五輪トリビア

高齢選手もいるぞ!"馬術"は男女関係なく行われる唯一の五輪競技|オリンピック雑学

男女区別なく行う唯一のオリンピック競技は「馬術」という雑学

スポーツ競技は、男女別に行われるのが通常である。だが、なかには男女の区別なく行われる競技もある。それがオリンピックの正式種目になっている「馬術競技」である。

「馬術競技」は、他のスポーツ競技のように、男女の身体的な格差に関係なく、人馬がいかに一体となるかが重要な競技である。この記事では、日本ではそれほど馴染みのない「馬術競技」についてご紹介する。

【オリンピック雑学】男女区別なく行う唯一のオリンピック競技は「馬術」

オリンピックの正式種目になっている「馬術競技」は、男女関係なく3つの種目で争われ、大会には70歳代の選手が出場することも珍しくない。

【雑学解説】乗馬競技では人馬がいかに一体となるかが試される

ヨーロッパでは高い人気を誇る「馬術競技」。この競技は、男女が混ざって一緒に競技が行われる。他のスポーツのように、男女が分かれて競技が行われるわけではない。

というのも、この競技は人馬がいかに呼吸をあわせて試技を行うかが重要になるからだ。他のスポーツのように、性別差や年齢差などに左右されない競技である。

そのため、大会で表彰台に女性がのぼることは珍しくなく、大会に出場する選手の年齢層も、10代から70代と非常に幅広い。

そのことを物語るように、1964年の東京オリンピックには、「馬場馬術」個人競技に出場した井上喜久子が、日本の女性馬術選手として史上初のオリンピック出場を果たしている。

また彼女は、1972年のミュンヘン、1988年のソウルと、計3回のオリンピックにも出場した。ソウルオリンピックに出場した63歳9ヶ月という年齢は、当時、日本オリンピック史上最高齢での出場でもあった。生前に収録されたインタビューをご覧いただこう。

また男子の選手では、2012年のロンドンオリンピックに、日本代表として「馬場馬術」個人競技に出場した法華津寛(ほけつひろし)選手の記憶が新しい。彼の当時の年齢は71歳だった。当時の映像をご覧いただこう。

彼は1964年の東京オリンピックの「乗馬競技」に出場した経歴をもち、ロンドンオリンピックの日本代表選手のなかでは最年長。またオリンピック史上3番目に最高齢となる71歳での出場を成し遂げた。

オリンピックの馬術競技で行われる3つの種目とは?

オリンピックで行われる乗馬競技には、「障害馬術」「馬場馬術」「総合馬術」の全3種目がある。

「障害馬術」

コース上に設置された障害物を順番通りにクリアし、そのタイムの速さを競う。

「馬場馬術」

規定演技と自由演技の2つのプログラムが行われ、馬のステップの美しさや馬の所作の正確さを競う競技である。人馬が一緒に演技をおこなう「フィギュアスケート」といったところだ。

「総合馬術」

「総合馬術」は、上記した2つのほかに「クロスカントリー」をあわせた全3種目で争われる。「クロスカントリー」は、自然の地形を利用したコース上に設置された、柵・生垣・水濠などの障害物を越えて、タイムを争う競技のこと。

こうした3つの種目で競われる「乗馬競技」は、人馬の呼吸をあわせ、騎乗する人間の経験と技術・精神力がモノをいう。そのため、男女の性別差から生じるハンディは関係ないといわれている。

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【追加トリビア①】オリンピックの乗馬競技で日本が唯一メダルを獲得したのは、1932年のロサンゼルス大会に出場した西竹一

オリンピックの乗馬競技で、日本の代表選手が唯一メダルを獲得した大会がある。それが1932年のロサンゼルスオリンピック大会で金メダル獲得した「バロン西」こと、西竹一(にしたけいち)である。

西は1932年のロサンゼルスオリンピック「馬術大障害飛越競技」において愛馬・ウラヌス号に乗って、見事に金メダルを獲得したのだ。当時陸軍に所属した軍人で、「バロン西」との愛称で呼ばれていた。それは彼が華族(男爵)出身だったことに由来している。

オリンピックに出場する2年ほど前、軍務としてヨーロッパに出向いた際に、生涯の友となった愛馬・ウラヌスと巡り合う。西は「ウラヌス」を約2万円で自腹購入したという。

1930年のコーヒー1杯の値段が10銭だったというから、現代の貨幣ルートで換算すると、ゆうに数千万前はくだらないだろう。その愛馬を駆って、ヨーロッパの乗馬大会に出場して好成績を収めた。

そしてロサンゼルスオリンピックに出場し、見事に金メダルに輝いたのである。だが、その栄光も長くは続かなかった。西は太平洋戦争末期、硫黄島の戦いにおいて戦死してしまう。

2006年に公開されたクリント・イーストウッドが監督した『硫黄島からの手紙』では、西の役を伊原剛志が演じている。興味のある方は、ぜひご覧いただきたい。

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【追加トリビア②】海外へ輸送する際は馬にもパスポートが必要

「馬術競技」は人馬がともに一体となることの重要さは先に述べた。当然ながら、どの国の選手も大会に出場する際には相棒となる馬を、開催国まで輸送しなければならない。特に海外の大会に出場する際には、その輸送には大変な費用と労力がいる。

海外の輸送費は、往復で500万円もの費用がかかるといわれる。それだけではない。

海外へ輸送する際には、馬のパスポートを作成しなければならないのだ。このパスポートは、実際に馬を盗難されることを防ぐための身分証明書のような役割があるという。

馬体にはマイクロチップが埋め込まれており、海外へ輸送する際には健康証明書も発行される。パスポートを作成する費用は6万円ほどかかるといわれ、有効期限は4年間だそうだ。

馬は大変にデリケートな動物で、輸送の際にかかるストレスやコンディションが大会でのパフォーマンスに直結する。「乗馬競技」は、人間と同じく馬も主役のひとりである。まさにアスリート並の管理で試合に出場しているのだ。

トリビアまとめ

以上、男女の区別なく競技が行われる馬術のトリビアについてご紹介してきた。

経験や人馬との呼吸が重視される「馬術競技」。他のスポーツでは見られない、男女の区別や年齢に関係なく争われる競技として大変に珍しいといえる。

日本ではそれほど馴染みのない競技だが、2020年の東京オリンピックでは、どんな選手がオリンピックに出場するかにも注目だ。東京オリンピックでの日本代表選手のメダル獲得に期待したい。

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