競馬場で風を切って走るサラブレッド。勝ち負けとは別に、その走る姿の美しさも、見ているものを魅了する。そんなサラブレッドのほとんどが、なんと胃潰瘍(いかいよう)であるというのだ。
馬も胃潰瘍になるの? と驚きだが、人間が胃潰瘍になる原因といえばストレスや暴飲暴食だが…。サラブレッドが胃潰瘍になるのも、まさかストレス?
というわけで今回の雑学では、サラブレッドが胃潰瘍になるという驚きの事実について調べてみたぞ!
【動物雑学】競馬の「サラブレッド」は胃潰瘍になる?
【雑学解説】サラブレッドが胃潰瘍になる原因は、「ストレス」がほとんどである
胃潰瘍とは簡単にいうと、胃の粘膜がえぐりとられてしまう病気で、暴飲暴食・ストレス・鎮痛剤の飲みすぎ・ピロリ菌(細菌)の感染・飲酒・喫煙など、原因はさまざまである。
人間の胃潰瘍は、胃がキリキリと痛み、ひどくなると胃の内部で出血してしまい手術が必要となる場合もある。
この胃潰瘍に、なぜ競争馬であるサラブレッドがなってしまうのだろうか。その原因をいくつか紹介しよう。
ストレス
- 毎日の厳しいトレーニング
- 競馬場への長時間輸送
- 厩舎(きゅうしゃ)での生活
- レースでの緊張と激しい運動
これが一番の原因だといわれている。本来なら広い草原でのびのび暮らしているはずの馬だ。そりゃストレスたまるよなぁ~と、納得。
規則正しすぎる食生活
馬は本来、1日中草を食べている。そのたびにたくさん出る唾液によって、胃酸を洗い流し消化をスムーズにしている。
人間がサラブレッドに与えるエサは、1日数回決まった時間に…と、規則正しすぎて、逆に胃に負担をかけているのだ。
胃液がシェイクされる
騎手を背負って全力疾走することが、激しい上下運動を繰り返すことになる。この上下運動で、胃液がシェイクされ潰瘍ができてしまう場合があるようだ。
【追加雑学①】サラブレッドの語源は?
「サラブレッド」のスペルは「Thoroughbred」となる。
「徹底的に(Thorough)品種改良されたもの(bred)」という語源からきているそうだ。強くて速い血統を残し、さらに品種改良を重ねて作りだされてきた…という意味なのだ。
人間でも血統がよい人のことを、「あの人は、政界のサラブレッドだ」のように、たとえて使うことがある。
【追加雑学②】今いる世界中のサラブレッドの先祖は3頭しかいない
サラブレッドの歴史をたどると、17世紀のイギリスまでさかのぼる。最も運動能力があると考えられていた中東産のアラブ種のオスと、イギリス在来種のメスを交配して、品種改良したのがサラブレッドの始まりのようだ。
今現在、世界中に存在するサラブレッドの父方の先祖は3頭しかいないらしい。ルーツをたどっていくと、必ず3頭のアラブ種のいずれかにたどりつくという。その3頭の血が今もなお引き継がれているのだ。
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【追加雑学③】サラブレッドのストレス解消法
人間も常にストレスを抱えている。しかし、ストレス解消する機会を、人間は自分で作ることが可能だ。しかし、サラブレッドはそういうわけにいかない…。
まず、サラブレッドがストレスを感じ始めていることに、人間が気づくことが大前提だ…。それに気づいてやれなければ、胃潰瘍だけでなく心の病気や体の不調につながるからだ。
サラブレッドの一番のストレス解消法は、ズバリ「放牧」だそうだ。
放し飼いという意味ではなく、サラブレッドが故障したり体調をくずした際の休養や、最近はレースとレースのあいだのリフレッシュを目的として放牧することも増えているらしい。
放牧することで、心身ともに健康な状態でレースに臨むことができるそうだ。
サラブレッド牧場の動画を発見!
北海道の牧場の様子だ。サラブレッドとして産まれ、広大な牧場で元気に駆け回る子馬たちだ。
将来は、競馬場を風のように駆け抜けるんだろうなぁ…。ときどき帰って、リフレッシュして欲しいなと思う。
雑学まとめ
今回は、サラブレッドがまさかの胃潰瘍になるという、ちょっと胸が痛い雑学を紹介した。
もともとデリケートで臆病な動物だといわれているサラブレッド。その走りで人々を魅了し、楽しませてくれているが、ストレスを抱えているなどと考えたこともなかった…。
品種改良し、訓練・調教していくのは人間だが、異常に気付いてストレス発散させてあげられるのも人間だということだ…。
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