良い奴とかステキな男性のことを「ナイスガイ」と呼ぶ。また、疲れを知らないたくましい男のことを「タフガイ」と呼ぶ。どちらも男性に対しての褒め言葉であるが、これらの言葉の語尾についている「ガイ」とは何のことなのだろう。
イケてるメンズのことを「イケメン」というが、男性のことを指すなら「メン」のほうが適しているのではないか?
かねてより疑問を感じていた「ナイスガイ」や「タフガイ」の「ガイ」だが、実はこの「ガイ」はイギリス人のことを指しているのだ。
今回は、「ガイ」についての雑学をご紹介しよう!
【生活雑学】「ナイスガイ」「タフガイ」の「ガイ」はイギリス人
【雑学解説】「ガイ」は、イギリス人のガイ・フォークスが語源
「ナイスガイ」や「タフガイ」の語源となったのは、イギリス人のガイ・フォークスという男性だ。
なぜ彼の名前が「ナイスガイ」や「タフガイ」の語源になったかというと、見た目が雄々しかった、パワーが凄まじかったというわけではない。
ガイ・フォークスは国家を転覆させかねない大事件の計画に参加した人物だった。実は彼は1605年に、上院議院を議員ごと爆破しようとしたとんでもないテロリストだったのである。
ガイはカトリック教徒であった。しかし、当時の国王ジェームズ一世は自身がプロテスタントであったこともあり、カトリック教徒を弾圧する政策ばかりを行っていた。
これに我慢ができなかったガイたちカトリックの過激派は、ウェストミンスター宮殿内の議事堂を爆破して、王と政府の要人を殺害しようとしたのである。
なんと恐ろしい計画であろうか…。王を殺害したとなったら死刑は免れない。
結局、隠していた爆発物が見つかってしまい、ガイ・フォークスは事件を起こす前に逮捕されている。
ガイは「死んでもいい」という覚悟で臨んだのだろう。何と無鉄砲、いやいや、男らしい人物!? なのだろうか…。
ちなみに、当然のごとく死刑となったのだが、その方法はなんと四つ裂き! それは両手両足を縄で縛り、四方向へ牛や馬で体を引っ張らせてチーズのように裂くという殺害方法だ。いろいろな執行方法があるが、そのなかでも1、2を争う残虐さである。
「ガイ」には軽蔑的な意味合いがあった
そのような大規模な犯罪を行おうとした人物であるため、ナイスガイなどの「ガイ」という言葉は軽蔑の意味が込められていた。
しかし、カトリックにとって、ガイは自分たちのために国家を変えようとした英雄的存在。ガイの大胆すぎる犯行を称える声も大きかったようだ。
時間が経っていくと軽蔑の意味は失われ、「ガイ」という言葉は単純に男性のことを表すようになったようである。
スポンサーリンク
【追加雑学①】「ガイ・フォークス・デイ」という日がある
事件があった翌年の1606年には、王が無事だったことを感謝する日として、11月5日を「ガイ・フォークス・デイ」に指定した。
その日の夜にはかがり火をあげたり花火をあげたりして祝う「ガイ・フォークス・ナイト」というイベントが開始されるように。
次第に白熱し、現在のガイ・フォークス・ナイトは、ガイを表す人形を子どもたちが引きずって、たき火の中に入れるというなかなか激しいイベントになっているようだ。
映像を見てみると、お神輿を担いで歩く祭りの過激版!? みたいな印象。みんな楽しいって感じなのかな…。わからない。
【追加雑学②】日本のタフガイ・石原裕次郎伝説
さて、ガイ・フォークスのタフガイっぷりはご理解いただけたと思うが、日本にもタフガイとして有名な人物がいる。
それは昭和の大スター石原裕次郎だ。彼の豪快さを表すエピソードは多数あるので、以下に紹介してみる。
- 石原プロが倒産の危機には、家の無い社員全員に家を建ててプレゼントした
- 撮影現場でワンカットごとに缶ビールを一気飲み
- 芸能人の記者会見第一号
- 素肌にヨットパーカーを羽織り、海水パンツにゴム草履といういで立ちで撮影所に現れる
- 芸能人が正月をハワイで過ごす慣例をつくった
とんでもない大物さが伝わってくるエピソードばかりである。プレゼントの対象が家とは、感覚もわれわれ一般人とはケタ違いなのだろう。
「ガイの語源」の雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。「ナイスガイ」「タフガイ」の「ガイ」は、ガイ・フォークスというイギリス人男性が語源となっているのだ!
彼は議院を王もろとも爆破するという、とんでもないスケールの悪事を働こうとした。その大胆さが男らしさを表す意味となったわけだ。
それにしても、今ではいい印象を受ける「ガイ」という言葉が、大犯罪者の名前からつけられたとはかなり意外だった…。
おすすめ記事