皆さんは、食虫植物といえばどんなものを思い浮かべるだろうか?
ハエトリソウ? ウツボカズラ? これらはトゲトゲがついていたり、袋状になっていたりと、見るからに「これは罠だぞ!」感がプンプンする、食虫植物の代表的存在だ。
しかし、世の中には、一見そうは見えない食虫植物が存在する。しかも、私たちが日常生活で普通に食べている野菜の中にまぎれているのだ!
その正体はなんと…トマト!
今回の雑学では、知られざる隠れ食虫植物、トマトの生態をご紹介するぞ!
【自然雑学】トマトは食虫植物だった
【雑学解説】トマトはどうやって虫を食べるのか?
それでは、トマトはどうやって虫を食べるのだろう? トマトは家庭菜園の常連でもある身近な野菜なので、葉っぱや茎など、実以外の部分を見たことがある人も多いはずだ。
たしかにそう思うだろうが、その通り! トマトは野菜に擬態した隠れ食虫植物なので、そんなわかりやすいことはしない。
トゲトゲや袋に代わるトマトの武器、それは…茎のうぶ毛! これには粘液が含まれており、羽虫などの小さな虫を捕まえるのに役立つのだ。
獲物をゲットしたら後は簡単! そのまま虫が死ぬのをひたすら待つ。死んだ虫は地面に落とされ、土壌の養分となる。つまり、トマトは自分の肥料とするため、自前で虫を捕まえているのだ!
このサイコパスのような特徴は、荒れた土地でも丈夫に育つため、進化の過程で培った能力らしい。しかし、現在はたとえ肥沃な土地であろうとも、お構いなしにせっせと虫を捕まえ、相変わらずご飯にしているとのこと…ほんとにサイコパスだ!
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【追加雑学①】まだまだある!虫にとって脅威なトマトの恐るべき力
「うっかり茎に止まってしまうとご飯にされる」のはもちろんだが、実はトマトの虫殺しのスキルはこれだけではない! 茎の産毛だけではなく、葉っぱも虫にとってはすさまじい脅威なのだ!
虫がちょっとトマトの葉っぱをかじろうものなら、その痕からいわゆる毒ガスを発射する。これが合図となり、周りのトマトたちも一斉に毒ガスを発射!
結果、周囲の虫は全滅! 邪魔者を排除したトマトたちは、前にも増してすくすく育っていくわけだ。
また、この大量殺戮スキルは、農薬に代わるものとして研究者たちが注目しているとのことで、近いうち虫たちの暗黒時代が訪れるかもしれない…。
【追加雑学②】なぜトマトは食虫植物に分類されないの?
生き残るための手段とはいえ、なかなかサイコパスなやり口を使うトマト。なぜ食虫植物に分類されないのだろうか?
そもそも、食虫植物とは「虫を捕まえて食べる」植物のこと。痩せた土地に生息する種が多いため、栄養不足を補うための手段なのだが、この「食べる」方法がポイント!
ハエトリソウもウツボカズラも、捕まえた虫を消化液で溶かし、自らの養分とする。つまり、「消化分泌液を出せるかどうか」が食虫植物として認められる条件とされている。
そのため、直接虫を食べるわけではないトマトは食虫植物に分類されないのだ!
雑学まとめ
身近な野菜、トマトは隠れ食虫植物だった! という雑学をご紹介した! 子供の頃、家庭菜園でトマトがあったので、茎を見たことがあったのだが、まさかあの産毛に虫を捕まえる役割があるとは驚きだった。
しかし、この手法はトマトに限らず、ナスやジャガイモなど他の野菜にも見られる特徴らしい。意図的に虫を捕まえなくたって、どんな植物も多かれ少なかれ土に還った生き物を養分にしているが、子供の時にこの事実を知らされたら、野菜嫌いになっていたかもしれない…。もう大人でよかった!
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