木陰を歩いていると不意に落ちてくる毛虫。急に現れるそのおぞましい姿に驚いたことがある人もいるだろう。筆者は田舎育ちのため、春先や秋にかけての時期にいたるところで毛虫を見かけていた。
が! 実は今回の雑学テーマは一般的に知られている毛虫ではない。皆さんは海にも毛虫と呼ばれる生物がいるのをご存知だろうか。その名も「ウミケムシ」。そのままの名前じゃないか! というツッコミはさておき、ウミケムシがどんな生物なのかを紹介しよう!
【動物雑学】実は海にも毛虫と呼ばれる生物がいる
【雑学解説】海の毛虫「ウミケムシ」とは?
海の毛虫「ウミケムシ」とは海中に生息している多毛類に属する生物だ。よく魚釣りに使われるミミズのような生物の仲間といえばわかりやすいだろうか。「ケムシ」と名前がついているが、陸上にいる毛虫とはまったく別の生物である。
だが、その姿は本家の毛虫に負けず劣らずのおぞましいもの。体には毛というよりも、針に近いものが何本も生えており、さながら怪獣のようである。
どんな姿かは以下の動画で確認できる。気持ち悪い生物が苦手な人は閲覧注意だ。
このウミケムシの体に生えている針には毒があり、人の手に刺さることもある。というのも、ウミケムシは主に温かい海域に生息しており、日本の海にも存在するのだ。釣りエサを食べることもあるため、竿を上げてみたら魚ではなくウミケムシが釣れていることがある。
実は筆者も夜釣りに出かけたときに友人がウミケムシに触れてしまい、手の甲に無数の針が刺さってしまった。その手が毒によって腫れてしまっている光景をよく覚えている。
毒とはいっても死にいたる強力なものではないので安心だが、友人いわく1週間はかゆみが止まらなかったらしい。
普通の生活ではまず見かけることのないウミケムシだが、魚釣りをする機会があれば気をつけよう。普段はいない海域でも海水温の上昇によって現れることもあるので要注意である。
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【追加雑学】「ネコ毛虫」と呼ばれる毛並みの良い毛虫がいる
なんともおぞましい「ウミケムシ」を紹介したが、世界には「ネコ毛虫」と呼ばれるユニークな毛虫がいる。その名の通りネコのように毛並みが良いことからそう呼ばれるようになった。
こちらは毛虫と名のつく別の生物ではなく、「サザン・フランネル・モス」という蛾の幼虫なので一般的に知られる毛虫と同類だ。
ネコ毛虫は正確には「プス・キャタピラー」という名前で主にアメリカや南米に生息している。そのふさふさの毛並みは以下の動画でご覧いただこう。だが、こちらも虫が苦手な人は閲覧注意だ。
本物のネコのようにかわいい見た目とはいいがたいが、その毛並みはなんとも見事である。しかし! 騙されてはいけない。なんとネコ毛虫の毛の下には猛毒の針が隠されており、刺されたらただごとではないのだ。場合によっては呼吸困難になることもある。
日本には生息していなのでまず大丈夫だとは思うが、もし海外に行くことがあればネコ毛虫を絶対に触らないようにしてほしい。ふさふさした見た目とは裏腹に超危険生物なのである。
雑学まとめ
今回の雑学では世の中の変わった毛虫たちを紹介した。一般的に知られている普通の毛虫でさえちょっと怖いのに、それ以上に恐ろしい毛虫が世の中にはいるのである。筆者も幼いころは昆虫採集に夢中だったが、さすがに毛虫は苦手だ。
ちなみにあまり知られていないが、宮崎駿監督の短編アニメに「毛虫のボロ」という作品がある。2019年6月現在、三鷹の森美術館の土星座にて時期ごとの限定公開なのでなかなか見れる機会は少ないが、ジブリファンは覚えておいてほしい。