名作と呼ばれる映画には、その作品を観ていない人でも思い浮かべられるシーンがあるものだ。
たとえば、「ローマの休日」ならば、真実の口に手を入れてオードリー・ヘップバーン演じるアン王女が慌てふためく場面を思い浮かべる人も多いだろう。
だが、このように名作映画の象徴として知られているシーンが、実は作中には存在しない…というケースがあったりするのだ。今回は、そんな幻の名シーンが存在する映画と、その理由についての雑学を解説していきたい。
【サブカル雑学】映画「E.T.」には指と指が触れ合うシーンはなかった!
【雑学解説】指と指が触れ合うシーンは作中になかったの?
有名なシーンが作中には存在しない映画としてよく知られているのは、1982年に公開されて日本でも大ヒットした映画「E.T.」。
「E.T.」は、仲間とはぐれた異星人(E.T.)とそれを保護したエリオット少年との交流を描いた作品であり、スティーブン・スピルバーグ監督の代表作の1つである。
そして、「E.T.」の名場面といえば、E.T.をかごに乗せて自転車が空を飛ぶシーンと、E.T.と少年が人差し指を触れ合って交流を深めるシーン。その2つの場面は映画のポスターにもなっており、誰もが知っている名場面だろう。
8/24(土)~8/26(月)
<スピルバーグが映画史に刻んだ名作>『E.T.』『JAWS/ジョーズ』
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しかし、E.T.が人差し指を突き出しているシーンはいくつかあるものの、少年と指と指が触れ合うシーンは作中には出てこないのだ!
それっぽいシーンを強いて挙げるのであれば、E.T.が怪我をした少年の指に触れて、あっという間に治療する場面くらい。
そのときの様子がこちら。
つまり、あのイメージはポスターだけに描かれており、そのインパクトが強いため、映画でもそのシーンがあったと勘違いしたのである!
かつての子どもたちは、「E.T.ごっこ」と称して人差し指を触れ合う遊びをしていたというのに…。イメージが先行した決めつけだったことに、かなりビックリである。
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【追加雑学】「E.T.」に「ヨーダ」が出ていた!
「E.T.」を制作したスティーブン・スピルバーグ監督と並ぶ大物監督の1人として、「スター・ウォーズ」シリーズのジョージ・ルーカス監督が挙げられる。実はこの2人は古くからの知り合いであり、映画「インディ・ジョーンズ」シリーズを共同で手掛けるほど仲がいい。
ルーカスが映画監督を集めて「スター・ウォーズ」第1作目のプレ上映会を開いたときのエピソードがある。そのとき誰もが「この作品(「スター・ウォーズ」)は駄作だ」と批判していたなか、スピルバーグだけは「この作品は必ず成功する」と太鼓判を押し、のちの大ヒットを予言していたのだ。
実際に良い友好関係があるからか、「E.T.」の作中には、「スター・ウォーズ」に登場する異星人「ヨーダ」が登場する。ヨーダが登場するのは、E.T.がハロウィンの仮装をして街を歩き回るシーンである。
この場面では、ヨーダ(の仮装)をみたE.T.が、同じ異星人仲間と認識してついていこうとする姿が描かれている。もしかしたら、E.T.はヨーダの姿に似た異星人の知り合いがいたのかもしれない…と想像させるシーンだ。
「スター・ウォーズ」にE.T.が登場したことも
それとは逆に、E.T.が「スター・ウォーズ」シリーズに登場したこともある。E.T.が登場したのは、第4作目の「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」。
このなかの議会のシーンで、E.T.と同じ姿をした3人の異星人が登場しているのである。その模様がコチラだ。
ちなみに裏設定として、このE.T.型異星人の1人の名前が「Grebleips」とされている。これを逆読みすると「Spielberg(スピルバーグ)」である。
先ほど、E.T.とヨーダが知り合いかもしれないといったが、この場面をみるとその可能性は意外とあるかもしれない!?
雑学まとめ
「E.T.」の指と指が触れ合うシーンは、自転車が空を飛ぶシーンとともに印象的なものだと思っていただけに、この雑学に驚いた人も多いだろう。
今回の雑学でわかるのは、イメージとは恐ろしいものである…ということ。似たような例として、「13日の金曜日」シリーズの悪役ジェイソンは作中でチェーンソーを使ったことはない…という話があるのだが、それはまた別の機会にさせていただこう。
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皆さんも、イメージにとらわれて本当のことを見逃さないように気をつけていただきたい。