きくち体操・ようかい体操・あたりまえ体操…、世の中には様々な体操が出ては消えていくものである。
しかしながら、日本人ならば必ず知っているといえる体操がある。そう、「ラジオ体操」だ。子どもの頃は夏休みに早起きして、近所の公園でラジオ体操をしたあとにスタンプを押してもらった、という経験をした人も多いはずだ。
だが、ラジオ体操のことを我々はどれほど知っているというのか? そもそも、なんでラジオ体操は第1と第2があるんだ? 今回は、そんな疑問にお答えする雑学を紹介したいと思う。
【スポーツ雑学】ラジオ体操第1と第2の違い
【雑学解説】ラジオ体操って、どんな体操なの?第1と第2の違いは?
そもそも論として、ラジオ体操はどのような経緯で生まれたものなのだろうか?
ラジオ体操の普及・推進に務めているかんぽ生命によると、ラジオ体操は国民の健康増進を図るために1928年(昭和3年)に放送が開始されたものである。元々は1925年にアメリカの生命保険会社が考案し、ラジオで広告放送した体操が由来である、らしい。
…って、ラジオ体操はアメリカ発祥のものだったのか! 外国人が、日本人が朝からラジオ体操をしている姿を見てビックリするという話も聞くので、とても意外である。
では、ラジオ体操第1と第2は何が違うのだろうか?
かんぽ生命によると、「ラジオ体操第1は、老若男女を問わず誰でもできることにポイントを置いた体操」であり、負荷が軽い体操のようだ。
一方でラジオ体操第2は、働き盛りな世代へ向けた体操として、1932年(昭和7年)に放送開始されたもので、「体をきたえ、筋力を強化することにポイントを置いて」いるとのこと。
第1よりも音楽のテンポが早く、動きも大きくなっているのがわかるだろうか?
このように、ラジオ体操の第1と第2では、対象者や目的がまったく異なっていたのである! 親戚に小学生のお子さんがいたら、ぜひドヤ顔で説明してあげてほしい。
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【追加雑学①】現在のラジオ体操は○代目だった!
90年以上の歴史を誇るラジオ体操だが、戦後間もなくGHQの指示により一旦放送を停止している。
しかし、「号令なしで気持ち良くできる体操を広げよう」という意図で1946年(昭和21年)に改定され、2代目となるラジオ体操第1・第2が放送開始。
さらに、1951年(昭和26年)には第1が、1952年(昭和27年)には第2も改定され、現在放送されているのは3代目である。
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【追加雑学②】ラジオ体操放送当初、アナウンサーはスゴい姿で体操していた!?
当然のことだが、ラジオは音声のみの放送であり、どんな姿で体操しているかはまったく見当がつかないものだ。
それをいいことに? ラジオ体操担当の元軍人アナウンサー・江木理一は、初回放送時からブリーフパンツ1枚で、マイクの前で体操をしていたらしい。
だが、皇族の方もラジオ体操を聞いていると耳にした江木アナウンサーは、その後は燕尾服に蝶ネクタイを締めて放送に臨んだそうだ。いやはや、なんとも極端なお人である。
【追加雑学③】ラジオ体操ならぬテレビ体操もある!
一般的には音声のみの印象があるラジオ体操だが、1957年(昭和32年)からはテレビでも毎朝放送されている。
では、番組名は「ラジオ体操」かというと、そうではなく「テレビ体操」というタイトルなのだ。
しかもこの「テレビ体操」、毎年元旦には「新春テレビ体操」というスペシャル版が放送され、豪華なセットや演奏などで視聴者を楽しませてくれる。
大晦日は「紅白歌合戦」を観て、元旦は「新春テレビ体操」で夜更かしした体に喝を入れる…という、新しいお正月の習慣にトライしてみるのも、また一興ではないだろうか?
雑学まとめ
ラジオ体操についての雑学、いかがだっただろうか。ラジオ体操といえば、子どものものというイメージが強いが、最近では仕事の効率アップのために企業が採用するなど、大人にとっても有意義なものとして知られるようになっている。
これを機に、アナタもラジオ体操を始めてみてはいかがだろうか? 始めるのは簡単だ。朝早く起きて、テレビやラジオの前で掛け声に合わせて体を動かすだけである。
とはいえ、朝早く起きるのがいちばん難しいのだが…。
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