「大阪の名物グルメといえば何?」とたずねられて、「お好み焼き!!」と答える人はきっとかなり多いだろう。大阪の有名な粉もんグルメの中でも、特に人気があって大阪人の定番になっている。
同じように広島でも「人気の名物グルメは?」とたずねれば、「お好み焼き!!」と答える人が多いにちがいない。いったいそれじゃあ、「関西風」のお好み焼きと「広島風」のお好み焼きって、何がどう違うのだろうか?
「えっ、麺が入ってるかどうかの違いでしょ!?」という人も多いかもしれない。いやいや、それが違うのだ。今回の雑学では、この2つの「お好み焼き」の違いをご紹介していこう!
【食べ物雑学】関西風お好み焼きと広島風お好み焼きの違いは?
【雑学解説】作り方の違い
さあ、それでは1番大きな違いである「作り方」をご紹介!
関西の作り方
まず関西風のお好み焼きだが、最初にボールの中で生地と具材をしっかり混ぜ合わせる。
作る時や人によって具材はさまざまだが、みじん切りのキャベツや青ねぎ・イカ・えびなどの基本の具材を、だしで溶いた生地と混ぜ込んでから焼いていくのだ。豚バラ肉だけはあとから乗せて焼くことが多いが、基本的に「全部混ぜてから一気に焼く!!」というのが、関西風のお好み焼きの作り方である。
大阪で人気のお店のお好み焼きの作り方動画を見つけたので、ぜひ見てみてもらいたい。
ソースの工夫や卵などちょっとプラスαの工程があるが、基本的にはやはり「全部混ぜて焼く」という方法で作られている。
広島の作り方
対して広島風のお好み焼きであるが、先ほどの関西風お好み焼きとは全く作り方が違っている。具材は混ぜずに1つずつ重ねて焼いていくのだ。こちらも分かりやすい動画を発見した!
まず小麦粉を水で溶いた生地をクレープのように薄く広げて焼く。この生地自体も関西風お好み焼きとは違い、トロッとはしておらずサラサラの状態である。
次にその焼いた生地の上に千切りキャベツを大量に乗せ、そこにもやし・イカ・豚肉などの具材を重ねる。そして、ひっくり返し、蒸し焼きにするのだ。
さらにそのお好み焼きの隣で焼きそばを焼き、生地をその焼きそばの上に乗せる。最後に卵を鉄板の上で焼き、その卵の上に先ほどの生地と焼きそばが重なったものを乗せるのである。
つまり、広島風お好み焼きは「ミルフィーユのように、1つ1つ重ねて焼いていく!!」という作り方なのだ。
関西出身の私としては「うーわー! 作るの大変そう!!」と思ってしまうが、ごめんなさい、食べるのは広島風のお好み焼きの方が好きだったりする。
ここで1つ注意しておいてほしいのが、広島県民の前で広島風のお好み焼きを「広島焼き」と呼ばないことだ。広島県外の人間が勝手に「広島焼き」と呼んでいることを、なかにはよく思っていない人もいるらしい。怒らせる原因になる可能性があるので、くれぐれも広島観光などの際に「おいしい広島焼きのお店ありますか?」などとは言わないようにした方がいいと思う。
いろいろ書いたがすごく簡単にまとめると、関西風お好み焼きは「全部混ぜて焼く」、広島風お好み焼きは「混ぜずに重ねて焼く」ということである。
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関西と広島ではソースも違う
食べ比べたことのある方は感じたことがあるかもしれないが、味付けも関西風と広島風では少し違っている。
関西は辛口のソースを使用することが多く、イカリソースやオリバーソースを使うことが多い。対して、広島風は甘口のソースを使用することが多く、オタフクソースやカープソースを使うことが多いのそうだ。
【追加雑学】モダン焼きとは?
モダン焼き=広島風お好み焼きだと思っている方は、実は多いのではないだろうか? たしかに焼きそばが入っているので、そう勘違いする人がいてもおかしくはない。
モダン焼きというのは関西風のお好み焼きに焼きそばが入ったものである。
広島風お好み焼きのように具材をミルフィーユ状に重ねたものではなく、関西風お好み焼きの横で焼いたそばを乗せて仕上げる、もしくは焼いたそばに生地を乗せて焼くものだ。広島風お好み焼きと混同しないように注意が必要である。
分かりやすい動画を発見したのでこちらもご紹介しよう。
モダン焼きも美味しそう! 焼きそば焼いて、お好み焼きを乗せるというなかなかダイナミックな作り方だなと思った。そんなこと言ったら広島風もそうなんだけど…なんかこっちのほうがインパクトが強く感じる。
雑学まとめ
今回の雑学で、関西風お好み焼きと広島風お好み焼きの違いを分かっていただけただろうか? 私もはっきりとは理解していなかったこの2つの違いだが、ここまでの違いがあるとはびっくりである。
似たように見えるこの2つだが、ぜひ両方とも作ったり、本場のお店に行ったりして、食べ比べてみてもらいたい。見た目以上に関西風お好み焼きと広島風お好み焼きが違うことが理解してもらえるだろう。