今の時代は、お店に行けば年間を通していくらとすじこを食べることができる。しかし、いくらとすじこが美味しい季節は秋から冬にかけて。旬に食べると格別だ。
お寿司でいくらはよく食べるが、そういえば、いくらとすじこは味も見た目も似ている。しかし、名前が違うということは、2つを分ける明確な違いがあるはずだ。
魚の種類が違うのだろうか? 未知の魚の卵だったらどうしよう…。食べるのが怖くなるぞ…。
今回は、いくらとすじこの違いについての雑学をご紹介しよう!
【食べ物雑学】いくらとすじこの違いとは?
【雑学解説】いくらとすじこの違いは「膜」
私は北海道で生まれ育ち、子どものころからすじこのおにぎりやいくらご飯を食べていた。秋になると梅干や佃煮感覚で、いくらとすじこが食卓に並ぶ。そのくらい、身近な食べ物だ。
ずっと食べてきたのに、いくらとすじこの明確な違いを聞かれると、正直よくわからない。わからないままでは、いくらが名物の北海道の住民としてよくない気がしたので、調べてみたぞ!
- いくら:卵巣膜を取り除き、卵を1粒ずつバラバラにしたサケの卵。
- すじこ:卵巣膜という膜で卵同士が繋がっている状態のサケ科の魚の卵。
普段食べているいくらとすじこを思い出すと、すじこは繋がっているし、いくらはバラバラだ。卵を繋ぐ膜があるかどうかが、いくらとすじこの大きな違いだったのか…!
魚の種類については、「サケ」や「マス」などのサケ科の魚の卵が、すじこと呼ばれていた。一方で、いくらはサケの卵から作るのが主流で、マスの卵から卵巣膜を外しバラしたものは「マスコ」と呼ぶようだ。
スーパーに行くと、すじこよりもいくらのほうが値段が高い。卵をバラす手間がかかる分、値段も高くなっているのだろう。
どうせ口の中で噛むんだから、事前にバラす必要がない気がしてきた…。私のように大雑把な人には、すじこをおすすめしたい。
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【追加雑学①】すじこからいくらを作る方法【動画】
すじこのほうが低価格で購入できるとわかっていても、やはりいくらが食べたいときもある。そんなときは、サケのすじこからいくらを作ろう!
北海道ではスーパーですじこを購入し、いくらを作る家庭は珍しくない。私の家でも、母がすじこを買ってきて大量のいくらを作っていた。すじこからいくらを作る方法を解説したのが、こちらの動画である。
泡だて器を使うと、こんなにもかんたんに膜を取り外せるのか…! 私の家では手作業でバラしていたので、とても驚いた。母に教えてあげよう。
お湯の温度は動画では50度だったが、45度から50度を目安にするといいぞ。使用するすじこについて補足しておくと、味付けのされていないものを使おう。スーパーでは「生筋子(なますじこ)」といった名称で売られているはずだ。
家庭でいくらを作ると、味付けを自分好みに調節できるというメリットがある。いくらの味付けはしょうゆ漬けが多いが、塩漬けにするのもおすすめだぞ! お腹いっぱい、いくらご飯を堪能してくれよな!
【追加雑学②】北海道ではサケの密漁で逮捕者が…
秋になると、サケは生まれた川へ産卵のために帰ってくる。そのタイミングでサケを釣れば、すじこを買うよりもさらに安くいくらが作れるのでは、と考える人もいるだろう。
だが、河川や河口付近の海でのサケ釣りは、条例などで禁止している地域が多い。定められた条例を守らずにサケを釣るのは密漁となり、逮捕されるおそれがある。
実際に北海道では、サケの密漁による逮捕者のニュースを新聞やテレビで見かける。近年では組織的な大掛かりな密漁の被害も出ており、サケの密漁には厳しい取締りが行われているのだ。
私の家の近くの川でも、サケが帰ってくる時期になると、川岸に卵を取り除いたサケが捨てられていることがある。密漁するだけでなく、身はいらないと捨てていくなんて、あまりにもひどい光景に悲しくなる…。
密漁したサケで作ったいくらを食べて、あなたは心から美味しいと思えるだろうか? 逮捕されるかもしれないと不安になりながらいくらを食べるよりも、安心して食べられるいくらで秋の味覚を満喫してほしい。
いくらとすじこの雑学まとめ
今回は、いくらとすじこの違いについての雑学を紹介した。
おにぎりにするならこぼれにくいすじこ、丼にするならバラバラのいくらといったように、使い分けるといいだろう。
美味しいものを食べるのは、人生の楽しみの1つといってもいい。すじこ・いくらは高いからと諦めてしまわず、たまには贅沢をして心を満たすのも大切なことだぞ!