鳥類

数%の確率。スーパーのうずらの卵はヒナが孵ることがある

雑学カンパニー編集部

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スーパーで買ったうずらの卵を温めるとヒナが孵ることがあるという雑学

中華料理店で八宝菜を頼むと楽しみなのがうずらの卵である。入っていなかったらものすごくがっかりしてしまう。普通の卵よりも小さいのに、その存在感は凄まじい。

うずらの卵というからにはうずらという鳥類の卵なのだろうが、うずらという鳥の姿をぱっと思い浮かべることができない。うずらの卵は我々の食生活にそこそこ浸透しているのに不思議な話である。

ゆでた後殻をむかれた状態で販売されているイメージが強いうずらの卵だが、普通の卵のように生の状態でパックされて売られているときもある。

その卵を温めると、なんとヒナが孵ることがあるというのだ。子どもの頃孵ると信じてニワトリの卵を温めたことがあったが、割れて泣いた。うずらもそんな感じじゃないのか? と半信半疑で調べてみた。

【動物雑学】スーパーで買ったうずらの卵を温めるとヒナが孵ることがある

うずらの卵の中でも、有精卵を温めると数%の確率で孵る。

【雑学解説】無精卵の中に有精卵が混ざっていることがあるため

数%ということは、うずらの卵を100個買ったらそのうちの数個はヒナが孵るということだ。あの小さい卵からまぁまぁの確率でヒナが孵るとは驚いた。

温めることでヒナが孵る卵と孵らない卵の違いは、有精卵か無精卵かである。産卵は本来繁殖するための行為であり、オスとメスを一緒に飼育すると、後にヒナが孵る有精卵がうまれる。

しかし、うずらは人が採卵するために品種改良されており、メスだけで卵をうむことができる。それが無精卵なのだ。無精卵は受精しないでうまれる卵なので、どんなに温めてもヒナは孵らない。

多くの採卵場ではメスだけを飼育している。メスだけでも卵をうめるのだから当然である。しかし、そのメスのうずらの中にオスが紛れ込んでしまう場合があるのだ。

うずらは、ある程度大きくなるとオスとメスで羽根の模様が違ってくる。オスは首元から胸にかけて茶色いが、メスは黒い斑点がでてくるのだ。それを目安にメスだけを選んで一安心。

と、思いきや。オスの中には見た目がメスとそっくりの個体がいるというのだ。そのため、メスだけを選んだつもりがオスが紛れ込んでしまい、結果的に有精卵がうまれてしまうのである。

こうして無精卵の中に有精卵がまざり、温めるとヒナが孵ることになるのだ。

ヒナを孵すには、温度を一定に保ったり、1日4回卵を転がしたりとかなりの苦労がある。そうして苦労した結果、次の動画のようなかわいいヒナに出会えるのだ。

初めて見たが、うずらのヒナがとてもかわいい。しかし、うずらは小さいのに鳴き声がかなり大きく、温度管理も必要なので飼育はなかなか大変とのこと。

興味本位で孵化させるのはやめておいた方がいいかもしれない。

【追加雑学①】うずらの卵の模様は1羽ごとに決まっている

うずらの卵の表面は、白地に黒いまだら模様がある。あの模様、実は1羽ごとに決まっているのだ。かなり驚きである。

産卵の3時間ほど前から、うずらの体内に色素が分泌される。その後子宮壁の収縮や卵が回転することによって、あの模様ができていくのだ。

その収縮や回転によるパターンは人間でいうところの指紋のようなものであるため、同じうずらからは同じ模様の卵しかうまれないのだという。

ちなみに、若鳥のうちは模様が薄く、産卵の回数が増えるごとに模様は濃くなっていくんだとか。模様が濃い卵はベテランうずらの卵なのだ。

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【追加雑学②】野生のうずらは渡り鳥である

現在のうずらは、ニワトリ同様家畜化されている。しかし、飼育されるようになるまでは野生のうずらが多く生息していた。しかも、うずらは渡り鳥だったのだ。

春から夏は東北・北海道で繁殖し、秋から冬は四国・九州に渡って冬を過ごしていたという。夏涼しく冬は暖かいという理想的な生活である。

インドやタイ・中国やベトナムなどにもうずらは分布しているため、国を股に掛けたうずらも多くいるのだろう。うらやましい限りである。

【追加雑学③】日本でうずらを狩るのは違法

かつてうずらは狩猟の対象であった。野生のうずらを狩って、肉や卵を食べていたのである。しかし、うずらの生息数が減ってきたことをうけ、石川県や岩手県のようにうずらの狩猟を禁止する県がでてきた。

それでも生息数の減少は止められず、2013年にうずらは狩猟鳥獣から除外された。それ以来、日本でうずらを狩るのは違法となったのである。

雑学まとめ

今すぐスーパーに走りたい気持ちを必死におさえている。200円くらいでかわいいペットが手に入るなんてお得感がすごい。

しかし、10個入りの卵が全部孵る可能性もゼロではない。しかもうずらは5・6年ほど生きるらしいので、安易に手を出してはいけない匂いがプンプンしている。

カモフラージュのための卵の模様にも驚かされた。1羽ごとに模様が違うとは、ただのカモフラージュの域を超えている。

卵がおいしい鳥としか思っていなかったが、うずらはなかなか奥が深い。お肉としてもおいしいらしいので、卵ばりに流通してくれることを願うばかりである。

さて、スーパーへ行ってこようか。

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