法律のなかには刑罰が決められているものも多く、法律違反をした場合は刑務所に収容されることもある。法律は絶対であり、一般人が逆らうことはできないのだ。
日本には現在約2,000個もの法律がある。では、そんなたくさんある法律の中で、一番長い名前のものはなんなのか?
というわけで今回の雑学では、日本で一番長い法律の名前についてご紹介しよう!
【ルール雑学】日本で一番長い名称の法律は?
【雑学解説】日本で一番長い名称の法律は同時多発テロにより生まれた
日本で最も長い名称の法律は、アメリカ同時多発テロ事件を受けて制定されたものだ。
その名称は…
「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」
なんと112文字。一言一句覚えるだけでも一苦労だ。実際こんな長い名前の法律をそのまま呼ぶことはなく、略して「テロ対策特別措置法」と呼ばれる場合がほとんどである。
このテロ対策特別措置法は、施行(法律の効果が発生する日)は2001年11月2日で、当初は2年経過すると効力が切れる「時限立法」だった。
しかし、実際は2年以上効力が続き、期限切れ失効となったのは2007年11月9日だ。そしてその後は、新テロ対策特別措置法に引き継がれた。
テロ対策特別措置法の内容を一言でいうと、アメリカがテログループを攻撃するのを日本が後方から支援するのはOKだよ! という内容だ。
日本では武力で他国を攻撃することが禁じられているが、テロが起きて世界中が大騒ぎの中、そんな平和なことは言ってられないので制定されたものである。
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【追加雑学①】あまり使われなさそうな日本の法律
さて、上述したように日本にはたくさんの法律があるが、そのなかには「えっ、こんな法律いつ使うの?」と不思議に思うような法律もいくつかある。
たとえば、硬貨を折り曲げたことがあるだろうか? おそらくあると答える方はいないだろう。折り曲げようとしても、通常の人間が素手で折り曲げるのは無理だ。
実は、硬貨を折り曲げてしまうと「貨幣損傷罪」という犯罪にあたるのだ。「貨幣損傷等取締法」という法律があり、お金をわざと壊してしまった場合に罰せられる。
貨幣損傷罪を犯すと、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられてしまう。
この法律で罰せられるのは硬貨のみであり、貨幣は該当しない。貨幣が該当したら、財布にお札を折り曲げて入れておくこともできなくなってしまうから当たり前だ。
この法律を作った実質的な意味は、昔の硬貨は金や銀で作られていたため、金や銀の価値が上がったときに、硬貨を溶かして金や銀に変えることを防ぐためである。
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【追加雑学②】これまでに使われたことのない日本の法律
あまり使われなさそうなというか、いまだ使われたことがない法律が「外患誘致罪」。
これは、日本を攻撃しようとする国に手を貸し、その国に日本を攻撃させた人物を処罰する法律で、この犯罪を犯してしまうと必ず死刑になる。
日本の他の法律では、どんな重い罪を犯しても「死刑、または~」と続くものだが、外患誘致罪だけは死刑のみだ。国家への反逆だから、死刑以外認めないという意味があるのだ!
雑学まとめ
今回は、日本で一番長い法律についての雑学をご紹介した。
その名称は、「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」だ。
略して「テロ対策特別措置法」である。
略せるならはじめから略して法律名にすればいいのではないかと思ってしまうが、法律的な縛りがいろいろとあるんだろう…。