麻婆豆腐。それは辛さとしびれを同時に味わえる、一度食べるとやみつきになる極上の中華料理だ。
単品で食べるのは邪道!…というのは言い過ぎかもしれないが、オンザライスで味わうのが通の食べ方ではないだろうか。麻婆豆腐…恐ろしい子、ご飯も汗も止まらないぞ…。
そんな麻婆豆腐、名前に「婆」という文字があることから、お婆さんが作ったのでは? と思われているらしい。そこで今回の雑学では麻婆豆腐の由来について調べてみた。
お婆さんが作った…そんな単純なものではないと、私は信じている、きっと。
【食べ物雑学】麻婆豆腐の由来は?
【雑学解説】麻婆豆腐は100年前の3軒長屋で生まれた
麻婆豆腐の誕生はおよそ100年前。四川省の都・成都に住んでいたチャオチャオという女性が生み出したそうだ。
豆腐屋と羊肉屋とともに並んだ3軒続きの長屋に、夫と二人で暮らしていたそうだが、結婚してからわずか10年後に夫が急死!
17歳という若さで結婚したチャオチャオ。彼女はそれ以降も独身を貫き通したそうだ。それだけ夫のことを愛していたんだろう。
そんな彼女が生活の手段として選んだのが料理。チャオチャオが住んでいるところには、豆腐屋と羊肉屋が並んでいたため、豆腐と羊肉を使った料理を作っていた。
その料理が麻婆豆腐というわけだ。
なるほど…、試行錯誤を重ねて生み出したというわけではなく、生きていくために必要だったから作ったということか。どおりで、私のような一般庶民の舌が虜になるわけだ。
彼女が死んでから名前が麻婆豆腐に!
そうやって誕生した麻婆豆腐。チャオチャオが生きているときは、「羊肉料理」というシンプルな名前だったらしい。
だが彼女が亡くなってから名前に変化が。実はチャオチャオの顔には「あばた」という天然痘の跡があったそうだ。
そのあばたの意味がある「麻」、妻や身持ちの固いおばさんの意味がある「婆」の字から、麻婆豆腐と呼ばれるようになった。
なぜ天然痘を名前に採用したんだろう…。
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【追加雑学①】麻婆豆腐を広めたのは、中華の鉄人の父!
そんな麻婆豆腐を中国で広めたのは、もちろん中国人。中華の鉄人として有名な陳健一氏の父、陳建民氏だと考えられている。
なるほど…。日本における四川料理の父と言われている建民氏なら、麻婆豆腐を初めて伝えた人で間違いないだろう。
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【追加雑学②】日本の麻婆豆腐は真の麻婆豆腐じゃない?!
1952年に東京に店を構えた建民氏は、日本人の口に合う辛さ控えめな麻婆豆腐を提供した。今でこそインド料理やタイ料理など辛い料理が普及しているが、当時の日本はそれだけ辛い料理に免疫がないと思われていたんだな…。
日本の麻婆豆腐は、辛さの中にマイルドさ、甘みも感じられる味のパラダイス。一度食べるとやみつきになる人が続出し、次第に日本の食卓に出てくる、家庭料理としても浸透したというわけだ。
雑学まとめ
今回は、麻婆豆腐の由来についての雑学をご紹介した。このような歴史も踏まえた上で麻婆豆腐を食べると、また違った楽しみ方ができそうだ。
日本人の口に合う、日本人向けの麻婆豆腐ももちろん美味しいが、チャオチャオの思い出がたっぷり詰まった真の麻婆豆腐を味わいに、中国に足を運んでみるのもいいかもしれない。