新海誠(しんかいまこと)監督の代表作は? と聞かれれば、2016年に公開され話題になったアニメーション映画「君の名は」だと答える人も多くいるだろう。
それまでアニメ映画を見る機会がなく、新海誠監督を知らなかった人にとってこの映画は、彼の作品に触れる良いきっかけになったのではないだろうか。
この機会にぜひ「君の名は」以外の代表作を知ってもらいたいと思う。新海誠ワールドとまでいわれる独特な世界感をご紹介していこう!
【サブカル雑学】新海誠監督の「君の名は」以外のおすすめ代表作3選
【雑学解説】一度ハマったら抜け出せない新海誠ワールド!おすすめ代表作3選!
このおすすめ3作品は新海誠監督を紹介するうえで外せない、まさに代表作である。
「君の名は」が世界的に有名になるまでにも、新海監督はいくつかの作品を公開している。どれも見事に名作なのだが、なぜか「君の名は」以前の作品はあまり大々的に注目されていない。
好きな人はとことん好き・一度ハマったら抜け出せない新海誠ワールド・知る人ぞ知るアニメ映画の名作、などと言われることもあるのに非常に残念だった。今回こうやって紹介できることがとても嬉しい。
映画につけるキャッチコピーにも注目!
新海誠監督の魅力の1つだが、映画につけるキャッチコピーにも独特のセンスが溢れている。たとえば「君の名は」のキャッチコピーは「まだ会ったことのない君を、探している」。
映画公開が決まると、次の映画のキャッチコピーは何だろう! と楽しみに待っているファンがいるくらいだ。私ももちろんその1人である。
深い…!! と、映画を見る前からワクワクさせてくれるこのキャッチコピーがたまらなくいい! では、そんなキャッチコピーとともに紹介をしていこう。
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「ほしのこえ」
「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ。」
2002年に公開された、初の劇場公開作品である。この映画は、宇宙に旅立った女の子と地球に残った男の子の、すさまじい遠距離恋愛を描いた物語だ。
とある理由から宇宙へ旅立つことになった、ミカコ。地球に残った、ノボル。
ほのかに想い合っていた2人は突然離れ離れになる。そんな2人を繋ぐものは、携帯のメールだけ。物語の舞台は2046年の設定のため、超長距離メールサービスというものが存在する。
宇宙と地球でのメールのやり取りが可能だが、ミカコが地球から離れるにしたがって、地球でメールを待つノボルとの時間におおきな差が生じていく。この時差をきっかけに2人の葛藤や成長、愛についてを描いている。
個人的な感想だが、ロボットアニメと恋愛、思春期の少年少女が大人になっていく姿をよく融合させているなと思う。チグハグになりそうな題材が散りばめられているにも関わらず、新海監督ならではの着地点を見出した映画だと感じている。
「雲のむこう、約束の場所」
「あの遠い日に僕たちは、かなえられない約束をした」
戦争によって南北に分断され、津軽海峡には国境線が引かれている。現在でいう北海道は立ち入り禁止になり、そこにはユニオンの塔と呼ばれる真っ白な高い塔が建てられている。その塔は、平行宇宙(パラレルワールド)の情報を受信するための兵器なのだ。
中学3年生のヒロキとタクヤは、塔を近くで見たいという夢をもっていた。そのために自分たちで壊れた飛行機を直し、塔に近づく計画を立てていた。この行為は犯罪にあたるため、内密に進めるが同級生の1人に話してしまうのだ。
その同級生こそヒロイン、サユリである。
3人は約束をする。サユリも一緒に塔まで飛ぶと。しかし、サユリは何も言わず突然姿を消してしまう。
それがきっかけになり、ヒロキとタクヤは飛行機を直すのをやめ、別々の道を歩み始める。
3年後、サユリが眠り続けていることを知ったタクヤは、塔に原因があることを知る。そのころヒロキは、荒れた街の中で1人泣くサユリの夢を見るようになる。再会したヒロキとタクヤは、サユリの目を覚まさせるためにあの約束を果たそうとするのだ。
この映画を見たとき、結末はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか意見が分かれるだろうなと思った。主人公たちが不幸になった、幸せになった、などどちらかに大きく偏っているわけではないが、あの最後をどう受け取るかは見た人によって捉え方は違うだろう。
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「秒速5センチメートル」
「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか」
3つの章からなる、貴樹(たかき)と明里(あかり)の初恋物語である。
繰り返される親の転勤とともに転校を繰り返していた貴樹は、同じ境遇の明里と転校先の東京の小学校で出会う。本を読んだり、静かに過ごすのが好きだった2人は自然と仲良くなっていく。
同じ中学に行こうと約束をしていた2人だが、そんなとき明里の転校が決まる。栃木に転校した明里から手紙が届いたのは、貴樹が中学に入学して半年経った夏の日だった。鹿児島への転校が決まった貴樹は、転校前に明里に会いに行くことを決意する。
第一章は出会い、そして明里が貴樹にとってかけがえのない人になっていく。
第二章は遠く離れ、違う場所で少しずつ成長していく2人だが、心の奥にはいつもお互いが見え隠れする。
第三章は大人になった貴樹と明里。そして長い長い2人の初恋の結末は…。
実は、私が初めて新海作品を見たのはこの映画である。当時、仕事や人間関係に非常に疲れていた私は、深夜に放送されていたこの映画を見たのだ。結論から言うと、私はこの映画に助けられた感がすごく強い。
映画に助けられるなんて言葉にしたらおかしいかもしれない。しかし、そのとき悩んでいたことや、これからの自分のこと、大げさに言うと社会人になって忙しい毎日を送る中で忘れてしまっていたものを思い出した感覚だった。
第三章の貴樹と自分が重なる人も多いのではないだろうか。この映画はただの初恋物語ではない。日々に疲れた頑張っている人にぜひ見てもらいたい。
筆者的「秒速5センチメートル」を見るときの注意点
ただし、あまりに落ち込んでいるときに初めて見るのはおすすめしない。第一章・第二章は映像は美しいし、話も非常に良いのだが、暗い!! 私が初めて見たときも相当落ち込んでいたため、そこに貴樹の葛藤なんかが入ってきて、メンタルがこてんぱんにやられた。
最後まで見る気力がなんとか残っていたため助かったが、途中でギブアップしていたら、この映画の良さはわからず、ただの苦しい映画だと思ってしまっていただろう。
第一章・第二章を乗り越え、第三章に辿り着いてほしい。最後の最後に、今までの葛藤がすべて解放される場面がくる。人によって感じ方は違うと思うが、中には私のように救われる人もいるのではないだろうか。
そして、全体的にとても美しい描写が多いため、内容は別としても十分に楽しめる映画だと個人的には思う。
雑学まとめ
「君の名は」以外にもあるおすすめ作品、いかがだっただろうか。もう言葉では伝えきれない部分が多いため、ぜひ映像で見てもらいたい!
主人公たちのもどかしい複雑な心情や表情なんかも、映像で見ると見事に表現されている。アニメなんて大人が見るものじゃない! って人にも騙されたと思って一度見てほしい。
この3作品については、大人が見るために作られたアニメ映画だと個人的には思っている。どれも恋愛ものだが、描写や音楽とのマッチ感が絶妙すぎて、大人でもぐっとくる場面が多いのではないだろうか。
空いている時間にぜひ、新海誠ワールドにどっぷり浸ってもらいたい。
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