タンポポは黄色い可憐な花と、風にのって飛ぶ綿毛が特徴的な植物だ。食べられる野草としても有名なので、タンポポの葉のサラダや天ぷらを食べたことがある人もいるだろう。
目でも舌でも楽しませてくれる身近な植物だが、その生態を正しく理解している人は意外と少ない。タンポポへの大きな誤解の1つが、綿毛の先はタネだと思われていることだ。
タンポポの綿毛の先は、タネではなく果実なのである。果実といえば、桃やミカンなどの果物のイメージが強い。
タンポポの綿毛の先と桃は全然違うじゃないか! 本当に綿毛の先は果実なの? 今回の雑学ではこの謎に迫っていく!
【自然雑学】タンポポの綿毛の先はタネではなく果実だった
【雑学解説】痩果と呼ばれる果実の中にタンポポのタネがある
子どものころ、タンポポは遊び道具の1つだった。花の咲いている時期には花冠を作り、綿毛の時期になると息を吹きかけて綿毛を飛ばしたものだ。
タンポポを見たことがない人は少ないと思うが、まずはこちらの動画でタンポポについて学んでみよう。
タンポポの綿毛にはタネを風に乗せて遠くまで運び、タンポポの生息域を拡大する役割がある。役割から考えると、動画で確認できる綿毛の先の茶褐色の部分がタネだと推測できる。見た目もヒマワリのタネにちょっと似ていて、タネっぽい気がするし。
だが、タンポポの綿毛の先はタネではなく果実なのだ。タンポポの果実は、果肉の部分がない「痩果(そうか)」という種類の果実である。私たちが目にしているのは果実の皮の部分であり、皮を剥くと中にタネが入っている。
桃やミカンのような果物は、果実にしっかりと果肉がついており、皮を剥いて果肉を食べる。タンポポは果肉がないので、一般的なイメージの果実とは姿が違うのか…。果実にもいろいろな種類があるんだな…。
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タンポポの綿毛の先がタネだと誤解している人には、正確にはタネの入った果実だよと教えてあげたいと思う。細かいことを気にする面倒な人間だと思われるかもしれない。でも、みんなにタンポポのことをきちんと知ってほしい!
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【追加雑学①】タンポポからコーヒーを作ることができる?
タンポポは食べることができる植物なのだが、飲み物の材料にもなることをご存知だろうか。タンポポの根から「タンポポコーヒー」という飲料が作られているのだ。えっ、コーヒー?
調べてみると、名前にコーヒーと入っているのに、タンポポコーヒーにコーヒー豆は使われていなかった。かんたんに説明すると、洗ったタンポポの根を乾燥させてから加熱し、煮出したものがタンポポコーヒーだ。
コーヒー豆を使っていないにも関わらず、名前がコーヒーなのは、なぜなのか? 風味が似ているからという説が有力である。タンポポコーヒーはコーヒーと味わいが似ているので、コーヒーの代わりに飲む人もいるとのこと。
タンポポコーヒーには、コーヒーに含まれる「カフェイン」が含まれていない。カフェインは眠気覚ましに効果的だが、妊娠中や授乳期には摂取を控えたほうがいいといわれている。
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日常的にコーヒーを飲む人にとって、大好きなコーヒーが飲めないのはストレスになるだろう。妊娠や子育てで大変な思いをしている女性には、タンポポコーヒーでストレスの少ない生活を送ってほしいものだ。妊娠・出産祝いにタンポポコーヒーを贈るのも、いいかも。
【追加雑学②】タンポポとよく似た植物「タンポポモドキ」
草むらを見ると、タンポポとよく似た植物を見ることがある。花を見るとタンポポなのに、茎がひょろ長いのだ。こちらの動画でどんな植物なのか見てもらいたい。
黄色い花とひょろ長い茎。タンポポと似ているのに、何かが違うこの植物は、「タンポポモドキ」という名前だ。名前の由来はいうまでもなく、タンポポに似ているからだろう。そのまんますぎるネーミングセンス…!
タンポポモドキには「ブタナ」という別名が存在する。ブタナの由来はフランスでこの植物を「ブタのサラダ」と呼び、それを翻訳したところからきている。
推測になるが、ブタ用のサラダ…つまりブタのエサを意味していると思われる。フランス人の表現おしゃれすぎ!
現在、タンポポモドキよりもブタナの名前のほうが広く浸透しているらしい。私は学生時代に授業で「タンポポモドキ」と教わったので、私の中ではタンポポモドキなのだが…。呼び方にも地域差や時代の変化があるのかもしれない。
雑学まとめ
今回の雑学ではタンポポの綿毛の先はタネではなく、果実だということを解説した。綿毛の先がタネではないことよりも、タンポポにそもそも果実があることに驚いた人もいるのではないだろうか。
身近な植物でも、詳しく調べてみると意外な真実が明らかになることがある。あなたも植物図鑑を持って、草むらに突入だ!
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