大人になってからは、めっきり使う機会も減ってしまったが、今もリビングの片隅から、豚の貯金箱がこっちを見つめていることに気がついた。たまにはお金を入れてくれって…?
そういえば貯金箱ってなぜ、ブタデザインのものが多いのだろう。家にあるものだけでも、数えたら3つはあるぞ…。ひょっとしたら一家にひとつレベルであるんじゃないか?
そう、実はこの豚の貯金箱…日本だけではなく、世界共通で愛されているのだ。その理由は、豚という動物のすごい生態からだった!
【生活雑学】貯金箱が豚の形をしている理由とは?
【雑学解説】貯金箱と豚の意外な関係
豚が一度に10頭近くの子どもを産む、非常に多産な動物であることは、知っている人も多いだろう。その特徴から豚は、「増える、繁栄する」という幸運のシンボルとして、実は世界中で縁起物とされている。
そこから「お金が貯まるように」という願いを込めて、貯金箱も幸運のブタデザインになったというのが、もっとも有力な説だ。
また豚は肉や皮はもちろん、血や骨に至るまで捨てる部分がなく、有用性が高い。そういった特徴もまた、「無駄遣いの対極」と捉えられ、貯金箱になった理由のひとつとされている。
たしかに豚肉は安くてお財布にも優しい! …のは関係ないかもしれないが、単に可愛いからかと思っていたら、意外に深い理由ではないか!
「Pyggの貯金箱」説もある
なんでも中世ヨーロッパでは、「Pygg(ピッグ)」と呼ばれる粘土を使って、陶器を作っていたという。
あるとき「Pyggの貯金箱を作ってほしい」と頼まれた陶器職人が、豚の「Pig」と勘違いして貯金箱を作ったのが、ブタデザインの始まりという説もあるのだ。
深い理由があるのだなと感心していたら…今度はなんと浅い理由だろうか…。まあ、依頼主は豚の貯金箱を大層気に入ったというから良しとしよう。
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【追加雑学】豚の出産の最高記録は1回で32頭
ただでさえ子だくさんな豚さんだが、豚界でも上には上がいるものだ。
中国の在来種である梅山豚(メイシャントン)は、一度に平均して20頭近くの子どもを産み、最高記録ではなんと32頭も産んだという! 豚にしても凄まじい繁殖力ではないか!
さすが中国産というべきか、あの『西遊記』の「猪八戒」のモデルになったのは、この豚だといわれている。
ちなみに1986年から日本にも輸入されているが、すぐに輸入禁止になってしまったため、現在の国内では100~200頭ほどが飼育されているだけになっている。そのため「幻の豚」とも呼ばれ、味わいはまさに一級品だというぞ!
以下の動画には、熊本県の上益城郡山都町(かみましきぐんやまとちょう)にある坂本牧場で飼育される梅山豚の様子が映されている。黒っぽい色と、シワの深い顔をした、どこか貫禄を感じさせる豚だ。
「豚の貯金箱」の雑学まとめ
貯金箱がブタデザインな理由には、諸説あるものの、やはり有力なのは豚が繁栄の象徴とされていたことだろう。一度に32頭もの子どもを産むことだってあるのだから!
どこかマヌケなイメージのある豚さんだが、実は世界的に愛されるとってもすごい動物なのだ。なんだかより一層、豚の貯金箱ならお金が貯まるような気がしてきた!