性感染症というと「自分には関係ない」と思っている人もまだまだ多いですよね。しかし近年、そうとも言えない現象が国内を襲っていることを知っていますか?
特にここ最近急増しているのが梅毒。梅毒はその昔、江戸時代や明治時代に流行した感染症で、特効薬の登場により一時は姿を消した病気です。
それが2013年以降、年間の感染者数は1,000人を超え、さらに現在は7,000人以上にも増えており、「自分には関係ない」なんてとても言えない状況になっています。
【性の雑学】急増する梅毒とコンドームの関係とは?
梅毒は症状がわかりにくい病気!コンドームで予防を徹底しよう
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という病原体が、性器や肛門、口などを通じて体内に入ることで感染する病気です。
多くはコンドームを着けずにセックスや口での愛撫をしたとき、また口腔内に病変が出ている場合は、キスでも移ることがあります。
この梅毒の怖いところは感染したことがわかりにくく、初期には症状が出たとしてもすぐに治まってしまうため、完治したと勘違いしてしまうことです。
「治ったと勘違いする」「感染したことに気づかない」…これって、一見相手が感染しているかどうか見分けがつかないということですよね。「自分のパートナーはひとりだから大丈夫」などという人でも、感染の可能性は十分にあるのです。
セックスの際はどんなに大丈夫に思えても、必ずコンドームの着用を。感染のリスクは少しでも減らしておきましょう。
放置すると心臓などの内臓、脳に障害が出てしまうことも…
梅毒の初期症状はだいたい1ヶ月以内に表れ、性器や口腔内、肛門などにしこりができるのが特徴。ただその症状は放っておくと数週間で消え、次は3ヶ月後ぐらいに全身に発疹ができます。この症状にしてもまた、放っておいてもすぐ治まるもの。
このあとは数年症状が出ない場合が多いですが、その潜伏期間にも梅毒は侵攻を続けます。治療しなければ体内に腫瘍を作り、心臓や内臓、脳などに重大な障害が出てしまうことも…。
江戸時代などは治療法が確立されていなかったため、梅毒の侵攻で脳に異常をきたし、痴呆症などの精神病を患ってしまう人が多かったそうです。
梅毒はこういった重大な疾患につながる前に、早期に発見することが重要。初期症状の段階なら、ペニシリンなどの特効薬を使って完治させることができます。
少しでもおかしいと思ったら検査を
梅毒は多くの場合、保健所が無料の検査を行っています。また検査は行っていなくても相談を受け付けているところがほとんどなので、疑わしい症状が出たら、まず近くの施設に問い合わせてみましょう。
施設を探すには「HIVマップ」を活用しましょう。HIV以外の感染症にも対応していて便利です。
ほとんど症状が出ないこともあるので、異常がなくても定期的に検査を受けておくことが大事ですね。
雑学まとめ
梅毒は症状がわかりにくく、誰が感染していてもおかしくない病気。放っておけば脳や内臓などの重大な疾患にもつながります。
性感染症である以上、近年の急増はやはりセックスに対する意識の問題でしょう。まずはコンドームを必ず着けるということから、この異常な状況を改めていきましょう。