人間は文明の発展によって、夏の暑さも、冬の寒さも乗り越えることができる。これは他の動物に対し、人間の優っている部分といえるが、裏を返せば動物たちは文明に頼らずとも、過酷な環境を生き抜く能力をもっているのだ。
しかし近年、そんな動物たちでさえ、対応できない異常気象がアメリカで巻き起こっていることをご存知だろうか。今回はあまりの寒さにやられてしまったリスと、アメリカの気象事情についての雑学を迫っていく。
【世界雑学】アメリカでは大寒波でリスが凍ることがある
【雑学解説】記録的大寒波に襲われたアメリカ…火星より寒い?動物たちも氷漬けに…
2017~18年にかけて、立て続けに記録的な大寒波に見舞われたアメリカ。シカゴはマイナス38度、ミネソタはマイナス46度など、その寒さは想像を絶するものだ。
火星の気温はマイナス29度といわれているから、近年のアメリカの冬は火星よりも寒いことになる。これには自然界で生きる術を心得た動物たちも、太刀打ちできなかったようだ。以下の動画では、木に登る体制のまま凍ってしまったリスが映されている。
通常、リスは冬になると冬眠するものだが、余りに急激に寒気がやってきたため、土の中に潜る暇もなく凍ってしまったのだろう。流れの速いナイアガラの滝まで凍ってしまったというから、動物が瞬間的に凍ってしまうのもわかる。
この他2017年には、水中を泳ぐサメが水温の低さに耐え切れず死んでしまう例も多く見られた。極度に下がった水温に筋肉のけいれんや心停止を起こし、そのまま海岸に打ち上げられて窒息死してしまうのだ。
一匹ぐらいならともかく、海岸を歩くとサメの死体が何体も転がっているというのは異様も異様だ。このように危険を察知することに長けた動物たちですら、対抗できない異常事態がアメリカを襲っている。
異常気象の原因は地球温暖化の影響
どうして近年、このような異常気象に見舞われているかというと、原因は地球温暖化にある。
温暖化で北極海の氷が溶ければ、氷の上空にある寒気も弱まる。そして弱まったところに暖気が流れ込み、暖気に押された寒気は周りを取り囲んでいたジェット気流によって、通常は流れないような場所に流れていく。
これにより「アラスカよりもアメリカが寒い」といった異常事態が巻き起こっているのだ。地球温暖化といっても、まだそこまでの影響はないだろうと高をくくっていた人もいるかもしれない。しかし近年、その影響は如実に表れつつあるのだ。
ちなみに、この現象は2014年に初めて観測され、極渦(きょくうず)と名付けられた。
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【追加雑学】凍ったリスを凶器に使った強盗がいる
これは大寒波の影響ではないのだが、同じ凍ったリス繋がりということで取り上げておこう。その昔アメリカには凍ったリスを凶器に使い、強盗を行った者がいるという。
凍ってしまえばバナナでさえ、釘を打てるぐらいだ。「金を出さないとリスで殴るぞ!」というのも、脅し文句としては十分まかり通る…多分。
何よりたちが悪いのは、笑ってはいけない場面なのに、笑ってしまいそうなことだ。
なぜわざわざリスだったのだろう? これは大寒波が来る時代の話でもないし、強盗は自分でリスを凍らせたことになる。残念ながら事件の詳細はわかっていないが、どう考えてもウケ狙いとしか思えない。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。近年アメリカを襲っている異常気象は、地球温暖化によるもの。すなわちこれも文明の発展がもたらした結果だ。
人にとっては自業自得かもしれないが、今回被害に遭ったリスやサメからすれば、たまったもんじゃない。自分たちの行ってきたことが原因になっている以上、環境問題にはより真剣に向き合って行く必要があるだろう。
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