「思う壺」とは、自分の思い通りに物事が進むことを意味する言葉。
「ふー、さっきのレストランで食べたパスタ美味しかったね。そういや、会計のときに次回使える割引券もらったよ。また来なきゃね~」
「そうだね。でも、それじゃお店の思う壺よ。やっぱり今度は別のお店にしようよ」
上記のカップルの会話のように使われる。このように日常生活のなかで使うこともある言葉だが、「思う壺」とはなにを指しているか皆さんご存知だろうか? 今回の雑学では、「思う壺」の正体を解明する。
【生活雑学】「思う壺」の語源と由来とは?
【雑学解説】「思う壺」は壺振り師の狙いが由来
「思う壺」とは、思い通りに事が進むことを指す。
たとえば、相手の思い通りに動かされることもある。そんなときは悔しくて仕方がないが、そのくやしさを表す際も「相手の思う壺だった…」という言い方をするだろう。
このように、「思う壺」には「思い通り」や「期待通り」という意味があるが、なぜ壺が出てくるのか、常日頃から疑問に感じていたという人もいるのでは?
実は思う壺の「壺」は、もともとサイコロ賭博のときに使う壺皿のことを指していた。サイコロ賭博は、2個のサイコロを振り、出た目が丁(偶数)か半(奇数)か予想して勝負する賭け事。「丁半」という名のゲームである。
時代劇などでよく行われているのを見かけるが、イメージが湧かない方向けに、サイコロ賭博の動画を紹介する。
このみそ汁のお椀の底が薄くなったような入れ物が「壺皿」であり、「思う壺」の「壺」を指している。
壺皿をひっくり返して中のサイコロを振るだけなので、出た目を予測するのは難しそうだ。完全な運ゲーなのだろう。そう思っていたが、熟練の壺振り師のなかには、狙った通りに目を出せる強者もいたようだ。
「狙った通りにサイコロの目を出せる」=「思い通りになる」「期待通りになる」と転じて、現在のような使われ方をするようになった。
博打が語源であるとは、少々驚いた。それにしても、「思う壺」の壺振り師だったら、サイコロ賭博だけでガッポガッポと稼げたことだろう。サイコロを振るだけでお金が稼げるとは、とても羨ましい…。
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【追加雑学】笑いのツボの「ツボ」とはなんのこと?
「思う壺」以外の「ツボ」を使った慣用句として思い浮かぶのが、「笑いのツボ」という言葉だ。
「笑いのツボにはまってしまい、小一時間笑い続けた」なんて使い方をするが、この「ツボ」は何を指しているのだろう。
体には、押すとそれぞれに対応した部位に効能がある箇所がいくつもあり、それを「ツボ」という。特に足の裏に「ツボ」がたくさんあり、足ツボマッサージのサービスを提供しているお店も多い。
笑いのツボの「ツボ」も、こうした意味で使っている。ただし、実際に体に「笑いのツボ」が存在するわけではなく、あくまでたとえとして使っている。
押すだけで笑いが止まらなくなるツボがあったら、恐ろしくて仕方ない…。まあ、くすぐっただけで笑いが止まらなくなる人はたまにみかけるが…。
「思う壺」の雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。「思う壺」の「壺」は、サイコロ賭博のときに使う「壺皿」のこと。ベテランの壺振り師が狙った通りの目を出していたことから、思い通りに事が進むという意味になったのだ。
個人的には、他人を貶めてまで事を思い通りに進めようとは思わないので、そこまで「思う壺」になりたいとは思わないな。
ただ、思いどおりになること自体は、羨ましい。逆に、思ってないことがたて続けに起こることなら、よくあるのだが…。
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