我が家のじいさんは根っからの農業男だ。農作物の他に動物の飼育もしており、闘鶏(とうけい)に使われた「軍鶏(しゃも)」や、皮ふが真っ黒で羽毛の白い「烏骨鶏(うこっけい)」などの珍しい鶏を飼っている。
おかげで毎朝とても新鮮な卵を。なんなら鶏の方もおいしくいただくことがあるのだが、つい最近この鶏たちが天然記念物であることを知って震えてしまった。
えっ、大丈夫なの? うち普通に食べてるよ!? じいさんいわく、天然記念物でも食べていいと言うが…本当なのか? 今回はそんな驚きの雑学を紹介していく!
【食べ物雑学】天然記念物に指定されている生き物でも食べることができる。
【雑学解説】種の保存に影響がない飼育下のものならセーフ
そもそも天然記念物とは何なのだろうか。簡単に説明すると、日本固有の学術上貴重な自然のことで、動物以外にも植物・地質鉱物・天然保護区域の計4つが制定されている。文化財保護法という法律のもとで保護されているのだ。
この中で、特に国家的・世界的に価値が高く貴重な自然は文部科学大臣が指定し、「特別天然記念物」と呼ばれている。
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どちらにせよ、とにかく貴重な自然だ。動植物の採集・捕獲は原則禁止で、文化庁長官の許可なく傷つけると、「5年以下の懲役もしくは禁固又は30万円以下の罰金」といった罰則が適用される。
平気で食べていた鶏たちをみて冷や汗が出てくるが、実は天然記念物は人工的な飼育管理下であれば食べてもいいのだそうだ。種の保存に影響がない範囲内で、食肉目的で飼育した鶏などは食べてもセーフ! である。
たとえば特別天然記念物である「オオサンショウウオ」をわざわざ捕まえて食べようなどという人はいないと思うが(さすがにちょっとアレは…)、天然記念物でも適切な管理下のもとなら食べても問題はない。
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【追加雑学①】天然記念物すれすれ?ホタルイカが食べられる理由
天然記念物は生き物そのものだけでなく、天然保護区域といった「環境そのもの」が指定されていることもある。このため、普段ふつうに食べていて気がつきにくい「貴重な生き物」もあったりする。
実は、スーパーでもよく見かける「ホタルイカ」。あれも特別天然記念物すれすれの生き物なのである。ホタルイカそのものは指定されていないが、ホタルイカのいる「景色」が天然記念物なのだ。
富山県にある漁港「富山湾」では、3~5月になるとホタルイカが産卵するために大量に押し寄せてくる。これほど大量のホタルイカが押し寄せる場所は、日本どころか世界的に見ても富山湾だけなのだそうだ。
このため、富山湾の「ホタルイカ群遊海面」は、その押し寄せる風景そのものが国の特別天然記念物。ホタルイカそのものではないため漁獲・食用できるが、その風景が見られなくなるほどの乱獲は禁止である。
【追加雑学②】海外ではあの天然記念物を食べられる
とても食べたいとは思わないのだが…海外では食べられている天然記念物がある。その正体は絶滅危惧1類にも指定されている超貴重な生き物「カブトガニ」である。
えっ、カブトガニを食べるの? と思う方も多いかもしれない。固い鎧のような甲羅に覆われた、大きくて平らなグロテスクにも見える生き物だ。日本では「生きた化石」ともいわれいて、とても食べる気分にはならない。
しかしこのカブトガニ、香港やマレーシア、タイなどでは普通に食べられているというから驚きだ。殻ごと蒸し焼きにして、殻の中に詰まっている卵の部分を食べるのだという。う~ん、想像するとちょっと怖い(苦笑)。
衝撃映像注意!カブトガニ、食べてます。
カブトガニは実はカニよりクモなどに近い生き物らしい。気になるお味は…生臭いという話を聞いた。
実際に食べている動画でもお味は微妙とのこと。鶏と違い、無理に食べる必要はなさそうである…。
雑学まとめ
天然記念物でも飼育管理下にあれば食べることができるという、驚きの雑学を紹介してきた。軍鶏や烏骨鶏はさすがに食肉を食べる機会が少ないと思うが、卵なら比較的出回っている。貴重な食べ物をいただくという贅沢な意味でも味わってみては。
問題はみるからに食べられなそうなオオサンショウウオやカブトガニである。これはさすがにムリ! 海外で出会ってしまったら、経験だと思って食べるのもアリとはいえ…全力回避することをおススメしておきたい。
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