女の子に人気の、朝のアニメシリーズ「プリキュア」。少女たちが変身し、自分たちの生活を脅かそうとする悪役と戦うストーリーだ。大人にも刺さるテーマの話があり、幅広い世代が楽しめるシリーズだろう。
そんな「プリキュア」、最初は2人組だったのが、いつの間にか4人・5人と団体戦になっていることが多くなった。しかし、「プリキュア」シリーズでは、1度だけ「1人で戦うプリキュア」という構想があったのだ。
今回は、そんな知っているようで知らない「プリキュア」についての雑学を紹介しよう。
【サブカル雑学】「プリキュア」シリーズに「1人で戦うプリキュア」という構想があった
【雑学解説】あの震災から練り直された「プリキュア」
「1人で戦うプリキュア」という構想が当初あったのは、シリーズ9作目の「スマイルプリキュア」である。
もともと、「スマイルプリキュア」にあたる2012年のプリキュアは、「1人で戦うプリキュア」として企画されていたことが「スマイルプリキュア コンプリートファンブック」にて語られている。
しかし、その企画はある災害によって練り直されることとなった。2011年3月11日に起こった、東日本大震災である。
東日本大震災が起こって、当時の子供たちへの影響を考えた制作陣は「1人で頑張る時代じゃない、みんなで頑張らないと」という結論に至り、現在の「スマイルプリキュア」を作ったのだ。
震災が起こるまでは、「孤独に戦う1人のプリキュア」という路線だったのだが、「スマイルプリキュア」においては「孤独」路線を排除している。
実際に作品を見てみると、「みんなで力を合わせて頑張る」というのが強調されていることが感じられることだと思う。
さらに、「明るくて楽しいイメージ」「つらい状況でも笑顔でいることを忘れないで」というメッセージも含まれており、メイン視聴者である子供たちを勇気づけるような作品となっている。
「1人で戦うプリキュア」というのは、今までにもなかったので、正直そういった作品も見てみたいものだ。しかし、「プリキュア」のメインターゲットは子供たち。
「スマイルプリキュア」の路線変更を見ると、子供たちに楽しんでもらい、メッセージを届けられるような作品であることを、大切にしているエピソードといえるだろう。
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【追加雑学】「プリキュア」シリーズのこだわり
「プリキュア」シリーズは、メイン層である子供たちを大切にしているアニメシリーズだ。だからこそ、様々なこだわりがシリーズに隠されている。追加雑学として、少し紹介しよう。
「絶対に顔を攻撃しない」こと
「プリキュア」シリーズにおいての大きな見どころといえば、戦闘シーンだ。ほとんどの作品は、肉弾戦で敵と戦っている。しかし、戦闘シーンでのこだわりとして、「顔を攻撃しない」ことを条件としている。
もちろんプリキュアも攻撃はされるのだが、顔に攻撃が当たりそうになると、腕などで防御をしている。顔に攻撃が当たらない代わりに、戦闘シーンで大きくダメージを与えられる描写として、壁にたたきつけられるといった演出がされているのだ。
子供向けながら迫力のある戦闘シーンを、子供たちに楽しんでもらえるようにするための演出なのだろう。
ネットでは「暴力的だから子供に見せたくない」と意見している親がいるそうだが、流血描写も入ることがある少年漫画などに比べれば、はるかに安心して見やすい演出ではないだろうか?
「できるだけ食べ物の好き嫌いの表現をしない」こと
だいたいのキャラクターは、好き嫌いがないようになっている。シリーズによっては、大食いのキャラが出るほどだ。
もちろん、食べ物の好き嫌いがあるキャラクターもいるが、嫌いな食べ物を克服しようというストーリーや描写は用意されている。
「友情」を主なテーマとした「プリキュア」シリーズは、ときにこういった食育面でも子供たちに影響を与えているのだ。
こうしてみると、どこまでも子供たちへの影響を考えているシリーズといえるだろう。
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雑学まとめ
今回はプリキュアについての雑学を紹介した。「プリキュア」シリーズ9作目の「スマイルプリキュア」は、当初「1人で戦うプリキュア」という構想があった。しかし、東日本大震災を受け、アニメが与える子供たちへの影響を考えて、今の「スマイルプリキュア」ができたのだ。
「1人で戦うプリキュア」はマンネリ打破のための案だったが、子供たちのことを考えて大きく路線を変更することから、「プリキュア」シリーズが子供たちのことをよく考えているシリーズであることが分かると思う。
子供たちのことを考えているから、「プリキュア」シリーズは長く続く人気作品となっているのだろう。
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