皆さんは「イノブタ」という生物をご存知だろうか。名前から連想される通りイノシシとブタの混血種である。日本では主に家畜として飼育されているが、一部では野生で生息しているケースもあるそうだ。
そんなあまり馴染みのない生物「イノブタ」についての、耳を疑う雑学を入手した。
なんと和歌山県に日本から独立した、イノブタの王国があるというのだ。…書いていて意味がわからない。王国ということはイノブタの王様がいるということだろうか? しかも、日本から独立しているだなんて…。
【動物雑学】和歌山県にある「イノブータン王国」とは?
【雑学解説】「イノブータン王国」ってどんな国…?
調べてみると、イノブタの王国はどうやら近畿地方の最南端、太平洋に面する和歌山県牟婁郡すさみ町にあることがわかった。その名も「イノブータン王国」、おそらくブータン王国にかけた名前だと思われるが、ユーモアにあふれている国名だ。
イノブータン王国は1986年にすさみ町を領土として建国宣言が行われた独立国…というのはあくまでパロディ設定であって、どうやら地域を盛り上げるための企画のようだ。建国宣言を行った1986年を猪豚(いのぶた)元年に設定している。なんとも面白い。
しかも、ちゃんとした国歌や国旗まであり、その力の入れようはすさまじい。あくまでも王国としての運営をしており、数々のイベントを催している。なぜこんなにこだわりの企画があるのか調べてみると、すさみ町とイノブタには深い縁があることがわかった。
なんと、すさみ町は日本で最初にイノブタが誕生した場所だったのである。1970年にすさみ町の試験場にてイノシシを父親、ブタを母親として日本初のイノブタが生まれた。それ以降は周辺地域の観光資源としてイノブタが活躍しているのである。
当然、名産としてイノブタ肉があり、すさみ町の宿泊施設や大衆食堂ではイノブタ料理を味わえるそうだ。臭みのない甘い味わいの肉は観光客を中心に人気を高めている。
うーん、イノブタ肉とはなんとも珍しい。それにすさみ町全体でイノブータン王国として地域振興を頑張っているとはすごい努力だ。地方の過疎化が叫ばれるなか、こういったユーモラスあふれる企画はぜひとも応援していきたい。
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【追加雑学】イノシシは実は泳げる
イノブタに関する話をお届けしたが、昨今は全国的に野生のイノシシが増えていることが問題となっている。読者の皆さんも道端で見かけたことがあるかもしれない。筆者の地元もイノシシが大量に繁殖しているので、年に何度か見かけることがある。
そんなイノシシだが、実は泳げることをご存知だろうか。
一見、短足で泳ぎにくそうなイメージだが、器用にもスイスイと泳げることができる。もののけ姫の作中でも、イノシシたちは海を渡ってきたというセリフがあるくらいだ。実際に泳いでいる様子は以下の動画で確認できる。
上手に顔を水上に出して呼吸しながら泳げるとは驚きだ。陸上動物であるイノシシがなぜわざわざ海を泳ぐのかは諸説あるが、おそらくエサを求めて新天地を目指しているというのが有力だ。
家畜として飼育されているイノブタがいれば、自らの力で生きなければいけない野性のイノシシもいるということである。
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「イノブータン王国」の雑学まとめ
今回の雑学ではイノブータン王国という驚きのパロディ国家を紹介した。機会があればぜひイノブタ肉を味わいに観光に訪れたいものである。今後もイノブータン王国のような地方の面白い企画があれば紹介していきたい。
ちなみに筆者は最近、歳のせいか普通のブタ肉が重くなってきた。イノブタ肉はあっさりしているそうなので、スーパーに出回ってくれることを願うばかりだ…。