モゴモゴ、むしゃむしゃ、ふんふん…! ウサギと言えば、長い耳もそうだが、エサを無我夢中で鼻息荒く食べる様子もとても愛くるしい。そんなウサギが、実はグルメだという雑学をご存知だろうか。
無表情で食べているようで実は「まいう~」とか「緑黄色の宝石箱や~!」とか心の中で叫んでいるとしたら面白い。
それにしても、人間よりグルメだというなら「これうまい!」とか「まずい。これいらない」とかもっと意思表示していただきたいものだが…。
【動物雑学】ウサギは人間より味覚が鋭い
【雑学解説】ウサギは味を感じる器官が人間の倍近くある
「味蕾(みらい)」というものをご存知だろうか。これは動物の舌にある、食べ物の味を感じるための小さな器官で、この味蕾が多ければ多いほど味覚が鋭くなる。
小さい頃は苦い野菜が苦手だったのに、大人になってから食べられるようになった人は多いだろう。これは加齢によって味蕾の数が減り、「苦い」という味を感じにくくなるためである。大人になると濃い味付けを好むようになるのも同様だ。
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人間は約10,000個の味蕾を持っているのに対し、ウサギはあの小さな舌に約17,000個と人間より多くの味蕾を持っており、8,000以上の味を判断することができる。相当グルメな可能性があるのだ。カリスマ料理人みたいに神の舌を持っているってことか。
【追加雑学①】ウサギは味覚は鋭いが、食べ物の安全性までは分からない
ウサギは五感が鋭い。敵である肉食動物の存在をいち早く知るために耳が大きく、広い範囲の僅かな音でも聞き取ることができる。
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鼻も敏感で、敵の臭いをすぐに感じ取る。目は両目でほぼ360度見渡すことが可能。ヒゲは人間でいう手の感覚を持っており、暗いところを通るときに活用する。
この流れで行くと、当然味覚が鋭いのも食べて安全な草か有毒な草かどうかを見極めるため…と思ってしまうが、実はそうではない。ちがうんかい。
食べてはいけない野草を食べてしまうウサギや、観葉植物を食べて動物病院に運ばれたウサギもいるようなので、食べ物が有害かどうかの判別はできない。よって、ただ味にうるさく好き嫌いがあるだけなのである。なあんだ、あんまり役に立たない能力のようだ。
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【追加雑学②】ウサギは偏食で太ったりする
好き嫌いがはっきりしているウサギだが、人間同様、普段から好きなものばかりを食べさせていると偏食になってしまうし、高カロリーなものばかり食べると体に良くない。
グルメなばっかりに、好き嫌いが強すぎて偏食になるウサギもいるのだ。例えばウサギカフェに行くと一匹だけ丸々と太った子がいたりするが、こういった子は果物などの甘味を好んでいる可能性が高い。
何度も言っているが、ウサギは味覚が鋭いので「ダイエットしようね~」と低カロリーな草に変えたり、「お給料日前だからごめんね~」と安いエサに変えようものなら、すぐに気づかれてしまう。
食に関しては保守的なので、急にエサを変えると全然食べてくれなかったりする。ウサギに言わせると「これじゃない!」感が否めないのだろう。そういう時は、今までのエサに新しいエサを少しずつ混ぜるなど、ウサギに気づかれないように徐々に移行していくしかない。
これは人間とウサギの戦いである!
ウサギだからといって野菜の食べ過ぎはNG
それでは、太らないように野菜づくしにするという手はどうなんだろう。
ウサギは様々な味を感じることができるというのなら、我々人間が食べるのと同じ野菜を与えてみたくなったりする。ウサギと一緒に同じお洒落サラダを食べるなんてちょっとうきうきするもんな。
しかし、ウサギにとって野菜の食べ過ぎは害であり、糖分が高いものはもちろん、水分量の多いもの、栄養価が高いものにも注意が必要となる。人間の場合どんな種類でも食べれば食べるほどいいというイメージがあるが、ウサギはそうではないということだ。
勝手に野菜シュレッダーのようなイメージを持っては危険なのだ。
【追加雑学③】ウサギにはおやつの概念が存在する
野菜は美味しいが、あくまでもウサギの主食は牧草とペレット。人間と同じように「食べ過ぎはいけないけれど美味しいからちょっとだけ」という「おやつ」の概念があるのは、味覚が鋭いウサギならではである。
味気ない牧草よりも様々な種類がある野菜はウサギにとっても魅力的だが、食べ過ぎはよくない…まるで、人間でいうチョコレートやアイスクリームのようだ。
嗜好品として、我々人間も料理の香りづけとして活用するパセリを食べるウサギもいるらしい。理由は、この香りが好きだから! グルメである。
ウサギといえばレタスやニンジンが好きそうだが、「ウサギだからこれが好き」という決まったものはなく、好き嫌いには個体差があり、我々人間にウサギの好き嫌いを知ることはできない。
同じペレットだけを食べるウサギもいれば干し草の柔らかい部分しか食べないウサギもいるので、味だけでなく食感にも好き嫌いがあるようだ。グルメすぎて意外とめんどくさいよね。
雑学まとめ
今回はウサギの味覚についての雑学を紹介した。にこりともしないし涙を流すでもない、なんとも無表情なウサギさんだが、実は人間より味覚が鋭くてグルメだったのだ。
ウサギといえばニンジン一択だった人は見方を変えよう。大事なウサギさんが偏食で太ったりしないようにお気をつけて。
いや、色々考えたところでウサギは人間よりグルメなくせに「あれ食べたいんだけど」とか「あれは嫌いなんだよね」なんて意思表示してくれないんだけれども…。
腹の中では「うまい」「まずい」と思いながら何も言わずに黙々と食すなんて、恐妻家のご主人のようだな。そこがまた可愛いウサギさんなのだった。
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