「となりのトトロ」といえば、2人の姉妹とトトロの交流を描いた作品だ。今となっては、主人公の女の子たちはサツキとメイの2人であるが、初期のころは1人だったことを知っているだろうか?
どうして初期のころの1人で、「となりのトトロ」を制作することができなくなったのだろうか? それは、作り手側の都合によるものだった。
今回は、そんな「となりのトトロ」の裏側にまつわる雑学を紹介しよう。
【サブカル雑学】「となりのトトロ」のサツキとメイは、当初1人のキャラクターだった
【雑学解説】尺を延ばすために姉妹になった
1人だった女の子が、サツキとメイの2人になった理由はとても単純なものだった。それは、「映画の尺を延ばすため」である。
「となりのトトロ」は、当時「火垂るの墓」と一緒に上映されることになっており、予定ではどちらも60分の映画として作られるはずだった。しかし、「火垂るの墓」の尺が伸びて、80分ちょっとの映画になってしまったのだ。
そのことを聞いた宮崎監督は、「だったらこっち(となりのトトロ)も尺を伸ばす!」といい、急遽「となりのトトロ」の尺を増やすこととなった。
しかし、そこで困ったのが、延びた分のストーリーだ。「残りの尺をどうやって埋めるんだ?」と、プロデューサーの鈴木敏夫が尋ねると、宮崎監督は軽くこう答えた。
こうして、「となりのトトロ」はサツキとメイの2人が主人公となり、無事に現在の形に収まったというわけだ。
無理に当初の予定のままストーリーの尺を埋めるのではなく、登場人物を増やして作り直すというところに、宮崎監督の柔軟性を感じる。
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【追加雑学①】トトロの本名は「ミミンズク」
せっかくなので、追加雑学としてトトロの本名について解説をしよう。実は、トトロは「トトロ」という名前ではない。正確には「ミミンズク」という名前なのだ。
それでは、メイが初めて出会ったときに発した「トォトォロ~!」という叫び声は何だったのだろうか? 実は「となりのトトロ」の絵コンテに、その答えが書かれている。
あのときトトロは「眠いよぉ~!」といっていたのだ。たしかにメイと初対面したときのトトロは昼寝をしていた。そこをメイに起こされて、「眠いよぉ~!」といっていたのだ。
この叫びが「トトロ」に聞こえて、メイに「あなたトトロっていうのね!」と返されたというわけだ。
ちなみに、「ミミンズク」という名前は、1番大きなトトロの名前だ。中トトロは「ズク」・小トトロは「ミン」という名前となっている。
映画内では呼ばれることが一切ないので、これを知っているのはよほどのマニアぐらいだろう。
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【追加雑学②】実は興行成績は赤字だった
今となっては、幅広い世代に愛されている「となりのトトロ」。金曜ロードショーでも放送されることが多い。ジブリといえばヒット作を生み出すアニメ会社なので、「となりのトトロ」もヒットしたのだろうと思うかもしれない。
しかし、実は公開当時「となりのトトロ」の興行成績は赤字だったというトリビアがある。
「となりのトトロ」の観客動員数は約80万人、興行収入は約5.9億円だった。スタジオジブリで最も成績の良かった「千と千尋の神隠し」は、観客動員数が約2350万人、興行収入が約304億円だったことと比べると、かなり成績が悪いのが分かると思う。
赤字で終わってしまった「となりのトトロ」だが、内容が子供だけでなく大人にも受けたこともあり、「日本映画ベストテン1位」などの数々の作品賞を受賞している。
さらに、金曜ロードショーで放送すれば高視聴率をたたき出す…公開当時成績の悪かった映画だったとは思えない反響だ。
興行成績が赤字で終わっても、そこで終わらなかったのが「となりのトトロ」の凄いところだと思う。
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雑学まとめ
「となりのトトロ」の主人公は、もともと1人の女の子だったという雑学を紹介した。しかし、「火垂るの墓と同じように尺を延ばしたい」という制作側の都合によって、サツキとメイの2人に分かれたのだ。
1人の女の子だったパターンのストーリーも、少し見てみたい。サツキとメイは姉妹ならではのストーリー展開となっていたが、1人の女の子のパターンはどうなっていたのだろうか?
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