食パン・カレーパン・あんぱんなど、パンの種類は数えられないほどたくさんある。パン屋に入ると新作という看板で紹介してあるおいしそうなパンが…。
最近知ったのだが、クロワッサンはバターをパン生地にのせて何度も折りたたみながら作られていると聞き、とてもびっくりした。え、バターをこんなに食べてるんだ…ダイエットしようかなぁ。
だが、そう思っても食欲をおさえられないおいしいパンの魅力。小麦を練ったかたまりがなんであんなにおいしいのだろうか? パンを発明した人はすごい! と関心するばかり。
では、そもそもいつ頃からふわふわでサクサクなパンが食べるようになったのだろう。今回はその謎に迫る!
【食べ物雑学】パンの歴史はいつから?
【雑学解説】パンの歴史はガレットから始まった
人々が小麦を食べるようになったのは、紀元前7000年頃のメソポタミア地域のようだ。その食べ方は小麦を潰して、おかゆのようにして食べていた。美味しいのかな…やせそう。
そして時は紀元前6000年頃、小麦を粉にしたものを水で練って、薄くのばして焼いたパンが作られるようになった。このパンはガレットと呼ばれるもので、無発酵パンの始まりである。そして、世界でもっとも古いパンの誕生だ。
紀元前3000年頃の古代エジプトでは、すでに石臼で小麦を挽き、水を加えてこねたものを焼いて食していた。ただ、この頃のパンは平たくカチカチに固かったという。
それが今日のようなふんわりとしたパンになったのは、ある偶然がからんでいた。なにぶんにも暑い国のことである、パン生地を作ってもすぐに焼かずに放置していると不気味な形に膨らんだ。
始めはこれを腐ったものとして捨てていたのだが、あるとき一人のチャレンジャーもしくはただのケチが焼いて食べてみた。するとどうだ。
カチカチのクラッカーみたいだったパンがふんわりしっとり食べやすくなっており、しかも風味が増して驚きの旨さ! この偶然が現代に通じる発酵パンの誕生だという。
これがたまたまというのがすごい。当時の人達は「え、パンがなんかふわふわじゃん」と驚いたにちがいない。
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古代エジプト人が発酵パンを製造
たしかに最初は偶然の出来事であったが、やがて古代エジプト人は「サワードウ」と呼ばれるパン種の製造を会得した。サワードウの利用によって発酵パンを安定的に供給することが可能になった。
ちなみにこのサワードウ、原材料の配分を変えればビールそのものというのもちょっとしたトリビア。
こうしてエジプトは当時の世界でパンの国として名をはせることになり、エジプト人は外国人からは「パンを食べる人」と呼ばれたりしていた。
以上、現在食べられているふわふわのパンのルーツはエジプトということで一件落着だ。
【追加雑学】パン作りは重労働だった
アダムとイブが楽園を追放されたとき、神様は二人の行く末に呪いをかけてこう言った。
「あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る」
エデンの園にはありとあらゆる果実が1年中実っていた。まさに毎日がフルーツバイキング状態。罪を得てパラダイスを追われた二人は突然、食べ物を調達するために血のにじむような苦労をすることになったという。
古代世界において、パン作りは決して楽な仕事ではなかった。サドルカーンと呼ばれる石臼で麦を挽くのは重労働で、女たちの体と骨はそのために変形したらしい。
骨まで変形とは怖すぎる…。そのことは、古代遺跡から発見される人骨の分析を見てもわかるそうだ。栄養豊かでおいしい食べ物を調達することがいかに難しかったかを、今に伝えるエピソードなのかもしれない。
「パンの歴史」の雑学まとめ
パンのルーツを辿ると、軽く紀元前は突破して、先史時代にまで遡る。まさにパンの歴史は人類の歴史だ。古代の人々は食用に適した麦を探し出し、文字どおり身を粉にして製粉技術を開発した。
そして、発酵のプロセスをコントロールする術を身につけ、その努力の結晶として高カロリーで咀嚼し易く、そして何よりおいしくて風味豊かなパンを作り出すことに成功した。
おいしいパンの発明に寄与したすべての先人たちに「いいね」を送りたい。