日本国内に野生で生息し、国の特別天然記念物である「ニホンカモシカ」。単に「カモシカ」とよばれることもある。名前は聞いたことはあっても、実際にその姿を見る機会はなかなかないのではないだろうか。
ニホンカモシカの姿を見たことがない筆者は、「奈良公園のシカみたいに、可愛いのかな」なんて思っていたのだが。…その本当の姿を知って衝撃を受けた!
…今回の雑学記事では、筆者が知って驚いたニホンカモシカのいくつかの事実を、読者のみなさんにもお伝えしていこうと思う!
【動物雑学】ニホンカモシカはウシの仲間
【雑学解説】ニホンカモシカとウシの意外な共通点
日本固有の動物である「ニホンカモシカ」は、中国地方以外の本州と、四国・九州地方の山岳地帯に暮らしている。なかでも、四国・九州地方のニホンカモシカたちは2015年、環境省のレッドリストで「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定された希少な動物だ。
ニホンカモシカは、その名前に「シカ」とついてはいるものの、動物のグループ分けでは「ウシ科」に属しており、ウシやヤギの仲間だ。ウシの仲間なだけあって、ニホンカモシカのからだの特徴や生態はウシに近いところが多く見られる。
実際に動画で確認してみてほしい!
ウシっぽいところその1 体型や体毛など「見た目」
奈良公園にいるようなニホンジカたちは体が細く、体毛が短い。対して、ニホンカモシカはずんぐりむっくりした体型で、体毛が長くフサフサしている。
ウシっぽいところその2 角は「一生もの」
シカの角はオスのみに生え、年に一度生え変わる。対して、ニホンカモシカはウシと同じくオスメス関係なく角があり、生え替わることがない。一度折れてしまったら、そのままの姿で生きることになるのだ。
ウシっぽいところその3 ニホンカモシカは「一夫一婦制」
シカはオス1頭がハーレムを作って繁殖する。対して、ニホンカモシカは、ウシとおなじく一夫一婦制だ。
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【追加雑学①】ウシというよりヤギ?!な野生のニホンカモシカ動画
ここまで、ニホンカモシカがいかにウシに近い動物なのかをお伝えしてきたが、なんともかわいいニホンカモシカの動画を発見したので、ぜひこちらもご覧いただきたい!
撮影者によると、こちらのニホンカモシカは群馬県の四万温泉で遭遇した野生の個体だそう。葉っぱを差し出されてモシャモシャと食べている。
人懐っこいその姿は、動物園のふれあいコーナーのヤギに近いものがある! そして、実はヤギもウシ科の仲間。似ているところがあっても、おかしくはない。
ニホンカモシカは好奇心が旺盛で、人と遭遇するとじっとこちらを見つめてくることがあるという。こんなに人慣れした野生の動物がいるという事実におどろきである。
【追加雑学②】ニホンカモシカに会える場所は?
先ほどのモシャモシャニホンカモシカは、群馬県の四万温泉で遭遇した例だったが、別の地域でもニホンカモシカに会うことができるぞ。先述したが、国内の中国地方以外の本州と、四国・九州地方の山や森の中がチャンスだ!
山はちょっと…という方には、国内の動物園に行くのをおすすめする。ニホンカモシカは現在、国内の多くの動物園で飼育されていて、わりと簡単に会うことができる。
たとえば、関東地方だけでも多摩動物公園・井の頭自然文化園・大島公園動物園などがあげられる。ニホンカモシカに会ってみたい場合は、前もってニホンカモシカを飼育している動物園を調べてから行くとよいだろう。
【追加雑学③】野生のニホンカモシカに出会ったら、気をつけたいこと
もしも、野生のニホンカモシカに出会えたら…。そんな機会が巡ってきたときに、ビビったりテンションが上がったりしてやらかしてしまわないよう、ぜひ以下のことを知っておこう。
- むやみに近づかない。
- 大きな声などで刺激すると、興奮して角で攻撃してくるかもしれないので騒がない。
- ケガさせない。ニホンカモシカは特別天然記念物なので、死傷させると法律により罰せられる場合がある。
- ニホンカモシカの子を保護しない。近くに親がいるので、威嚇されたり攻撃されたりする恐れがある。
雑学まとめ
シカのようなウシのようなヤギのような…。ニホンカモシカはウシの仲間だとわかったが、いろんな生き物に見えるふしぎな生き物だった。奈良公園によくいるアレとは全然違ったなあ…。
YouTubeでニホンカモシカ動画をいくつか観たが、野生との遭遇例は他にもたくさんあった。ニホンカモシカが生息している可能性のある山に入るときは、今回の雑学の注意点を思い出してもらえたらうれしい。