居酒屋などでお酒を頼むとお通しがでてくる。お店によって何が出てくるかわからないので、結構ワクワク感があって私は好きだ。
先日出てきたお通しは五目豆だった。大豆・ニンジン・れんこん・ごぼう・干し椎茸・こんにゃくが甘辛く煮てあって非常においしい。久々に当たりのお通しである。
だがしかし、この五目豆には具材が6種類入っている。五目豆というからには5種類に絞るべきではないのか。
そこで今回の雑学では、五目豆や五目寿司の「五目」の意味について調べてみた。
【食べ物雑学】五目豆、五目寿司の「五目」とは何か?
【雑学解説】特定の具を指すわけではない
なんと「五目」は5種類という意味で使われているわけではなかった。この場合の「五目」は「さまざまのものが入り混じっていること」を表していたのである。
そのため、五目豆も五目寿司も「これを使えば五目豆」という具材があるわけではなく、さまざまなものが入っていれば五目豆・五目寿司になるのだ。
同様に、中華の定番「八宝菜」の「八」も「多くの」という意味で使われている。今までは、具材が5種類しか入っていないのに「八宝菜できたよ」ということに罪悪感があった。
しかし、今後は具材が何種類でも、堂々と八宝菜と言っていいのだと思うと少し気が楽になる。
ちなみに「雑」という字にも「いろいろなものが入り混じっていること」という意味がある。雑草・お雑煮などはそのいい例で、決して雑な草・雑に煮た食べ物というわけではないのである。
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【追加雑学①】五目寿司とちらし寿司の違いは具あつかい方にある
五目寿司と握り寿司の違いは、歴然としている。五目寿司はきざんだ具材を酢飯に混ぜたものだが、握り寿司は握った酢飯の上に魚などのネタをのせたもの。
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しかし、五目寿司とちらし寿司の違いとなるとどうだろう。
先ほども述べたように、五目寿司は酢飯に具材を混ぜ込む。それに対してちらし寿司では酢飯の上に具材をちらす。
つまり、具を酢飯に混ぜるか、上にちらすか、そこが五目寿司とちらし寿司の違いなのである。
ただし、近年では具材を混ぜ込んだ酢飯の上に海鮮をのせる場合も多くあり、五目寿司とちらし寿司の境界線は非常に曖昧であるといえる。
【追加雑学②】五目並べには必勝法がある
五目といえば五目並べという遊びがある。やったことはなくても、聞いたことはあるという方も多いだろう。
五目並べでは、先手と後手がそれぞれ黒石・白石を交互に碁盤に並べていく。そして、縦・横・ななめのいずれかに、同じ色を5個先に並べた方が勝ちとなる。
この五目並べ、メジャーなわりに正式な大会や団体が存在していない。その理由は「必勝法」があるからなのだ。
1899年に黒岩涙香(くろいわるいこう)が五目並べでは先手が必ず勝てる方法があると発表したのである。その方法はとても複雑なようだ。だが、その方法を使って先行が勝ってしまうなら、ゲームをする意味がない。
そこから、黒岩は五目並べを競技として成立させるためにルールを整えていった。その結果、現在「連珠(れんじゅ)」と呼ばれているゲームが生まれた。
連珠では、圧倒的に有利とされる先手の打ち方に制限をかけている。そうして対局者間の均衡を保ち、競技として成立させているのである。
雑学まとめ
「五目」についての雑学、いかがだっただろうか。五目というからには5種類の具にこだわる必要があるのかと思っていたが、思いのほか自由度が高く驚いた。
五目と名のつく料理にはさまざまな具材が入っているため、色どりが鮮やかな場合も多い。また、1つのおかずで多くの栄養素を摂ることにもつながるだろう。
また、なんとなく五目並べをしたことはあるが、必勝法があるとは知らなかった。気軽にやってみようと思えるほど簡単ではなかったことが残念である。
調べものをしたらお腹が空いてきた。今日の晩ごはんは五目寿司でも食べるとしようか。