すべてのジャンボジェット機はきれいに塗装されている。これは見た目を美しくすることだけが目的ではない。実は、塗料によって飛行機を守っているのだ!
ジャンボジェット機はとにかく大きい。ジャンボジェット機を一台塗装するためには、相当な塗料が必要なはずである。今回は、ジャンボジェット機の塗装に関する雑学を紹介していくぞ。
【生活雑学】ジャンボジェット機一台を塗装するのに必要な塗料の量は?
【雑学解説】ジャンボジェット機一台の塗装には、約600リットルの塗料が必要
まず、ジャンボジェット機の大きさについて見ていこう。ジャンボジェット機は長さ70メートル・幅65メートル・高さ20メートルもある。で、デカい…!
ジャンボジェット機の重量は150トン。これに燃料や乗客を乗せると、なんと350トンほどになる。こんなもんが空を飛んでいるなんて、考えると少し恐ろしいと思った筆者であった…。
そんなジャンボジェット機を塗装するためには、ドラム缶3本分(600リットル)もの塗料が必要となる。塗料には気体となって発散する揮発成分が含まれているため、最終的に機体に残る塗料は1/3程度。つまり、200kg程度なのだという。
【追加雑学①】飛行機の塗装はほとんど手作業
ジャンボジェット機って大きいし、塗装は機械でやっているんでしょ。筆者はずっとそう思っていた。ところが! 実は、ジャンボジェット機の塗装はほとんどが手作業なのだという。
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こちらは、飛行機を塗装しているときの動画である。
すごい! 本当に手作業で塗料を塗っている…。飛行機の大きさにもよるが、3交代の24時間勤務で20日前後かかるらしい。体力勝負でもあり、器用さも求められる仕事だと思う。
手作業で塗装する理由は、細かい部分まできれいに塗るためである。飛行機用スプレーガンを使い、人間が手作業で塗ってるというのだから驚きだ。
細かい部分を塗るときは、マスキングして色が混じらないように工夫しているらしいぞ。ただし、大きな絵柄を描くときはシールを利用することもある。
【追加雑学②】機体重量を抑えるために塗料を薄く塗る
ジャンボジェット機を塗装すると、約200kgもの重量がプラスされる。もちろんその分、燃費も悪くなる。航空会社にとっては「いかに塗料を薄く塗れるか」が重要なポイントなのだ。そのために以下のような工夫をしている。
- 0.1mmの厚さに均一に塗装する
- 白い塗料を使う
0.1mmの厚さで均一に塗る…。文字で書くのは簡単だが、相当大変なのではないだろうか。不器用でせっかちな筆者にはとてもできない仕事だと感じた。
続いては「白い塗料を使う」について。いわれてみれば、白ベースの飛行機が圧倒的に多い。これは単に白い塗料が安いこともあるのだが、白ベースにすることで塗料の重ね塗りを避けることができるからなのだ。
もしロゴやイラストなどをペイントする際も、下地を白にしておくことで塗料を二重に塗るエリアを少なくすることができる。こうした工夫で使用する塗料を節約し、飛行機の重量を落としているのだ。
雑学まとめ
今回は、ジャンボジェット機の塗装に関する雑学を紹介してきた。ジャンボジェット機一台を塗装するために、600リットルもの塗料が必要だなんて! 飛行機の大きさから考えれば不思議ではないが、具体的な数字が出てくると衝撃を受ける。
使用する塗料を少しでも節約するために、涙ぐましい努力をしていることも分かった。今度飛行機に乗るときは、これらのことを思い出しながら飛行機のデザインをチェックしてみよう!