2020年の東京オリンピックに向けて熱気が高まっているのを感じるようになってきた。みなさんはオリンピックのどんなところに注目しているだろうか。
私はスポーツに関心が薄いほうなのだが、それでもオリンピックというとやはり興味が出てくる。表彰式などはニュースで見ると「おぉー!」となんだかテンションがあがるものだ。
小学生の我が子もかなり期待が高いようだ。ちょうどオリンピックの公式キャラクターを選ぶ投票に参加することができ、たまたま選んだものが選定されたため、かなり鼻高々の様子である。
さて、このオリンピックといえばメダルだ。選手はだれもがこのメダルを目指してオリンピックに臨む。
表彰式で首からかけられるメダルが印象的だが、実は初めは手渡しだったのをご存じだろうか? 今回の雑学では、そんなオリンピックメダルについての歴史を紹介していく!
【オリンピック雑学】五輪のメダルが吊るし式に定着したのはローマ大会から
【雑学解説】1960年のローマ五輪から吊るし式のメダルが定着した
メダルの授与といえば、だれもが首にメダルをかけてもらうシーンを思い浮かべるだろう。そして金メダルを歯で噛むのだ。
まだ記憶に新しい2016年のリオデジャネイロオリンピックの様子をご覧いただこう。
金メダルといえば首から吊り下げるものと認識しているのは私だけではないはずだ。しかしこの当たり前のようにイメージできる吊るし式メダルは、実は初めから行われていたわけではない。
オリンピックが始まったころのメダルは今よりももっと小ぶりのもの。それを手渡ししていた。
最初に吊るし式になったのは、1904年の第3回セントルイス大会だ。
そしてその次のオリンピックからは再び手渡し式に戻ってしまった。なぜこの1回だけ、吊るし式だったのか? それについてははっきりとはわかっていないようだ。
それから56年後の1960年の第17回ローマ大会にて、吊るし式が復活する。このローマ大会以降は私たちが見慣れたあの吊るし式が定番となる。
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【追加雑学①】IOCがメダル規定を作ったのはロンドン五輪から
ちなみにオリンピックのメダルは国際オリンピック委員会(IOC)によって規定されており、直径・厚さ・材質なども細かく決められている。これは第4回のロンドンオリンピックからきちんと規定されるようになった。
さらにデザインが毎回違うのはご存じだろうが、実は重さや材質なども毎回いろいろと変わっている。
また環境問題も考え、リサイクルされた銀を使用したり、リボン部分はペットボトルを再利用した素材を使ったりなど様々な工夫がされているのだ。
【追加雑学②】当時は金メダルではなかった
さて、オリンピックのメダルといえば優勝が金メダル・準優勝が銀メダル・第3位入賞が銅メダルである。
「オリンピックで優勝したら金メダル・準優勝は銀メダル・3位は銅メダルが授与される。YESかNOか?」と聞いたら、多分99パーセントがYESと言うだろう。私もYESと声を大にして言う! それはもう誇らしげに。
しかし、実は第1回目の記念すべきアテネオリンピックでは優勝は金メダルではなかったのだ。なんと優勝は銀メダルの授与。
準優勝が銅メダル、3位は賞状のみだったそう。その理由の一つは当時のギリシャの財政難、またスポーツには純粋な勝利を求めるものとして高価な金メダルは不要だという考えもあったそう。
リオオリンピックでは約5000枚のメダルが作られた。アテネオリンピックも相当な数のメダルを作らなければならなかったことは間違いない…。
すべて金メダルではないにせよ、大量の素材が必要になってしまうため、ギリシャ経済にとってはかなり大変なことだったのだろう。
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ちなみに、現在の金メダルは純金ではなく、素材のベースは銀メダルだ。これに金を張り付けて金メダルにしている。
これもIOCの規定の中にあるのだが、国によって品質に大きな差が出ないようにとの配慮があるそうだ。
IOC、なかなかやさしい組織である。
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【追加雑学③】オリンピックメダルをなくしてしまった選手がいる
先述したように、選手たちが目指すメダルには深い歴史やさまざまな思い入れがあった。選手にとっても獲得したメダルは大切な大切な、家宝のような存在であろう。
と思いきや! なんとメダルをなくしてしまったちょっぴりオマヌケな選手もいるのだ。
オランダのボート競技男子エイトのディエデリック・シモン選手はレストランでの食事中になくしたことに気がつき、警察が出動する騒ぎとなった。
また、イタリアの同じくボート競技のダビデ・ティツァーノ選手は勝利を祝い勢い余って水に飛び込んだところ、首にかけていたメダルを紛失。ダイバーが2日がかりで探すという騒動も起こっている。
いやいや、道頓堀か…。
また、紛失はしていないものの嬉しくて持ち歩いていたら落として、一部を破損してしまったブラジルの柔道男子60キロ級フェリペ・キタダイ選手。公共機関で普通に首からかけている姿を目撃されたベネズエラのフェンシング男子エペ個人ルーベン・リマルド・ガスコン選手など。
いやいや、ネックレスじゃないから。おしゃれアイテムじゃないから。
このような事態にIOCも「大事にしてね…」という、先生の注意のようなコメントを出したこともある。
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雑学まとめ
いかがだっただろうか。もう目の前に迫っている東京オリンピック。ぜひメダルにも注目して楽しんでもらいたい。
またこの雑学記事をたまたま見かけたオリンピック選手! そこのあなた! どうぞ、メダルをもらったら大事にしてください…!