タコ焼きを買えば必ずついてくる爪楊枝。ちょっとフルーツを食べるのに使えば、手を汚さずに済む爪楊枝。食後の口内ケアに欠かせないという人もいるだろう。
このように爪楊枝は、もっとも身近といっても過言ではない日用品だ。身近すぎて気に掛けることは少ないかもしれないが、その形状にはひとつ、大きな謎が秘められている。
持ち手の部分にあるあの溝…あれって、いったいなんのためにあるんだ? 溝がなくたって、爪楊枝としての役割は十分に果たすように思えるが…。今回はそんな爪楊枝に関する雑学を紹介していくぞ!
【生活雑学】爪楊枝の尖ってないほうに溝があるのはなぜ?
【雑学解説】爪楊枝の溝についてのさまざまな説
爪楊枝の尖っていないほうに溝がある理由には、以下のようにいくつかの説がある。
- 日本伝統のこけしを模した作りにして、爪楊枝を作る機械の精密さをアピールしている
- 製造工程でできる黒ずみを目立たなくするため
- 溝の部分をポキッと折れるように加工し、爪楊枝置きが作れるようになっている
- ただそのままではつまらないので、デザインとして溝を入れた
こけしを作るのと同じぐらい精巧な技術で作られているというのも、「おお…何気なく使っているけど、実はすごいものだったのか!」となりそうだし、折りやすいように溝が掘られているというのも、もっともらしい…。
どれもあり得なくなさそうだが、それぞれ理由が違いすぎて正解が見えてこないような…。しかしこの中でも特に有力とされている説があるのだ!
一番有力なのは、爪楊枝の黒ずみが目立たなくなる説!
一番有力なのは、製造工程で生じてしまう黒ずみを目立たなくするために加工したという説だ。
爪楊枝を製造する際、持ち手の部分はどうしても摩擦により黒ずんでしまうのだとか。その黒ずみを少しでも目立たなくするように、工夫した結果あの溝ができたのだという。さすが日本の職人といったところか。
そして本来の目的が黒ずみを隠すことだとしても、見た目の美しさを考えたものという点では、デザインとする説やこけしを模している説にも共通点がある。それらの考察もまったくの的外れではないということだ。
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またこの溝には製造会社によって違いがあり、溝を見るだけで会社名を当てられるの人もいるのだとか! ブランドのロゴの役割も果たしているとは…案外すごいぞ! 溝!
以下に爪楊枝の製造工程を映した動画を紹介しておこう。機械を使ってはいるが、質のよくないものを分ける工程などは手作業でないと務まらないのだろうか。想像以上に手間暇がかかっていることがわかる。
【追加雑学】溝の部分を折って爪楊枝置きにしたのはこの人!
前述した説の中でも、ひとつだけ異彩を放っていた「爪楊枝置きが作れるように」という説。黒ずみを隠すというのが有力だとすれば、これはガセネタということになるが…。
そう、この使用方法は製造工程で考えられたものではなかった。爪楊枝ができたあとに実用新案登録された、使用した人が考えたものだったのだ。本来の目的とは別の用途を見出した、まさに偶然の産物である。
この方法を思いついたのは、喜劇俳優であり落語家の、柳家金語楼(やなぎやきんごろう)だといわれている。本来の理由と勘違いされるような使い方を後付けで考えてしまうとは、さすがは笑いのプロ。彼らの頭の中はアイデアの宝庫なのではないか。
雑学まとめ
普段何気なく使用している爪楊枝の雑学、いかがだっただろうか。溝に注目するとこれだけの説があるとは正直驚いた。そしてその理由にしても、見た目の美しさにこだわる職人の心意気が感じられる、なんとも粋なものだった!
これは友人に教えてもらったのだが、耳かきがないときにあの溝の部分がちょうどよく、筆者はたびたび、爪楊枝を耳かきとして愛用している。ひょっとすると、耳かきとしての性能もメーカーによって違うかも!?