像するとちょっとシュール…。
現在の「丸い皮二枚であんこを挟んだどら焼き」の姿は、たしかに打楽器の銅鑼によく似ている。
個人的には弁慶が一生懸命焼いている図が萌えるので、そちらの説を推したいところだ。
【追加雑学①】どら焼きの原型はいまと全く違う
どら焼きの原型は江戸時代の「助惣焼(すけそうやき)」まで遡る。この頃のどら焼きはなんと四角形。一枚皮の生地の真ん中にあんこを置いて、四隅を折りたたんで四角くしていた。
明治時代になると丸い生地が登場するが、皮はペラッペラの薄い生地。皮よりあんこを味わうものだったらしい。
今のようなどら焼きになるのは、ようやく大正時代に入ってから。800年ともいわれる歴史をもつお菓子だが、見慣れた形になったのはわりと最近のことなのである。
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【追加雑学②】どら焼きは関西では「三笠山」
どら焼きのことを、関西では「三笠山」と呼ぶことが多い。これは奈良県にある三笠山の姿が由来となっている。
三笠山はなだらかで優しい流線型をしており、ふっくら焼けたどら焼きの姿はたしかにそっくり!
ずいぶん風流な名前だ。奈良に行ったら、ぜひどら焼きを食べながら三笠山を眺めてみたい。
【追加雑学③】ドラえもんの名前はどら焼きが由来ではない
日本人なら誰もが知っているタヌキ…じゃなかった、ネコ型ロボット「ドラえもん」。大好物がどら焼きなのは有名な話なのだが、ドラえもんの名前の由来はどら焼きではない。
てっきりそうだと思っていた筆者だが、なんとビックリ「ドラ猫」が由来である。あんなに有能なロボットが、お魚くわえたドラ猫と同列だったなんて!
ちなみに、ドラえもんがどら焼きが好きな理由はふたつある。一つ目はあんこがロボット稼働のエネルギー源に最適なため(意外と科学的)。
二つ目は、ロボット学校時代の同級生「ノラミャーコ」ちゃんにもらったどら焼きがとても美味しかったから。こちらはなんともロマンチックな理由である。
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どら焼きの雑学まとめ
「どら焼き」についての雑学を紹介してきた。武蔵坊弁慶が銅鑼の上でどら焼きを焼いたというのはやや無理があるが、昔は砂糖が貴重品。お礼としてはあり得ないことでもなかったのかもしれない。
最近では桜味、抹茶味などさまざまな味が出て、洋菓子とのコラボも盛んなどら焼き。生クリームを挟んだどら焼きや、なんとあんこが真っ青な「ラムネ味」まで登場しているらしい。
今までいろいろな形に姿を変えて来たのだから、今後もメタモルフォーゼする可能性は大いにあるだろう。どら焼きの進化から目が離せない。