世界文化遺産として名高い「厳島神社(いつくしまじんじゃ)」。広島県廿日市市宮島にあるこの神社は海に面する神社として有名だ。
なかでもイメージするのはやはり、海面からそびえる真っ赤な鳥居ではなかろうか。日本には数多くの神社が存在するが、こんなに珍しく美しい景色を拝めるのは厳島神社だけといっても過言ではない。
そんな数多くの観光客を魅了してきた厳島神社の鳥居だが、実は海に浸かっていない時間があるのをご存知だろうか。せっかく観光に訪れても、海面からそびえる鳥居を見れなくてガッカリなんてケースがあるのだ。
筆者は厳島神社のある広島県出身のため、なぜそんなことが起きるのかを知っている。これから観光を考えている人のためにも、その理由についての雑学を解説していこう。
【歴史雑学】厳島神社の鳥居は海に浸かっていない時間がある
【雑学解説】厳島神社の鳥居は干潮のときに歩いて近づける
厳島神社の鳥居がなぜ海に浸かっていない時間があるかというと、海の満ち引きに理由がある。釣り人や港町出身の人はピンとくると思うが、海面の高さは常に月の引力によって変動しているためだ。
一般的には海面が上がりきった状態を「満潮」下がりきった状態を「干潮」という。厳島神社の鳥居は日によっては干潮のときに砂浜が見えるほど海面が下がってしまい、その姿を完全に現しているのだ。
日によってというのは、月齢によって海面の高さがどのくらい変化するか違うからである。そのため、干潮でも鳥居が海に浸かっている日もあれば、完全に砂浜まで干上がっている日も。
ただし、せっかく海にそびえる鳥居を見に来たのにガッカリ…と落ち込むことはない。砂浜まで干上がっているということは、普段は遊覧船でしか近づけない鳥居に歩いていけるようになるのだ。実際に間近で見る鳥居は迫力もあり、希少な体験となるだろう。
余談だが、この鳥居は地面に埋め込まれているのではなく土台の上に「置かれている」だけなのである。驚くかもしれないが、厳島神社の鳥居は、内部に備えられた重りなどによって自力で立ち上がっているのだ。
今でこそ補強はされているが、古来よりその重さだけで強風にも荒波にも倒れることなく、海にそびえている。干潮のときの鳥居はその様子を間近で見られるので、あえて狙ってみるのもおすすめだ。
ちなみに鳥居が海に浸かっているかどうかは「宮島観光協会公式サイト」で確認できる。観光に訪れることがあれば、ぜひ参考にしてみてほしい。
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【追加雑学】日本には三大鳥居と呼ばれる3つの鳥居がある
厳島神社の鳥居に関する雑学をお届けしたが、日本には「三大鳥居」と呼ばれる3つの鳥居があるのをご存知だろうか。1つは先にも触れた厳島神社の鳥居なので、残りの2つを紹介しよう。
まずは、奈良県の金峯山寺(きんぷせんじ)にある「発心門(ほっしんもん)」。こちらはなんと、かの有名な奈良の大仏を作ったときに、余った銅で立てられたという伝説があるのだとか。実にロマンあふれる話である。
次に、大阪にある四天王寺の西門に設置された石の鳥居。こちらは石で作られた鳥居では日本で2番目に古いものといわれている。四天王寺自体も聖徳太子にまつわる由緒正しいお寺だそうなので、いずれ行ってみたいものだ。
これらに先の厳島神社の鳥居を加えて「日本三大鳥居」らしい…のだが、よくよく調べてみると「日本三大大鳥居」「日本三大木造鳥居」など、大きさや素材によっていろいろな「三大鳥居」があることが判明した。それぞれで紹介されている鳥居も異なる。
このように、日本には古来から伝わる鳥居がたくさんあるので、興味のある人は各自で調べてみてほしい。
雑学まとめ
今回は、厳島神社と鳥居にまつわる雑学を紹介した。厳島神社ならびに宮島に観光に訪れるときはしっかり海の満ち引きを確認して計画を立てて欲しい。
ちなみに広島県出身の筆者からのアドバイスだが、厳島神社に行くときは女性はスニーカーがおすすめだ。なぜかというと、厳島神社の本殿は床が板張りだからである。板と板の隙間にヒールの細い部分がハマってしまい、転げる女性がよくいるのだ。くれぐれも気をつけよう!
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