ちょっぴり不思議でかわいらしい見た目から、観葉植物としても人気のあるサボテン。そのぷっくりとした佇まいで人々を癒し魅了してきた。
そんなサボテンの特徴といえば、やっぱり体に巡らされた棘だろう。
見ている分にはかわいいけれど、棘だらけの体は痛々しくもある。動かない植物だからいいものの、あのトゲトゲなボディは相当な武器になりそうだ…。
でも実は世界には、まさしくあの体で攻撃してくるサボテンが存在するのだ…。
【自然雑学】近づくと飛びついてくるサボテンがある!
【雑学解説】空飛ぶサボテン、ジャンピング・チョーヤ!
百聞は一見にしかず。まずはこの動画を見ていただきたい。
長〜いトゲがびっしりと生えている。サボテンのなかでも攻撃性が強そうなやつだ…。
アメリカ南西部やメキシコ北部に生息している空飛ぶサボテン「ジャンピング・チョーヤ」。彼らは人間や動物が近づいてくると、体の一部を飛ばしてくるのだ。
その体にはびっしりトゲが巡っているので痛い痛い。とても鋭く、いったん刺さってしまったら抜くのに苦労を要するよう。ひえ〜!
どうして動物が近づいてくるのがわかるのだろうか? もちろん、サボテンに目が付いているわけではない。
彼らが利用しているのは、空気の振動だ。人や動物が近づいてくる振動を感じると彼らは空を飛ぶのである。植物ってすごい。
どうして飛ぶのか?
そんな怖くて痛いサボテンだが、彼らが人や動物にくっつくのにはちゃーんと理由がある。痛めつけようというわけではないのだ。
ジャンピング・チョーヤは動く人や動物たちにトゲをくっつけることで繁殖を試みているのである。
サボテンは悲しいかな、植物であるので動くことができない。子孫を残すため、広範囲に渡って繁殖をしたいけれど、なかなか難しい。そこで、動き回る動物にくっついて遠くまで運んでもらおうという繁殖作戦を生み出したのだ…賢い!
動物を利用するサボテンがいればそのサボテンを利用する動物もいる。ジャンピング・チョーヤの近くには、このトゲトゲを集めて鉄壁の巣を作るネズミも生息しているらしい。
植物も動物も、生き残るための知恵がすごい。
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【追加雑学①】サボテンは世界に5000種以上ある!
世にも珍しい「飛ぶサボテン」があるように、サボテンといってもさまざまな種が存在する。
サボテンは「サボテン科」に属する植物たちのことをいうが、その種類はなんと5000を超えるのだとか! そして現在も品種改良が進んでおり、その数は増え続けているそう…。
考えてみれば花屋や園芸屋に並ぶサボテンも、丸いもの・柱のようなもの・トゲがほとんどないもの・逆にトゲがたくさんついているもの…とさまざま。それでもまさか、5000種もあるなんて驚きだ。
奥深いサボテンの世界…。あなたも自分好みのサボテンを見つけてみてはいかが?
【追加雑学②】サボテンは食べられる?
独特な形をしているサボテンだが、植物であることには変わりない。ということは、サボテンを野菜として食べることも可能なのだろうか…。
サボテンを食べるとはイメージしにくいが、種類の多いサボテンのなかには、もちろん食用のものも存在する。サボテンの本場(?)メキシコでは、スーパーでも食用のサボテンが並んでいるのだとか。
メキシコで人気の食用サボテンが「ノパル」だ。動画でノパルの収穫から調理まで見ることができる。
日本では「ウチワサボテン」と呼ばれるうちわのような平たいサボテン。
メキシコではトゲを削ってサラダやスープ、炒め物といろんな調理法で食べられている。粘っこい食感で味はあっさりしているようだ。日本でいうとオクラやめかぶみたいな感じかな?
メキシコのサボテン料理。機会があったらぜひ食べてみたいものだ…。
雑学まとめ
今回はサボテンについて紹介した。
飛びついてくるサボテン…SFアニメに出てきそうだが、実在した。恐ろしい。生きるための進化とはいえ、攻撃性の高そうなトゲはむごすぎる…。
空飛ぶサボテンに食べられるサボテン…ひとえにサボテンといってもいろいろな種類があるものだ。アメリカやメキシコに行く際には、サボテンにも注目して楽しもう!