日本漫画界の神様といえば、手塚治虫であることに異論がある人はいないだろう。
手塚治虫といえば、SF・医学・歴史・少女モノ・ホラーなど、さまざまなジャンルのマンガを書いており、数多くの魅力的なキャラクターを生み出した天才である。
そのなかでも、動物が主人公の「ジャングル大帝」は異色であり、主人公のレオはマンガやアニメ以外にも進出してるほどの有名なキャラクターだ。
だが、そのレオの誕生秘話は少し意外なものだったのである! 今回はレオ誕生の裏話についての雑学を紹介していきたい。
【サブカル雑学】手塚治虫作品の「ジャングル大帝」は失敗作だった?
【雑学解説】レオは塗り間違いで白いライオンになった
手塚治虫がライオンのキャラクターを描いたのは、レオが初めてではない。
「ジャングル大帝」連載以前に手塚治虫が動物の絵本制作を依頼された際、ライオンの色を白熱灯の下で塗ったところ、黄色い電球の影響で黄色と白の絵の具を間違えて使ってしまい、白いライオンになってしまったという。
もちろん、白いライオンは没になり絵本に使われることはなかったが、それがのちに「ジャングル大帝」のレオのアイデアとなったのだ。
あれだけ有名なキャラクターが失敗からだったとはビックリだが、結果的に印象的なものになっただけに、まさに怪我の功名といえるだろう。
【追加雑学①】西武ライオンズのレオは「ジャングル大帝」のレオと異なるキャラクター!?
レオといえば、プロ野球チーム・埼玉西武ライオンズのマスコットキャラクターとしても有名だ。
レオがライオンズのマスコットとして採用されたのは1978年のこと。当時の堤義明オーナーから手塚治虫に直接キャラクター使用の連絡があり、その際に「大人になったレオ」という指定を受けて制作されたのが、マスコットとしてのレオである。
なお、このキャラクターはレオの父親であるパンジャをモデルにして制作されている。似ているのでどちらか分かりにくいが、「パンジャは耳が白く、レオは耳の先が黒い」ので見分けられる。
当然であるが、マスコットのレオは着ぐるみとして活躍するため、2本足でユニフォームを着た姿で描かれている。そのため、厳密にいうと「ジャングル大帝」のレオとは異なるキャラクターとされており、権利関係も手塚プロダクションとライオンズでは重複しないそうだ。
この動画で耳が黒いことも確認できる。というより、どんだけ回転するんだ。さすがジャングルで鍛えられた身体能力である。
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【追加雑学②】「ライオン・キング」盗作疑惑の際の手塚プロの神対応がスゴイ!
ジャングルを舞台にライオンの主人公が活躍する作品としては、1994年にディズニーが公開したアニメ映画「ライオン・キング」も有名だ。
しかし、この作品に対してはキャラクターや話のプロットなどが「ジャングル大帝」に似ているとの指摘があり、アメリカのファンなどから盗作ではないか? との疑問の声があがった。
そして、日本の漫画家などもディズニー側に対して公開質問状を送るなど、盗作騒動は国際的な問題にまで発展。ディズニー側は、制作スタッフは「ジャングル大帝」を知らず、似ているのは偶然などと反論したが、騒動が収まることはなかった。
しかし、この騒動に対して手塚プロダクションは、次のようなコメントを発表する。
もし手塚本人が生きていたら、「自分の作品がディズニーに影響を与えたというのなら光栄だ」と語っただろう。
もちろん、このコメントが出されたことで騒動は沈静化したそうだ。
手塚治虫本人・ディズニーのいずれも傷つけることなく、誰もが納得する形で騒動を収拾した手塚プロダクションのコメントは、まさに神対応としかいいようがない。
わざと塩対応している人には、見習ってほしいものである。
雑学まとめ
今回の雑学からわかることは、世の中には失敗から生まれたものが大成功になるケースがあるということだ。
もちろん、キャラクターだけでなく、失敗がキッカケで生まれた作品や商品などはいくらでもあるだろう。
アナタがもし何かで失敗しても、それはチャンスかもしれない! と考えられるようになれば、このトリビアを紹介した甲斐があるというものだ
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