「もったいない」という日本語が、今世界中から注目される言葉になっていることをご存知だろうか。日本人としては何の気なしに使う言葉だが、どうやら「もったいない」と同じ意味の言葉は世界を探してもないらしい。
日本人としては、とても誇らしいことではないか! ということで、今回は「もったいない」に関する雑学をお届けする。言葉の意味をきちんと考えてみると、日本語がいかに難しいか、そして奥が深いかを思い知らされるぞ!
【世界雑学】「もったいない」という言葉は日本にしかない
【雑学解説】ゴミや資源の問題解決に関わるキーワードを一言で言い表せる言葉は「もったいない」だけ
「もったいない」は、物の価値を活かしきれず、無駄になっている状態を惜しむニュアンスで使われる言葉である。
これがゴミや資源の問題解決に繋がる3つのキーワード「Reduce(ゴミ削減)」・「Reuse(再利用)」・「Recycle(再資源化)」、そして資源に対する尊敬を表した「Respect」を一言で言い表した言葉として、注目されている。
たしかに「捨てるのはもったいない」という気持ちはゴミ削減に、「使わないともったいない」という気持ちは再利用や再資源化に繋がっている。これと同じニュアンスの言葉は、世界中探しても見つからないのだ。
さらに自分が「もったいない」を使うシチュエーションを思い浮かべると、思ったより多面的な意味が込められた言葉だということもわかる。
たとえば物を捨てるときだけでなく、「時間がもったいない」や、機会を逃したときに「もったいないことをした」ということもある。また身に余る振る舞いを受けたときなんかも「私にはもったいないです!」などといってしまうことがあるだろう。
失うことを惜しむ言葉かと思えば、与えられる機会にも使われているのは興味深い。近いニュアンスの英語は「It’s wasted(無駄になっている)」が挙げられるが、これを物を惜しむこと以外に当てはめるとやはり違和感がある。
特に手厚い振る舞いを受けたときに「無駄だ!」なんて言おうものなら、失礼でしかない。「もったいない」に込められたニュアンスの違いを外国人に説明するのは、少々骨が折れそうだ。
【追加雑学①】2005年より「MOTTAINAI」を世界共通語にしようという働きが始まる
この「もったいない」が世界から注目されるようになったのは、2005年のこと。ケニア人女性のワンガリ・マータイさんが、これを世界共通語にしようという働きかけをしたのがきっかけだ。
マータイさんは2004年11月に、環境分野としては初のノーベル平和賞を受賞。過去には「グリーンベルト運動」という植林活動を実施し、政府から圧力を掛けられながらも5100万本もの苗木を植えた。
元は政府から反対されていたのに、地道な活動の末、現在の栄誉を手に入れたことは実に素晴らしい。そんな世界的な偉業を成し遂げた女性が「もったいない」に感銘を受け、世界に広めようといい出せば、それだけ注目も集まるというものだ。
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【追加雑学②】「MOTTAINAIキャンペーン」の影響
マータイさんの呼びかけで2005年から「MOTTAINAIキャンペーン」が始まると、日本の各地でフリーマーケットや、ごみ拾い大会が開催されるなど、早速その影響が見え始める。
また「MOTTAINAIキャンペーン」のコンセプトを伝えるための動画も発見した!
みずほグループの総合商社・伊藤忠商事もこのキャンペーンに参加。環境問題に関わる3つのキーワード「3R」を理念にした商品ブランドを展開している。
2009年には「MOTTAINAI GREEN PROJECT」と題し、マータイさんの故郷のケニアでも植林活動が始まった。
日本発信の言葉ということもあり、日本の活動が主になっているが、今後も世界に広がっていくことを期待したい。
雑学まとめ
日本のステキな言葉「もったいない」についての雑学、いかがだっただろうか。「もったいない」は一言で実に多面的な意味をもっている。そして物を大切にする精神を表した、素晴らしい言葉だ。何より日本語をきっかけに、環境に配慮した世界的な活動が行われているのは誇らしい。
今回の例もそうだが、日本語はやはり奥が深い。意味を知れば、日本人の私たちでも感銘を受ける言葉だってまだまだあるだろう。
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