「ドラえもん」のジャイアンの家族といえば、母ちゃんとジャイ子。…うん、脇役ながらになかなか濃いラインナップである。…と、ここであることに気付く。
父ちゃんはどこ行ったよ。
剛田家は母子家庭なのか? …と思う人もいるだろうが、ジャイアンの両親はちゃんと健在である。単に出番が少ないだけだ。そしてこのジャイアンの父ちゃん、実はけっこう不可解な設定がされている人物である。
力自慢の大男だといわれたかと思えば、小柄で気の弱い人物だといわれたり。ひょっとして体型まで変わってしまう多重人格者…?
と、なんだかドラえもんらしくない展開になってきたが、真相やいかに…。今回はそんなジャイアンの父ちゃんに関する雑学である。
【面白い雑学】「ドラえもん」のジャイアンの父ちゃんは小男だった?
【雑学解説】ドラえもん1作目のジャイアンの父ちゃんは気弱な小男
出番が超少ないジャイアンの父ちゃん。しかし彼には、剛田家で母ちゃんもジャイ子ももち得なかったものをもっている。…本名だ!(※ジャイ子は本名じゃない)
1973年に半年間放送されていた、ドラえもんアニメ1作目にて、ジャイアンの父ちゃんは「剛田小助(ごうだこすけ)」という名前で登場するのだ。
このアニメ1作目は"幻の1作目"と呼ばれ、現在のドラえもんとは設定が大きく異なる。剛田家にしたって、まず母ちゃんは亡くなってるし、ジャイ子もいない。1作目のジャイアンには父ちゃんしか身内がいないのだ。
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で、この剛田小助さん、ジャイアンの父ちゃんとは思えないぐらい気が弱く、身体も小さい。以下のツイート右下のメガネをかけてる人が父ちゃんだが、どっちが子どもかわからんぐらい小さい。
日テレ版ドラえもんの
ジャイアンの母ちゃんは
故人である。その代わりとして
ジャイアンの父親がジャイアンを世話していて、
名前は小助であった。ジャイアンより体格が小さく
描かれている。 pic.twitter.com/V9Qgv4a1mB— 岱さん (@Taka_fu2016) April 30, 2016
何を隠そうこの剛田小助さん、とっても息子想いで優しい父親である。ジャイアンも唯一の肉親として父ちゃんを大切に思っており、親子仲がとても良い。
腕力には自信がないのに、息子のためにのび太のパパと相撲対決をするシーンがあったり、ほんとに優しい人なのだ。
なんでもこの父ちゃんの設定は、ガキ大将として奔放に振る舞うジャイアンの優しい一面を表現するためのものだったのだとか。
今だと劇場版などでのび太たちのピンチを救うため、急にいいヤツになったりするよね。
ちなみに、ドラえもんのアニメ1作目はフィルムがほとんど存在しないため、今ではほぼ観ることが叶わない。観てみたかった…。
【追加雑学①】原作のジャイアンの父ちゃんは大柄で力持ち
一方、原作の設定ではジャイアンの父ちゃんの人物像がまるで異なる。大柄で力持ち。ジャイアンをして「父ちゃんより強いヤツがこの辺りにいるもんか」と、誇らしげである。小助さんはどこへやら…。
ちゃぶ台返しといえば、『巨人の星』の星一徹のお家芸だが、ジャイアンの父ちゃんに関してはひっくり返すどころか、ぶっ壊すからな。柔道の心得もあってジャイアンに教えていたり、ただケンカが強いだけというわけでもない。
てんとう虫コミックス4巻「ソノウソホント」の回で「のび太のパパのほうが強い」とバカにされた際は、顔を真っ赤にして怒り出す描写も。…ボクシングの試合前会見じゃないんだからさ。
ちなみにこれ、のび太が悔しまぎれに言ったウソなのだが、ジャイアンの父ちゃんは真に受けて相撲対決申し込んでくるんだよね。大人げねえ…。(※勝負はのび太のパパがドラえもんの道具で勝った)
筋の通らないことが嫌いという一面もある。といっても、親としては当然の反応ともいえるが。
てんとう虫コミックス1巻「一生に一度は百点を…」の回にて、ジャイアンがドラえもんの道具を使い、100点のテストを持ち帰った際、「不正だけはするなと教えてきたはずだぞ!」と怒るシーンがあるのだ。…はい、その通りです。
登場回数は少ないが、子供に対する教育はしっかりしているジャイアンの父ちゃん #細かすぎて伝わらないドラえもんの好きなシーン pic.twitter.com/phjBHunMYz
— 連盟@6/15 Fミュ (@Remmei) February 20, 2017
このようにときに厳しく、ジャイアンのしつけ役として活躍していた父ちゃん。
…だが、みなさんご存知、ジャイアンにはとっても怖い母ちゃんがいる。やはりどっちも怖いと釣り合いが取れないのだろう。原作後半になると父ちゃんはめっきり優しくなるのだ。
鯛焼きを買って来たり、映画に連れて行ったり。うん、普通に優しいパパである。
出番は極端に少ない
原作1~45巻のあいだでジャイアンの父ちゃんが登場した回数は計6回と、非常に少ない。でもこれは別に特別な話でもなくて、スネ夫のパパやしずかちゃんのパパだって、考えてみれば全然出てこないのだ。
そりゃあ、ドラえもんと子どもたちをメインにしたストーリーだからなあ。
…と思いきや、ジャイアンの母ちゃんは合計63回も出てきてるから恐ろしい。
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【追加雑学②】存在意義を母ちゃんに取って代わられたジャイアンの父ちゃん
原作でも決して登場回数が多いとは言えなかったジャイアンの父ちゃん。アニメ2作目から、その影はさらに薄くなってしまう。だって…
母ちゃんを前面に押し出していったほうがおもしろいんだもん。
なんといっても、ドラえもんに登場する母親としては屈指の存在感である。
https://twitter.com/syamu_Hero/status/1269250907666964480
原作では父ちゃんが担当していたシーンも、アニメだと母ちゃんに入れ替わっていることがほとんどだし、"この辺りで一番強い"という設定も母ちゃんのものになっている。嗚呼…父ちゃん…。
それにしても夫婦で剛田商店を営んでいる設定なら、もうちょっと出てきてもいい気がするのだが。父ちゃんは外回り担当…?
実はこれに関してはさまざまな憶測もされている。
- 剛田商店だけでは食べていけないので出稼ぎに出ている
- 朝は仕入れ、昼間はギャンブル
- 母ちゃんが怖すぎて逃げた。よって今は母子家庭
ちょっとみんな、妄想の闇が深すぎないか。単に出てくる意味があんまりないだけだぞ。
…さらっとヒドイこと言ってごめん…父ちゃん。
https://twitter.com/5nakano_nino/status/1259055622651174913
ちなみにヒゲがあるときとないときがある。下のツイートでは角刈りもツーブロックになっててオシャレ。
https://twitter.com/nyonyo_makoto/status/1167382505638383616
「ジャイアンの父ちゃん」の雑学まとめ
今回は、ジャイアンの父ちゃんについての雑学をご紹介した。
ジャイアンの父ちゃんは気の弱い小男だったり、近隣最強の大男だったり、シリーズによって様相がまったく変わる興味深い人物である。
しかし今となっては母ちゃんの存在感に押されて全然出てこない不遇キャラ。たしかにストーリー的には母ちゃんだけで事足りるのかもしれないが、個人的に剛田家の家族のやり取りとか、もうちょっとあってもおもしろい気がする!
みんな! ジャイアンの父ちゃんを忘れないで!
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