「アーイアイ、アーイアイ、おさーるさーんだよー」でおなじみの、童謡「アイアイ」。幼稚園や保育園などで歌ったおぼえのある人も多いのではないだろうか。
また、夕方の幼児向けテレビ番組で何度もくりかえし「アイアイ」の歌を聴いて育った筆者も、あの歌詞とメロディは印象的で今でもよーく覚えている。
あの歌を聴いているとまず「アイアイ」は、「おさるさん」であることがわかるが、これが実在していたというのはあまり知られていない事実である…!
今回の雑学では童謡「アイアイ」に出てくる猿がいったいどんな動物なのか、調べてみた!
【動物雑学】童謡で歌われる「アイアイ」は実在する猿?
【雑学解説】「アイアイ」は、マダガスカル島固有の貴重な原猿種
まずは、「アイアイ」の姿からご紹介しよう。だれもが一度は名前を聞いたことのあるその姿がこれだ!!
眼がでかい! 耳もでかい! なんか想像してたのとは…ちがう? これが筆者の、初めてアイアイの「本当の姿」を見た率直な感想である。
童謡「アイアイ」の歌の一節には「みなーみのしまーの」というところがあるが、アフリカの南東部に位置する「マダガスカル島」という島国がそれにあたる。マダガスカル島はとても大きな島国で、多くの珍しい生き物たちが暮らしている。
マダガスカル島に生息している生き物のうちの、実に8割がマダガスカル島にしかいないという「マダガスカル固有の動物」で、アイアイはそのなかの1種なのである。
アイアイはマダガスカル島のマングローブの林で、木の皮やきのこ・果実・花の蜜・昆虫などを食べて暮らす。前歯で木の皮をはがし、特徴的なその長い指で木の穴の虫をほじくり出して器用に食べることができる。
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【追加雑学①】「アイアイ」は現地では嫌われている?!
日本では、かわいらしく愛される「おさるさん」として知られているアイアイだが、現地のマダガスカル島では、なんと「悪魔」と呼ばれ恐れられている。アイアイは夜行性で、夜に遭遇すると大きなギョロっとした眼が光る。
さらに、猿というよりもコウモリに近いような細くて長い指で、木をトントンと叩いて「タッピング」し、中にいる虫を探すのだが、その姿も悪魔っぽくて気味悪がられている、というのだ。
アイアイたちからすれば「ごはんを探して食べている」だけなのだが、夜に出会ってしまったら、筆者も気味悪く感じてしまうかもしれない。「アイアイに指を指されると死ぬ」とまでいわれているそうで、なんだかちょっとかわいそう。
【追加雑学②】実は絶滅の危機に瀕している「アイアイ」
人々に気味悪がられ、「悪魔」とまで呼ばれてしまうアイアイ。人に見つかると「不吉」だということで捕獲され、殺されることもあるという。そのうえ、南国であるマダガスカルではマンゴーやライチなどの果物が作られているのだが、アイアイはそれを食べてしまう。
人間の育てた果物を食べてしまう「害獣(がいじゅう)」として、駆除の対象にもなってしまうのだ。悪魔・害獣といわれ駆除されていくうちに数が減り、現在では、アイアイは絶滅の危機にある。
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【追加雑学③】日本でも「アイアイ」が見られる動物園がある!
マダガスカルにしか生息しない「アイアイ」だが、実は日本にも一カ所だけ見ることができる場所がある。それは、東京の「上野動物園」である。
そう。パンダで有名な上野動物園でなら、貴重な「アイアイ」に会うことが可能なのだ! 上野公園西側の「アイアイのすむ森」にいるので、みなさんも一度会いに行ってみてはいかがだろうか。
雑学まとめ
今回は童謡「アイアイ」の猿は本当に存在していたという雑学をご紹介した。
実物のアイアイは童謡「アイアイ」を聴いていた印象とはちょっと違う見た目をしていた。マダガスカルでしか会えないのであれば、生きてるうちに見る機会はないのかなあ、なんて思っていたら上野動物園で会えるとは…!
なんだか身近な存在になったように感じる。パンダもいいけど、「アイアイ」もついでに見に行ってみてもいいかも。
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