「君は僕の太陽だ。僕はひまわりのように、ずっと君を見続けるよ…結婚してください!」なーんてことを実際に言う奴がいるのか、ということはさておき、ひまわりには太陽の方を向くイメージがあるものだ。
そんな一途なひまわりだが、本当に太陽の方を向いているのだろうか。実はそこには驚くべき秘密があったのだ。
「ひまわりのように…」と愛の告白をしようとしている人がいるのなら、ちょっと待って欲しい。本当のひまわりの習性を知っても、その告白をしようと思えるだろうか…。では、早速ひまわりについての雑学を見ていくぞ!
【自然雑学】「ひまわりは太陽の方を向く」は本当か
【雑学解説】ひまわりが太陽の方を向くのは蕾をつけるまでだった
一面のひまわりが皆同じ方を向いている。そんな写真や映像を見たことはないだろうか。誰でも一度くらいは目にしたことがありそうな光景。だが実際は花が咲いたひまわりには太陽の方を向くという習性はない。
ひまわりが太陽の方を向いて成長するのは、蕾をつけるまでの間なのだ。しかも、この習性は多くの植物が持っているものであり、ひまわりだけが持つ特別なものというわけでもない。
植物の成長には太陽の光が欠かせない。蕾をつけるまでというのは、植物にとっては一大事。多くの日光を必要とし、より多くの太陽の光を浴びようと成長しているのだ。
【追加雑学①】太陽の光とひまわりの成長の仕組み
ひまわりは夏に咲く花だけあって、とても日光を好む花だ。小学校の理科で学んだと思うが、植物が育つには日光・水・温度が必要だというのは周知のことだろう。このうち水や温度は植物自身にはどうすることもできないが、日光だけは多く浴びようとすることができる。
日当たりの良い方へ伸びる植物を見たことはないだろうか。あれも太陽の光をより多く得ようとする植物の戦略である。ひまわりももちろんより多くの日光を得ようと、日々努力をしている。
発芽から蕾がつくまでの間は、ひまわりにとって一番エネルギーが必要な時期だ。そのため、日光を多く浴びようとオーキシンという物質が生成される。このオーキシンが日光の当たらない側の成長を促進させるのだ。
午前中、オーキシンは日の当たらない西側の成長を促進させることで、ひまわりの西側の葉や茎が伸び、ひまわりは東側へと傾くこととなる。午後はこれとは逆のことが起き、ひまわりは西側に傾く。このオーキシンの作用がひまわりに太陽の方を向かせているのだ。
そして、このオーキシンが生成されるのは、ひまわりが蕾をつけるまで。花を咲かせた後のひまわりには、それほど太陽の光は必要ない。蕾をつけるという大仕事を成しえた後は、太陽の方を向くということはないのである。
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【追加雑学②】太陽の方を向いている?ひまわりがそろって咲いている理由
ひまわりが太陽の方を向いているのは、蕾をつけるまでの間だ。実際のひまわりの花を見てみると、東を向いていたり、南を向いていたり、実に気ままな方を向いて咲いていることもあるだろう。
しかし、インスタ映えするひまわり畑などを見てみると、ひまわりは皆同じ方向を見て咲いていることが多い。これは同じ環境で育ったためである。同じ環境で育ったひまわりは、同じ時期に蕾をつけ、同じ時期にオーキシンの生成をストップさせる。
そして、同じ方向で花の向きが固定されるため、皆同じ方向を向いて咲いているのだ。このためひまわりは同じ方を向いて咲いている=やっぱり太陽の方を向いて咲くのねということになっているのだろう。
しかし、そんなひまわり畑の中にも、皆と違う方向を向いて咲いているへそ曲がりは必ずいるはずだ。そんな「皆と違うオレ様ひまわり」を探してみるのもひまわり畑の新しい楽しみ方かもしれない。
下記の動画は、東京都にある昭和記念公園のひまわりの様子。オレ様ひまわりを見つけてみよう。
【追加雑学③】どうしてひまわりには太陽の方を向くイメージがあるの?
ここで気になるのは、ひまわり以外の花は太陽の方を向くことはないのか、ということではなかろうか。実はひまわり以外の花も、蕾をつけるまでの間は太陽の方を向いて成長をする。
では、なぜひまわりにだけ太陽の方を向くイメージがあるのだろうか。それはひまわりが大きいからだ。そんなバカなと思わないで欲しい。どの植物も太陽が好きだ。太陽を求めて成長をする。しかし、小さな花は動きも小さい。
大きなひまわりは太陽を求めて成長している様が目立ちやすいのだ。
このことから、ひまわりが太陽の方を向くことは、広まり一般に浸透していったのだろう。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。「あなただけを見つめる」という花言葉を持つひまわり。一途で健気なイメージのある花だが、実は花が咲いた後は、太陽の方を向くことはない。
ひまわりで一途さをアピールしたいのなら「ひまわりのように君を愛すよ」ではなく「ひまわりが蕾をつけるまでのように君を愛すよ」と正しく愛の告白をしてみよう!
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