大晦日、日本人ならほとんどの人が食べるであろう「年越しそば」。アツアツのダシで体が温まると「ああ、今年ももう終わるんだな」と、感慨深い気持ちにさせられる。
まさに年越し間近、こたつで紅白を見ながら食べるという人もいれば、夜は初詣などで家族が揃わないと、昼に食べてしまう人も。年を越してから食べる人もいるかも?
みなさんはどんなタイミングで食べているだろうか。別にいつ食べても自由のような気もするけど…ひょっとしてこれにも明確な決まりがあるのか?
【食べ物雑学】年越しそばの意味とタイミングは?
【雑学解説】年越しそばはその年の厄災を断ち切る意味で食べる
年越しそばを食べるタイミングは、大晦日の当日中であれば、基本的にいつ食べるという決まりはない。
ただしひとつだけタブーがある。年をまたいで食べるのはNG。つまり年越しの瞬間に食べていたり、年が明けてから食べ始めたりしてはいけないのだ。
”年越し”そばなのに? と思わされるところだが、これについては年越しそばを食べる理由を辿るとハッキリしてくる。
- そばのように、長く細く生きられるように
- 一年の厄災を断ち切り、新しい年を迎える
このうち、年明けに食べてはいけないことに関係しているのは「一年の厄災を断ち切る」という説のほうだ。そばはうどんなどと比べ、切れやすい性質をもっていることからこの説が唱えられるようになった。
その年の厄災とおさらばしようとそばを食べているのに、年が明けてしまっていては、翌年に持ち越してしまうことになる。よって、ご利益にあやかりたいなら当日中に食べるのが吉ということだ!
ちなみに「長く細く生きられるように」というのはそのままで、そばの細長い見た目からきている。「俺は太く生きるぜ!」という人もいるかもしれないが、これは長寿を願ってのものなので、ちょっと意味が違う。
年越しそばで断ち切れる厄災とは
年越しそばで断ち切れる厄災は、主に金銭面や健康面のものとされている。これにもちゃんとそばに関係する由来があるぞ!
まず金銭面の由来には、昔の金銀細工師の仕事の仕方が関係している。
その昔、金銀細工の職人は飛び散った金粉を集めるために、そば粉を使っていたという。そこから発展して、年越しそばもお金を集める縁起物とされているのだ。
また健康面に関してはそばの解毒作用や、雨風に打たれても、日を浴びればすぐ元気になるソバの花にちなんでいる。
なるほど! 由来を知ると、本当にご利益があるように思えてくる!
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【追加雑学】年越しそばに合う縁起物の具材は?
年越しそば自体にも大きなご利益があることがわかったが、縁起物の具材をプラスすることで、さらにバージョンアップさせることができるぞ!
それぞれの具にどんないわれがあるのかを紹介していこう。
ネギ
そばやうどんにネギは欠かせないものだ。実はこのネギには「労い(ねぎらい)」の意味が込められている。
年越しそばに乗せて、「今年もお疲れさまでした!」といったところか。
海老の天ぷら
これまたそばと抜群の愛称を誇る食材である。サクサクもいいが、ダシが染み込んでふやけた衣もまた美味い! そして海老が縁起物とされているのは、「長寿のシンボル」とされているからだ。
海老のクルッと丸まった体をお年寄りに見立てて、「腰が曲がるまで長生きする」という意味になるのだとか。
ちなみにスーパーで買ってきた海老天をそのまま使う場合、トースターで2~3分焼くと衣がサクサクになる。好みに合わせて試してみては?
鶏肉
ニワトリは朝一で「コケコッコー!」と鳴く印象があるように、1年でも最初に鳴く動物とされている。鶏そばを食べて新年のスタートダッシュを決めてしまおう! といったところか。
また幸せを”とり”込むという意味もあるぞ。日本人はダジャレみたいな語呂合わせが好きである。何はともあれ、鶏そばは単純にダシも効いておいしいのでおすすめだ。
油揚げ
油揚げはダシをたーっぷり浸して食べるのがたまらない一品である。実は油揚げは稲荷神の使いとされているキツネの大好物。稲荷神は商売繁盛の神様なので、ビジネスパーソンは油揚げをぜひ食べておきたいところだ!
なるほど、稲荷寿司のネーミングも稲荷神から来ているのか。
年越しそばの雑学まとめ
年越しそばは大晦日の当日中に食べるのが鉄則で、年をまたいで食べるのはNG。そこにはその年の厄災を断ち切るものだから、という由来があった。
こういったいわれがあるのもそうだが、せっかくの大晦日、年の変わり目でスパッと心機一転したいものだ。年越しそばはその年のうちに済ませて、気持ち良い新年のスタートを切ろうではないか!
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