突然だが、私は埼玉県東部の出身で、長いこと東武伊勢崎線を利用している。そんな私は幼少の頃に電車内の路線図に載っている、とある駅名を見て衝撃を受けた。
「おもちゃのまち」
子どもにとって、これほど胸躍る駅名があるだろうか?
「きっと、おもちゃに囲まれた素敵な場所なんだろうな…」
と想像を膨らませていたものである。
大人になるにしたがい「おもちゃのまち」を思い出すこともなくなっていたが、先日電車で「おもちゃのまち」という駅名を見たとき、なぜか熱い想いが蘇ってきたのだ!
そんなわけで、今回は長年抱いてきた熱い想いとともに、この雑学をお届けしたいと思う。
【生活雑学】栃木県には「おもちゃのまち」という駅名がある
【雑学解説】「おもちゃのまち」はどんな街?
まず、「おもちゃのまち」はどこにあるのだろうか?
東武伊勢崎線の始発駅でもある浅草駅からひたすら北上し、「クレヨンしんちゃん」で有名な春日部駅を超えて栃木駅まで。そして、栃木駅から東武宇都宮線に乗り換えて20分ほどすれば「おもちゃのまち」へ到着だ。
住所としては栃木県壬生市であり、栃木市や宇都宮市のベッドタウンとして発展しているらしい。
では、なぜ「おもちゃのまち」なのだろうか?
詳しい沿革などは「おもちゃのまちサイト」を御覧いただきたいが、簡単に言うと東京の玩具メーカーが広い土地がある壬生市で工業団地造成と宅地開発を進め、おもちゃ団地として操業を始めたのがきっかけ。
そして、1964年に新しく駅が作られた際に、トミー創業者である富山栄市郎が「新団地および工場にふさわしい夢のある駅になってほしい」という思いを込めて「おもちゃのまち」と名付けたのだ。
あれ? それって「おもちゃのまち」は、ただの工業団地ってことだよね? 子どもの頃に思ってたのと全然違うじゃないか!
…などと、早まるのは待ってほしい。
現在の「おもちゃのまち」は、子どもの頃の夢見たままの街になっているのだから。
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【追加雑学①】「おもちゃのまち」にはホントにおもちゃがいっぱいだった!
元々は玩具メーカーの工業団地として発展していた「おもちゃのまち」だが、1990年代以降は玩具工場の撤退などで街の特色を失ってしまった。
そこから、「おもちゃのまち」は真の「玩具の街」へと変革する。
まずは1995年に「おもちゃのまち」の地名と歴史にちなんだ「壬生町おもちゃ博物館」をオープン。
ここでは、鉄道模型が集まる「鉄道模型の部屋」や、オリジナルのリカちゃん人形が作れるコーナーなどが楽しめるのだ。
また、2007年には玩具メーカーのバンダイが「おもちゃのまちバンダイミュージアム」をオープンし、日本のみならず海外の玩具を数多く展示。
バンダイの施設にふさわしく、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のコーナーもあり、1/1スケールのガンダムの胸像がファンを待っている。
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【追加雑学②】ご当地キャラクターも誕生
「おもちゃのまち」の攻めの姿勢はこれだけじゃ終わらない。
2012年には、ご当地キャラクターとして「壬生ゆうゆ」・「壬生えみこ」の姉妹を発表し、町おこしのPRに活用。積極的なアピールを続けている。
なお、壬生ゆうゆ・壬生えみこのキャラクターデザインは、「おもちゃのまち」に本社があるトミーテックの「鉄道むすめ」を生み出したイラストレーター・みぶなつき。
ふと思ったのだが、イラストレーターの名前に「みぶ(壬生)」がついているのは、単なる偶然なのだろうか?
雑学まとめ
今回の雑学では、幼少の頃からの憧れであった「おもちゃのまち」の真実を知ることができて、大変楽しかった。身近に玩具が溢れる「おもちゃのまち」…なんて素晴らしい街であろうか。
もし、幼少の頃の私のように「おもちゃのまち」駅に興味を持ったお子さんが身近にいたら、ぜひ連れて行ってあげてほしい。きっと、夢のような体験ができて、大満足だろう。
そして、大人になった「かつての子ども達」にも、ガンダムやリカちゃん人形などの懐かしいキャラクター達が待っているのだから。