「ベリベリ!」という音でおなじみのマジックテープ。幼少のころ、靴ひもが結べなかったので、マジックテープ式の靴にはよくお世話になったものだ。
簡単に付け外しができるマジックテープは、シンプルながらも良い発明品だと思っている。マジックテープを発明した人は、いったいどういう発想で作ることができたのだろうか?
それには、ある植物が関係していた。今回は、そんな雑学を紹介しよう。
【生活雑学】マジックテープはオナモミを参考に作られた
【雑学解説】マジックテープは疑問から生まれた発明
マジックテープの生みの親は、スイスの発明家である「ジョルジュ・デ・メストラル」だ。
ある日、メストラルは愛犬と一緒に山へ出かける。ふと気が付くと愛犬の毛や自分の服に、あるものが引っ付いていた。それが、オナモミだ。
そしてこのオナモミ、なかなか取れない。
「どうしてこうも頑固に引っ付くのか…」
メストラルは疑問に思った。そしてオナモミを持ち帰り、顕微鏡で観察してみると、オナモミの先端がかぎ針状になっている! そのとき、メストラルに電流が走った!
「そうだ! オナモミを参考に、着脱が簡単なファスナーが作れるかも! これは魔法のファスナーになる予感がするぞ!」
こうして、メストラルはオナモミの形状を参考に、かぎ針状の面と輪っか上の面を組み合わせて使う「マジックテープ」を発明したのだ。
それが今では靴や財布の他、特撮のスーツアクターの衣装など、幅広く使われている。まさに着脱が簡単な魔法のファスナーだ。私も子供のころは、マジックテープを使った靴にお世話になった。
メストラルがオナモミからマジックテープの発想を得なければ、幼少の私は靴ひもの結び方に難儀していたことだろう…。
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【追加雑学】なぜオナモミは引っ付くのか?
オナモミといえば、昔「引っ付き虫」と呼んでいたことを思い出す。なぜオナモミは動物の毛や私たちの衣服に引っ付いてくるのだろうか? 動画の少年はいくらなんでも付けすぎだけど…。
実は、オナモミは植物の「実」の部分。その実の中には種が入っている。オナモミは、他の生き物に引っ付くことで、遠くに種を運んでもらうのだ。
オナモミは運んでもらっているあいだに落ちたり割れたりすることで違う場所に。そして、新たな場所にオナモミが育っていく。このように生息範囲を広げていたのだ。
ちなみに、オナモミは日本では絶滅危惧種。外来から入ってきたオオオナモミなどに生息地を奪われて、現在では数が少なくなっている。
このままひっそりと消えていくのはかわいそうだ…。とはいえ、外来種のオオオナモミと在来種のオナモミの見分け方は、オナモミの実の方が小さいという以外にほとんどない。分かる人が見れば分かるのかもしれないが…。
もしも、在来種のオナモミだと分かれば、土の上などに落とすと良いだろう。もしかしたら、そこからまたオナモミが育つかもしれない。
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雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。子供でも付け外しが簡単な便利道具「マジックテープ」。実は、「引っ付き虫」で親しまれている「オナモミ」から、その発想は生まれたのだ。
もしもオナモミが地球上になかったら…。もしもメストラルがオナモミに疑問を抱かなかったら…。マジックテープのような便利な道具は生まれなかったかもしれない。
自然から発想を得た発明品は、今でも様々な分野に使われている。少し地味かもしれないが、まさに世紀の大発明の1つだろう。