天気予報でよく聞く「晴れ時々雨」や「晴れ一時雨」。どちらも同じような意味だと思っている人は多いのではないだろうか。しかし表現をわざわざ分けているということは、同じ意味ではないはずだ。「時々雨」と「一時雨」にはどんな違いがあるのだろうか。
というわけで、今回の雑学では「晴れ時々雨」と「晴れ一時雨」の違いを調べてみたぞ! 実はちゃんとそれぞれ意味が決まっており、きちんと使い分けられていたのだ。
他にも、天気予報独特のびっくりするような雑学を紹介させてくれ! 天気予報が外れても今度からは許せるようになるかもしれないぞ。
【自然雑学】「晴れ時々雨」と「晴れ一時雨」の違いは?
【雑学解説】「時々雨」と「一時雨」の違いは、雨が降っている時間
天気予報での「時々雨」と「一時雨」の違いは、雨が降った時間とその降り方にある。「一時雨」と「時々雨」なら、時々雨のほうが雨が降る確率は高い。このふたつは予報用語のガイドラインにて気象庁が定めている用語で、それぞれには以下のような意味がある。
- 一時雨は「継続して雨が降り、雨の降った時間が予報期間の4分の1未満であること」
- 時々雨は「断続して雨が降り、雨の降った時間が合計で予報期間の2分の1未満であること」
雨の降る時間が予報期間の2分の1以上になると「雨」になる。
「一時雨」より「時々雨」の方が、雨の降る合計時間は長いということだ。しかし、一時雨は継続して雨が降った場合であり、時々雨の方は降ったり止んだりした場合の雨である。
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分かりにくいと思うので、ここで例を挙げてみよう。
と天気予報で言っていたとする。予報期間は1日なので24時間、2分の1は12時間だ。そのため、「明日は雨が何回か降ったり止んだりして、雨が降る時間は合計で12時間未満です」という意味になる。
逆に、
と言われると、予報期間の4分の1である6時間未満の継続した雨が降るということだ。雨が止んだ後はもう降ることはない。
継続して雨が降っているのか、断続して雨が降っているのかは判断しにくいが、雨が止んでいる時間が1時間以上あると雨が止んだと判断していいそうだ。
雨が止んで1時間経たずに再度雨が降り始めると、雨が止んだわけではなく継続して雨が降っていると見なすらしい。厳密にいうと雨は一度止んでいるのだが、天気予報的には雨は止んでいないということだ。
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【追加雑学①】昔は違った「時々雨」の定義
前述の定義は昭和62年8月から改定されたもので、それより昔は時々雨の意味も少し違っていた。
現在は「2分の1未満の時間の断続的な雨」となっているが、以前は「4分の1以上、2分の1未満」の時間で降る雨なら、連続的な雨でも時々雨に分類されていたのだ。
つまり12時間を基準にすれば、4時間連続して雨が降った場合などは、もう時々雨の分類である。しかしこれでは「ずっと降ってるんだから、時々じゃないでしょ」という感じだ。
案の定、「時々」の概念にそぐわないとして変更になり、現在では「曇り、昼過ぎから夕方にかけて雨」などと表現するようになっている。
【追加雑学②】降水確率50%は意外と降らない
一般人からすると降水確率が50%以上と聞けば、ほぼ確実に雨が降るような感じがする。しかし50%とは文字通り2分の1の確率で、たとえば4日間50%の日が続けば2日間は晴れるということだ。
ということは降水確率90%でも、10日間続けば1日は晴れるということじゃないか…。冷静に考えればわかることだが、なぜだか「降水確率50%って言ってたのに、降らないじゃん」などと言ってしまうものである。
人はネガティブなことのほうが印象に残りやすいというし、雨が降って憂鬱になったイメージが降水確率を水増ししているということか…?
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【追加雑学③】「降水確率0%=まったく雨が降らない」ではない
降水確率0%なら雨は降らないと思いがちだが、実はそうではない。
そもそも降水確率とは「一定期間内に1ミリ以上の雨が降る確率の平均値」である。平均値なので、その予報が100回出された中で何回1ミリ以上の雨が降るかということを意味している。
たとえば降水確率40%という予報が出されたとすると、その予報100回のうち40回は1ミリ以上の雨が降るという意味だ。つまり、降水確率40%と100回発表された中で40回雨が降れば予報は的中ということになる。
降水確率0%の場合、計算するときに1の位は四捨五入されるため、実際には降水確率0%以上5%未満だ。そのため、降水確率0%が100回発表されると、そのうちおよそ5回は1ミリ以上の雨が降ると確率的にはいえる。
また「降水」とは1時間に1ミリ以上の雨が降ることをいう。つまり1ミリ未満の雨は降水確率の計算には含まれていないため、降水確率に関係なく1ミリ未満の雨は降る。
そんなわけで、降水確率0%であったとしてもまったく雨が降らないということにはならないのだ。
天気予報では降水確率0%を「ゼロパーセント」とは言わずに「レイパーセント」と言うのは、わずかに雨が降る可能性があるためである。ゼロには「まったくない」という意味があるので、天気予報では使われない。
こんなところに配慮がしてあったとは…って分かるか!
雑学まとめ
今回の雑学記事では天気予報独特の用語を解説したが、いかがだっただろうか。よく聞く言葉なのに、意味を全然分かっていなかったことにびっくりである。
「一時雨」と「時々雨」なら、なんとなく一時雨の方が雨の降る時間は多そうなイメージだったが…今度から注意して天気予報を聞くとしよう。
しかし降水確率0%のくせに、実は雨の降る確率が0じゃないというのはものすごく分かりにくい。予報100回中何回1ミリ以上の雨が降るかという降水確率の考え方も不思議だ。
我々からするとよく外れるイメージのある天気予報だが、予報する側にしてみたらけっこう的中しているのだろう。
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