毎年たくさんのドラマが生まれる高校野球は、人気の高いスポーツだ。普段野球を見なくても高校野球は特別という人も多いのではないだろうか。アマチュアながらこれだけ注目度が高いスポーツも珍しい。
ひとつでも負ければ引退という極限の状態のなかで、夢を追いかけて努力を続ける高校生の姿は多くの人の胸を打つ。
そんな高校野球といえば甲子園だが、その「夢の舞台」を目指して戦う地方大会もアツい。強豪校から弱小校までが集う地方大会は甲子園並みにドラマチック。
あっと驚くような試合もしばしば見られるのだ。今回の雑学では、そんな高校野球の驚きの試合をご紹介する。
【スポーツ雑学】高校野球では「122-0」というスコアの試合があった
【雑学解説】高校野球で7回すべて二桁得点!
1998年青森大会2回戦。東奥義塾高校対深浦高校。
3時間47分に及んだ試合は7回コールド。東奥義塾高校は毎回2桁得点を叩き出し、合計122得点で終了した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | H | |
東奥義塾 | 39 | 10 | 11 | 17 | 16 | 12 | 17 | 122 | 86 |
深浦 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東奥義塾の成績は、打者149・安打86(うち7本塁打)・四死球36・盗塁76。
深浦の3人の投手陣は実に475球を投じた。
39点もの得点を許した1回表は打者42人。打席が約5巡もしているのだ。なんと、最初のアウトを取るのに40分、1回表が終わる頃にはすでに57分経過していたというから驚きだ。
聞けば聞くほど凄まじい試合だ。いったい何試合分のエネルギーを使ったのだろうか…。
当時、深浦高校には野球部員が10人しかおらず野球経験のない選手も多かった。
現在は、5回で10点以上の差がついている場合はコールドゲームとなるが、当時の青森大会では7回でのコールドゲームしかなかった。この試合を機にコールドゲームの基準が変わったのだ。
途中で試合を放棄することもできたが、深浦高校の選手たちは最後まで戦うことを選択。東奥義塾も「手を抜くのは失礼」と真剣にプレーをした。
初回の39得点で心が折れてしまいそうだ。どちらのチームも疲労は凄まじかっただろう。最後まで一生懸命戦い抜いた両チームはあっぱれだ。
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【追加雑学①】プロ野球での1試合最多得点は32!
高校野球の最大得点について紹介したが、プロ野球はどうだろうか。チームによって力の差が出やすいアマチュア野球と比べたらプロの世界はある程度拮抗した試合になりそうだ。
調べてみると、プロ野球での1試合最多得点は32点。それでもかなり多いが122得点に比べたらインパクトは小さい。
その試合は1940年4月6日、阪急ブレーブス対南海ホークスの一戦だ。阪急が32点を得点し、対する南海は2点。30点以上もの差をつけての圧勝だ。
もう80年近く破られていないこの記録。野球において30点もの得点をすることがいかに難しいかわかる。
【追加雑学②】1イニングの最多得点は?
1試合での最多得点について紹介してきたが、1イニングではどうだろうか。
プロ野球の1イニング最多得点は15点。2009年6月11日、広島東洋カープ対千葉ロッテマリーンズの試合で6回裏にロッテが記録した。
打線は9人で1巡するので、少なくとも2巡はしていることになる。
十分多い得点だが、こうしてみると改めて東奥義塾の1イニング39得点の恐ろしさを感じる。
雑学まとめ
今回は高校野球の雑学を紹介した。
力の差が出やすいアマチュア野球とはいえ、1試合に122得点は凄まじすぎる。スコアだけ並べたら何のスポーツなのか頭をひねるほどだ。
大きな差をつけられても諦めずに最後まで戦った深浦高校、大量差で勝っていても決して手を緩めず真剣に勝負した東奥義塾高校。
どちらのチームもスポーツマンシップに溢れる素晴らしい戦いっぷりだ。
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